103系関西本線3連2本

トミックスの103系を塗り替えて関西本線仕様にしてみた

  最近発売されたトミックスのハイグレード仕様の103系(以下HG103系)は、関東地方を強く意識したセット構成になっていて関西派の私にはちょっと残念。だからといってトミックスがせっかく作った103系なのだから無視するのも惜しい。ということで、半ば塗り替えを前提としてカナリアイエローの3連を買ってみた。JRマークのことを考えるとエメラルドグリーンを買った方が良かったのかもしれないが、エメラルドグリーンという色が関西では馴染みがないのでつい思わずイエローにしてしまったのだ。結局さらにもう1セット買い足して、ウグイス色に塗り替えて関西本線の3連2本にすることにした。
  関西本線の103系は、国鉄時代はウグイス色の前面に黄色の帯(警戒帯)が入っていた。JRになってから一度消えたものの、しばらくして今度は白帯の警戒帯(?)が入るようになり現在に至る。ウグイス色一色の時代は短かったものの、私が奈良に行き始めたときがちょうど一色だったのと、103系は単色がもっとも美しいと思ったので模型でも一色塗りにした。せっかくカナリアイエローの103系を買ったのに、それを生かさなかったということでもある(笑)
  ということで、ウグイス一色の関西本線103系ならばJRマークがないとおかしいのだが、インレタの都合他あって敢えて“今は”省略。また、前面下部にスカートが付いているはずだが、とりあえず今は国鉄時代のままである。先日作ったエボ103系には敢えて付いたままにしてあったが(あちらは国鉄時代なのでスカートなしが正しい)、後日部品を交換してこちらはスカートあり、エボ103系をなしの状態にする予定である。

フルレタリング?

  エボ103系の車両標記は、純正インレタに収録されていたもの全種を貼り付けた。HG103系もそれに合わせることにした。残念ながらトミックスの模型に付属しているインレタは内容があまり充実していない。カナリアイエローだから同じ黒文字、というところは都合がいいのだが、中身がスカスカなのでは結局カナリアイエローを買った意味があまりない。まあともかく、エボ103系に合わせるべく他のメーカーが発売しているインレタをフルに活用することにした。ナンバーはグリーンマックス(トミックスのにしようかとも思ったのだが、ちょっと貼りにくかったので)、所属標記はトレジャータウン(お店にたまたまあったのがここのだった)、ドアコックやATS標記、エンド標記、そして運転席の窓ガラスにある「乗務員室」は銀河モデルの製品だ。あれこれ買っていると結構な出費になり、高いと思ったエボ103系純正インレタは意外と良心的なのではないかと思い直した(但し、エボ103系の関西圏用の黒文字インレタは今回発売されていない)。ATS標記については、多種入っている代わりに欲しいものの収録数が少ないと言う弱点もあって、また次貼るときは1枚買ってこなきゃいけないかも。細かいところなので「何か書いてあれば」それでいいという考え方ができなくもないが……。細かいと言えば所属標記、の下に書いてある定員数。103系は先頭車の定員が136人、中間車が144人なのだが(最近JR西日本が改造したトイレ付先頭車はもっと少ないはずだが、詳しいことは知らない)、トレジャータウンのインレタには「定員144」しか入ってなかった。これこそ細かすぎるので、クモハにもクハにも定員144人の所属標記を貼ってある。文字がシャープでくっきり読めるだけに、なぜ136人のも用意してくれてなかったのか不思議。くろま屋のインレタはきちんと136と144両方を用意してあるそうだが……次回からはくろま屋かな。
  他、「乗務員室」のインレタは、以前東武6050系を作ったときに貼ってみて気に入ったので、チャンスがあれば他の形式でもやってみようと思っていたポイント。今回各種標記類のインレタを探している時に、銀河モデルから発売されているのを発見して買ってみた。やはりこれがあると一味違う。普段の私の表現で言うと“模”える(笑) エボ103系の窓ガラスにも貼っておきたい。
  標記関連ではないが、Hゴムの色を1編成は黒、もう1編成はグレーにしてみた。実際にこの時代に黒とグレーが混在したかどうかは分からないが、2編成作るので変化を付けてみたということである。なお、製品は元からグレーで印刷されているが、グレーの方も上からねずみ1号で塗ってある。トミックス製品のHゴムの色とツヤに以前から違和感を抱いていたが、完成したものを見てみると塗り直して正解だったと思う。


気になるドアコックの位置

  インレタを貼っていてとても気になったこと。HG103系のドアコックの位置は高すぎるような気がした(右にも盛大にズレている)。青いほうはエボ103系なのだが、「▽」マークと車両番号の位置関係を見てみると全然違うことが分かる。模型の元になった車両はほとんど同じはずだが……。実車写真を見ても、「▽」マークは車両番号と大体同じ高さなので、これはトミックスが間違えたと考えるべきか。
  ドアの靴擦りの銀色だが、国鉄時代は車体色で、JR化後は銀色……? 良く分からないが、そんな気がしたのでエボ103系は青いまま、HG103系は銀色を差してある。先頭車の乗務員扉のドアノブに関しては、国鉄であってもJRであっても銀色(ステンレス製?)なので、本来塗るべきだがエボ103系はうっかり塗るのを忘れている(今日はその部分の画像ないけど)。

方向幕

  HG103系……に限らず最近のトミックスハイグレードシリーズの傾向なのだが、方向幕は別部品になっている。シールと違って切り出す手間が不要? 後から交換できるのもメリット? 光り方がリアル? 理由は良く分からないが、とりあえず関西本線の行き先は収録されてないので(当たり前だ)自作する必要があった。が、ちょっと変に凝ってしまったせいか、右の「奈良」はそこそこ上手くできたものの、左の「湊町」が盛大にズレてしまった。
  分かる画像がここにしかないので別の話を少し挟む。JR化後のワイパーの色は銀。国鉄時代は車体色だったようで、エボ103系は青く塗った別パーツを取り付けた。HG103系も車体色(黄色)で印刷されていたので多分間違いはないだろう。今回はJR化後の設定で作ったので(JRマークは貼ってないけど)ワイパーは銀色に塗ってみた。

方向幕パーツの加工

  方向幕の話に戻る。部品はクリアー成型で、1ランナーに4つ、「川崎」「立川」「鶴見」「鶴見―扇町」が印刷されていた(1つの製品に同じものが2つ入っている) 。私はこの印刷をシンナーを使って落とし(上に写っている左二つがその状態)、上から自作デカールを貼ることにした。サードパーティーから発売されているシールを使わなかったのは、シールだと厚みがあるせいでクリアーパーツを削らないとカッコ悪くなりそうだったから。デカールは、インクジェットプリンターで作れるケイトレーディングの白地タイプを選択(パッケージで「まだ熱転写プリンターを使いますか?」とケンカ売ってるあの製品である)。文字の印刷には筆まめを使い、書体や文字サイズは適当である(画像下)。ギリギリサイズには作れなかったので、一回り大きく切り出して、中心を合わせながらクリアーパーツに貼ろうとしたのだが……先ほどの画像の通り、これが思ったより難しい。上手く貼ったつもりが左右ずれるわ水平出せないわで散々。幸い少し多目に刷ってあるので、もう一度挑戦するつもりではあるが……。なお、運行番号表示に関しては面倒なので製品付属のものをそのままはめ込んである。自作するにしても運行番号なんて何番にすればいいのか分からないし。

  さて、エボ103系とHG103系でどちらがいいのかというと……トータルで見ると私はエボ103系かなあと思っている。最大の理由は、やはり原型一灯タイプを作れるという強み。細かいところでは側面のHゴムの表現。他、トミックスが完成品なのに現状2色しか展開していないこと。塗り替えるにしても、 おそらく安定供給は望めないため「作りたいときに作る」が出来ない。買い溜めするにしてもHGシリーズは負担が多すぎる。エボ103系に弱点がないわけではない。まずは何と言っても下回り。純正品は、「決定版」の上周りに対して一世代前のクオリティ。HG103系の下回りを使うのが最強とは思うのだけど、そうするとコストがとんでもなくかかる。某ショップのブログではカトー製がお勧めされていたが、あれとて新製冷房車の機器配置だからなあ(最近知ったくせに偉そうな物言い:後輩によると高運転台にモデルチェンジしたときにさらに変わったらしい)。あと、ライトが付かないが……うん、頑張ろう。幸い純正下回りの台車は集電対応なので、一番面倒で難しいところはクリアできている。あとはやる気の問題だ。今最もメーカーに望むことは、新製冷房車の早期追加だ。

(2013.09.23)

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