フリーランス設定「橘鉄道/立法線」
私が制作している鉄道模型の車両は実車に則ったものがほとんどだが、稀にフリーランスの車両を作ることがある。今までは特に設定や背景といったものがなかったが、ちょっと思うところあって今後作るものに関しては「橘鉄道」「立法線」という架空の鉄道、路線の車両ということにしようと思う。
前者は私のハンドルネームからどストレートにネーミングしたものだとお分かりいただけるだろうが、「立法線」とは何ぞや? 橘雪翼所縁の地である「立花」(現実世界のJR西日本東海道本線立花駅)と「法隆寺」(同関西本線法隆寺駅)を結ぶ路線。それぞれの頭の文字を取って「立法線」だ。大昔に書いたけれど、そもそもの「橘雪翼」の「橘」も「立花」から来ている。「橘鉄道」は「立花駅」あたりを起点とした中小?私鉄みたいなイメージで、後に国鉄に買収されて「立法線」となる。
設定としては以上で、細かいことは何も考えていない。「橘鉄道」が法隆寺まで走っているのか、それとも別の「斑鳩鉄道」あたりも存在して併せて「立法線」となるのか、あるいは延伸されるのかとか、具体的に立花法隆寺間をどのルートで走っているのかとか、現実世界にある東海道本線や大阪環状線、関西本線、片町線といった路線がこちらの世界でどうなっているのかとか、それからどの程度旅客数の多い路線なのかとか、そういったことは一切決めていない。それらは全て具体的にフリーランス車両を組み立てる段階になってから考えて行く。その都度設定が書き加えられ、あるいは書き換えられたりもするだろう。途中で矛盾が発生する可能性もあるが、その場合は「並行世界」として処理する。
以下余談。
察しのいい方は気付いたと思うが、先日作り始めたEVO103系が「立法線」の第一号車両となる。3連2本繋げて走る
あたりは少し前の関西本線「湊町〜王寺」間の各駅停車といった風情。しなしながら後日、8連を作る予定もあり、ラッシュ時は最長「8+3」の幹線に様変わりする。「矛盾が発生する可能性もある」と書いたが、最初から発生させる気満々である(とはいえ、昼間8連、ラッシュ時11連、早朝深夜の一部列車が6連という運行形態もなくはないかな?)。
思い付いたのは4、5年ぐらい前のことで、きっかけはまさに今作っているEVOキットの“余り”のクモハ以下3両をどうするか考えていたとき。クモハ込みの103系で作りたい路線の車両がなかなかない。一応関西本線があるが、既にトミックス塗り替えで作ってしまっていた。3両1本だけなら、モハユニットとサハを追加した6連で阪和線にもできるようだが、いかんせん3本も余っていたからね。当初は路線とか全く考えないただの3両編成の103系、で考えていたんだけど、このキットの場合行先方向幕を入れないと様にならない(白幕という手もなくはなかったが)。「橘」とでも入れておこうかな〜とあれこれ夢想していたら、ある日突如「立法線」というアイディアが浮かんできたのだ。
他に考えているのは、いつかフリーランスを作ろうと思って大量に買い込んだ鉄道コレクションの第一弾の車両。「いつか」と思ってもう18年経っている。12m級、15m級それぞれ何両かずつあるので、これを「橘鉄道」の10形、20形とでもして、それぞれ「原形仕様」と「末期仕様」の2種類作れそうだな、と画策中。あとは旧型国電の「橘鉄道仕様」なんてのも思い付いたのだが、GMキットから作るので手間がかかり、肩の力を抜いて楽しむフリーランスには不向きかもしれない。
旧国片町線(II)を作っているときに「鉄道模型は不自由なのだ」と発言したが(リンク先中段やや上)、これはネットで聞いたことのある「ガンプラは自由だ」という言葉の対を狙ったものである。鉄道模型は実車を忠実にスケールダウンしたものであり、可能な限り本物の差異を再現しなくてはならない……と言う空気が特にここ10年ぐらいの鉄道模型界では強く感じるような気がする。かく言う私も、キットを組むときに可能な範囲内で実車の資料を調べて、気が付いたポイントは極力模型に反映させることにしている。手抜きしたり自由にしている部分もあるが、片面しか実車写真が見付からないともやもやした気分になるし、件の片町線を作っているときは「奇数向き」の先頭車に拘って苦労する羽目に陥った。そんな時いつも頭の片隅をよぎるのが、模型はあくまで模型なんだからもっと肩の力を抜いて自由に楽しんだらいいんじゃないか、という思い。鉄道模型だってガンプラのように自由でいいはずだ。実際のところ、大糸線黒標記時代では「青いクモハユニ64」を、80系300番台では快速用に300番台のサロを制作している。実車に縛られてばかりというわけでもない。将来そこまで手が回るかどうか分からないけれど、80系急電色でもちょっとしたお遊びをしようと思っている(フリーランスだけど「橘鉄道/立法線」ではないフリーランスになる)。拘るところは拘りつつ、自分が面白いと思った部分では実物から離れる、その匙加減も「自由」のうちかな。
(2023.05.12)
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