「阪急3000系 3064F」完成

「阪急3000系 3064F」が完成した
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 「阪急3000系 3064F」が完成した。いつものようにグリーンマックスのエコノミーキットからの制作だ。前作の5100系原形各種(5100F5136F)に準じた仕様で、ライト点灯化だけは保留している(ちょっと思うところがあるのだが、改良品を試作する気分になってない)。
 完成2日前に、グリーンマックスより新製品のFS345形台車が発表された。まさにこの阪急3000系用の台車なのだが、タイミングがいいのか悪いのか。とりあえず当初の予定通り、既存品のFS356形で代用し(旧作からもぎ取って来た)、新製品が発売されたら換装する予定である。

旧作3064F(右)との比較
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 3064Fは、そのものズバリを2007年にも制作しているので並べてみた。その時は何とも恐ろしいことに3100系 3157Fと同時進行同時落成ということをやっていた。振り返ってみると「年間100両!」とか言って粗製乱造していた時代で、今思うと実に懐かしい。その3157Fも遠くない未来に再制作の予定である。
 というわけで、旧作と並べてみた(写真はうっかりティルトあおりをそのままにして撮ってしまったので、ヘンなボケ方をしている)。標識灯、テールライト周りが、旧作ではキットそのまま(6000系や7000系の形状)だったが、今回はきちんと幕改造車の形状を再現した。
 なおその1。方向幕シールをまだ貼っていない。何故か私は、ごく初期を除いてキット組み立ての阪急にシールを貼っていない。後から行先種別を決めてゆっくり貼ろう、と思ってそのままなのがずっと続いている。完成品にはちゃんと貼るのにね?(厳密には完成品じゃないかもしれないけど参考
 なおその2。新作(左)の車番が少しズレている……貼っている時にも認識していたのだが、「許容範囲内」と思って作業を進めた。写真に撮るとめっちゃ目立つ! やっぱりきちんと貼らなきゃダメだね!
 なおその3。旧作(右)のスカートが崩壊しているが、強度がお粗末だったということ。今作はこれを踏まえて、もう少し頑丈に作った(つもりである)。15年後の崩壊度合いが楽しみだね!
 なおその4。本更新一番最後の写真の方がはっきり写ってるけど、アンテナの取り付け位置が少しずれてしまっている。今回はカトーのアッシーパーツを使っているのだが、取り付け足の形状が独特だったために切り取り、ゴム系接着剤でイモ付けしてある(だから取り付け位置が曖昧)。

5128Fリニューアル編成(右)との比較
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 お次は5100系 5128Fリニューアル編成との比較(やはり種別及び行先が不明)。どうして5100系と? それは標識灯、テールライト周りの加工が5128Fリニューアル編成に続き2度目だからだ。5128Fの時はライトケースの表現にプラ棒などを苦労して加工した記憶があるのだが、今回はあっさりとトレジャータウンのパーツを使用。いいお値段のするパーツなのだが、工作の手間が省ける上に仕上がりも良い。時は金なりとも言うし、安くはないが高すぎるものではないと思う。
 5100系原形の時からではあるが、連結器や胴受けも市販パーツを使って楽をしている。GMの2800系用のバルク品で、こちらはリーズナブルのお値段だった。但し、現在はパッケージ品として販売されるようになった一方で価格は跳ね上がってしまった。5128Fや先ほどの旧3064Fは各種素材を駆使して作ったのだが、今見返すといい思い出である。
 なおその5。5128の連結器が崩壊しているが以下略(5100F原形の時にも書いた記憶がある)。

パンタグラフ周り
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 今回最大の進化点はパンタグラフ周りかも? 某氏より絶版本をお借りし、はっきりした写真を見ることができた。ただ、見えるもの全部をやろうとするとかなり手間がかかり、構造にも工夫が必要だったため、細かい配管をかなり省略。結果、あっさりしすぎてちょっと手を抜きすぎたかなあとも感じる。後日、「凸」形の部品(明るめのグレーの部分)やその周辺に何本か線を足してみるかもしれない。
 屋根本体はFABREの「床下グレー」、屋上機器はGMの「ねずみ1号」と「灰色9号」、クーラーの黒い部分はクレオスの「ジャーマングレー」を使って塗装している。パンタグラフは今回は無塗装(5100系原形は白銀で塗装した)。

ここでパンタ車屋根を旧作たちと比べてみる
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 今回配管関係をするにあたって旧作を振り返ったりもしたのだが、意外と健闘していたことが判明した。上が一番古い3000系で、真ん中が旧作3064F、下が今回のである。割といい“線”いってるのではないかと。ちなみに今回のは、一箇所敢えて実物とは違う取り回しにしたので、その部分に関しては旧3064Fの方が実車に近い。
 一番古い車両は、機器類を載せる台にキットのモニターパーツを使用していて、旧3064Fではプラ板で自作、という具合に進歩が見て取れるのが自分では面白い。ちなみに、台車を旧作からもぎ取ったの同様、パンタグラフも引っこ抜こうと思ったら……旧作の面々は古い板バネタイプだったために残置。結果こうして並べて写真を撮ることが出来ました(笑)
 屋上機器は、ヒューズ箱、避雷器共にカトーのアッシーパーツを利用。避雷器は、実車の形状が途中で変わっていると思われる(5100系原形や3000系非冷房を作るのであれば、キット付属のパーツの方が似ている)。
 なおその6。旧3064Fのヒューズ箱が一個取れてますが(右側)、もはや直す気ゼロ(開き直り)。旧作はあちこち傷んでしまってる……。

中間改造車2190の比較(右が旧3064F)
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 先頭車の中間改造車の元乗務員扉部の窓は、キットのパーツを使うのではなくプラ板加工で再現してみた。天地方向が他の窓と揃う一方、やはり隅のRや窓枠の太さの安定度といったところではパーツの方が勝る。一方で、パーツを使うと継ぎ目の仕上げがどうしても綺麗にならないので、全体としては一長一短。自分の工作技術の限界を感じる部分である。

課題の残った部分もある
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 実車のスカートは「く」の字型に曲がり、中央部には折り目が見えるのだが、今回はほとんど直線にしか見えない仕上がりになってしまった。旧作3064Fでは左右別ピースにしたところ強度面で不安で(でも崩壊したのは別の箇所)、今回は曲げ加工で何とかしたかったのだがどうにもならなかった。真鍮板だとがっつり曲げられるんだけどね、プラ板をそこまで曲げると普通に折れそうで怖かった。次回は裏側に補強を入れる前提にしてきちんと曲げたい。
 クーラーパーツはキット付属のものを加工したが、やはり塗装済みキットのものの方が形がいい。天面のメッシュ部分を何とかする必要はあるが(多分どこかからパーツが出ているはず)、次回までの課題としたい。ちなみに、スピーカーの点検蓋は一旦全て削り、t0.1のプラ板で
・パンタ車以外は両端のクーラーの内側
・パンタ車は両端のクーラーの外側
に設置。同じ3000系でもクーラーの取り付け位置が中央に寄っている編成があって、そちらは全車「両端の外側」の模様。せっかく調べたので再現してみたが、実際のところ写真を見ていてほとんど目立たない部分である。むしろ省略してしまった方がリアルなのではないか、とも思っているため、次回以降に反映されるかどうかは不明。
 床下機器は5100系原形同様、武蔵模型工房さんの3Dプリントパーツを使わせてもらった。というか、3000系の床下機器が公開されたので今回3000系を作ろうということになった(笑) それがなければ今頃5100系の幕改造車が完成していたんじゃないかな? ちなみに、5100系はレイルロード社の本を眺めているうちに原形が作りたくなって“寄り道”してしまったが、3000系では絶対そんなことしないぞ!と決意を込めて借りた本を開いた。ところが3000系は幕化改造の前に非冷房時代というのがあったんだよね……。床下機器の形状がまるで違うことに気付いて思いとどまっているのだが、もし非冷房用床下機器パーツが出るようなことがあれば“寄り道”することになるだろう。

 今作は制作開始から毎週、制作状況を報告していた。今日の「完成報告」と重複するところもあれば書いてないこともあると思うので、今一度リンク先をまとめておく。
その1:基本工作、積みキ遊びなど
その2:To車、方向幕など
その3:前面加工など
その4:箱組み、動力スペーサーなど
その5:床板加工、スカート、クーラー加工など
その6:屋根上配管など
その7:塗装、銀差しなど

(2022.03.19)

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