阪急5100系原形5136F、5145+5126

阪急5100系原形シリーズ第二弾、まずはメインの5136F
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  阪急5100系原形仕様の5136Fと「5145+5126」が完成した。まずはメインの5136Fからお見せする。おそらくGM阪急エコノミーキットで一番多く組まれているであろう5136F。何故「一番多」いと推測するのかというと、説明書通りに作ると2パンタ編成になり、インレタには5136Fが収録されていて並び替えをせずに貼り付けられるから。では私がこの番号を選んだ理由は? インレタに収録されていて並べ替えの必要がないから(笑) もちろん、インレタそのままを嫌って並べ替える案もあったのだが、たまたま資料を読み込んでいると、この編成が増結予備編成確保のために組み替えられていたという記述を発見。その時代の「5136-5686-5673-5137=5675-5688=5138-5139」 という組成でも楽しめる、という理由で楽してインレタそのままを貼り付けることにした。前回作った5100Fに 増結するという楽しみ方もある。実際にそういう組み合わせで走ったことがあるかどうかは分からないが、ないならないで模型ならではの楽しみ方ができる。

今回の目玉は、2パンタ車5136、5138(画像は5136)
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  全体的に前作を踏襲した作りになっている。最も大きな違いはパンタグラフの数、ということでパンタグラフを2基搭載する5136、5138がメインの話題になる。
  キット付属の2パンタ車用の屋根は、おそらく6000系以降用のものと見られ5100系には“使えない”。配管類のないフラットな屋根を加工して2パンタ車用に改装した。2基のパンタを繋ぐ配管に凝る予定はなかったのだが、日本橋の某Jから始まる家電量販店の模型専用フロアを歩いているときに細いチューブを発見、少しチャレンジする気になった。メインの管は0.3mm径の真鍮線。その端部に今回新たに手にしたチューブ素材を被せてパンタグラフ及び中継のヒューズボックスへと連絡させている。パンタ、ヒューズボックスへの取り付けは、0.3mmドリルで穴を開けておき、短く切った真鍮線を介している。このチューブ素材のスペックは、内径0.2mm、外径0.4mmとのこと。メインの配管よりも太くなってしまうのだが、これは致し方がない。これ以上細いチューブを求めるとなると(そもそも売ってなかったのだが)、内径がもっと細くなって0.3mmの真鍮線を刺すには無理が出るだろう。なお、真鍮線の端は斜めに切って尖らせてあり、チューブが差し込みやすいようにしている。
  配管の足の部分は、GMの単体発売のランボードを細切りにして接着している。同じ細さにするのが難しいので、たくさん切り刻んで、その中から揃ったものをピックアップして使っている。2両で30個ほど必要になるのだが、倍ぐらいの数を切り出した。ちなみに、前方のパンタグラフからヒューズボックスまでの足の数は、実車では10個のようなのだが、作業中に何かを勘違いして11個設置してしまった。

旧作(キット付属屋根パーツ)との比較
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  今回、台車は以前作ってボツになった車両から剥ぎ取って使っている。この後紹介する2両増結の分が足りなかったので、ボツにはしていない旧作から一時的に拝借することに。その旧作がたまたま同じ5136Fだったので、屋根上を比較してみた。旧作の屋根はキット付属部品そのままである。先ほどの写真と前後が入れ替わっているが、細かいことは気にしないでいただけるとありがたい(笑)

上の写真の先頭部拡大
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  まずは先頭部。パンタグラフの位置が下の台ごと前方へ寄っているのがお分かりいただけると思う。それに伴いクーラーの設置間隔が広くなり、アンテナが窮屈な目に遭っていない(笑) ランボードは適正な長さに詰めて使っている。パンタ後部の配管は、こうして見るとちょっと間違ったかも……連結面側パンタグラフの配管と同じようにすれば良かったようだ。
  パンタグラフは前作から、GM純正ではなくKATOパーツを使用している。ディティールその他は分からないが、KATO製パーツの方が作りしっかりしているような気がする。余談だが、資料によると実車はシュー端部の形状が途中で変わっているらしい。GMのもKATOのも初期の頃の形状のようで……あまり気にしない方がいいよね(笑)

同連結面側拡大
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  同じく連結面側。こちらは部品の配置には特に大きな違いはない。ヒューズ箱の設置してある向きが6000系以降と5100系とで違うようだ。その下の長方形の出っ張り(鉄板による補強?)もパーツと5100系の写真とで違っているように見えたので、一旦フラットに削ってから0.1mm厚のプラ板を貼って表現している。
  ランボード上面は本来なら滑り止めがあるはずだが、上手い再現方法が思い付かないので省略。キット付属部品は謎の横棒が入っているのだが、他の系列ではこうなっているのか、それとも……???

増結2両
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  前作5100Fに“増結”する5145と5126。5100Fの宝塚方にポン付けするのではなく、間に挿し入れる形での増結になる。一昔前のNゲージの増結セットのような感じ(*1)だ。実はこの2両のナンバーを決めるときに初めて気付いたのだが、5100Fは10連運転開始時に被増結編成となっている(前作作成前の研究時に資料を読んでいたはずだが、少なくとも今回作るときは完全に頭から抜け落ちていた)。その際に宝塚方先頭車を5115から5145に交換(宝塚方先頭車の連結器を密着自動連結器にするため)。“余った”5115は5126と組んで増結2両編成となった。今回増やした2両はこの5145と5126で、その2両で編成を組むわけではない。当初は「実車に即したナンバーに拘らずとりあえず10両編成にして遊べたらいいや」と考えていたのだが、実車通りのナンバーにすることが出来た。結果オーライである。
  ところが結果オーライにならなかったのが幌。この2両は前面に飾り帯を付けておくつもりだったのだが、幕改造された後の時代の写真を見ると、10連運転時の基本と増結の間に幌が付いている。幕改造前の写真が発見できなくて確かなことは言えないのだが、この時代も幌を付けていたんじゃないかという気がしてきた。先ほど書いた5115と5145の交換に気付いたときに、5145の密自連を先頭にして遊ぶのもアリだなあと思って飾り帯を選んだのだが、そうなるとTNカプラーを取り付けないといけなくなり、連結面間隔の確保と5138-5139の増結が難しくなる。最終的に5145先頭を諦めることにして飾り帯でなく幌を選んだのだが、それが塗装作業後で、幌は必要最小数しか塗装していなかった。そんなわけで、現状では幌未取り付けとなっている。前面のディティールアップをサボっているので、その作業と並行して近日中にやっておこうとは思っているけど……。

*1 一昔前とは、リアルタイプのカプラーが開発される前の時代。増結セットの先頭車運転台側にも台車マウントのアーノルドカプラーが装着されていて、「4+4」編成の場合、編成の中央に「1+3」という形で挿入して増結していたあの頃の話だ。

色の比較、左が今回の5126、右が前回の5115
(この画像はクリックしても大きな画像が表示されません

  私が塗装をすると、同じ色でも前に塗った時と色味が変わってしまった……ということがよくある。今回もそうなのだが、このぐらいだったら許容範囲内? 画像は、左が今回の5126で右が前回の5115である。


  次は画像が3枚連続するので先に軽く解説しておく。GMの阪急キットは先頭車の側板に、金型の製造時からの歪み?経年劣化?があって窓が一ヶ所少し変な形になっている。今回はその修正を試みてみた。

側面パーツの歪み(前作のキットそのままの5115)

今作は修正してみた
上5145、下5136

  一番上が何もしていない状態で、下2枚が今回制作した車両。一番上の画像の中央の窓の左下、少し曲がっているのがお分かりいただけるだろうか。内側は少し削り広げて、窓枠の外側にパテを少し盛って成形している。手作業なのでバラツキは生じるものの、多少はマシになったかなあと思っている。


  久しぶりに会う後輩に見せたかったことや、運転会があったので8月下旬ごろから完成を急いでいた。普段からコツコツやってりゃ充分間に合ったはずなんだけど、サボり気味集中力散漫な日々が続いて、最後は時期的にもまさしく「夏休みの宿題」状態になってしまった。完成間近の集中力だけは全盛期並みと自画自賛できるぐらいなのだが、そこに至るまでがお粗末でした。お蔭で課題の連結器周りのディティールアップがまだ。そして前作の床下機器の塗り直しにも手が届いていない。ここで「またこの次」にしてしまうと、その次もまたやらないという負の循環に陥りそうである。そんなわけだから、次回作に入る前にやってしまおうと思う。幌の塗装の件もあるし、ちょどいいついでと考えよう。夏休みの宿題はまだまだ終わらない!

(2017.09.12)

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