「旧型国電 片町線 第二期」完成
「旧型国電 片町線 第二期」の5両が完成した
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 1月末頃から制作し始めた「旧型国電 片町線 第二期」5両が完成した。“第一期” から経ること実に13年ぶりとなった。当時のページを見ると、編成にした写真を撮っておらず、また個別写真を撮るときの車両の向きが逆である(笑)

クモハ32001(パンタ側)
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 クモハ42を4扉改造して生まれたクモハ32001。模型ではGMキットのクモハ43を両運転台化の上扉を増設して制作した。いくつか細かい変化があって、観察眼を要求される車両だった。

クモハ32001(非パンタ側)
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 同非パンタ側。写真資料が少なく、それもそのはず実車はこちら側が先頭に立つことがなかった? 模型ではこっち先頭で走らせるのもありだと思っている。

クモハ411127
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 クモハ41の“ラストナンバー”……実際のところはクモハ40からの改造車。奇数向き先頭車が欲しいということでこの番号を選んだのだが、平妻車であることをうっかり失念して半流車として制作しかけていた。

モハ72165
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 モハ72の近代化改造車。浜松工場で改造されたため、窓隅にRが付いている。ナンバーはいくつか候補にあった中から、GMのインレタにずばりそのものの数字が並んでいたため「165」を選択。この車両のみタヴァサホビーハウスのエッチングキットを使用した。

クハ79307
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 こちらも奇数車が欲しいという理由でこの車両、番号が選ばれた。タヴァサの手持ちのキットは温存しておきたく、GMキットのクハ79をベースに、前面は101系キットから改造で、屋根も同じく101系キットのものを使用した。

クハ55300
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 サハ57改造のクハ55形300番台のトップナンバーは、片町線で走った唯一のクハ55形300番台らしい。GMキットのクハ55よりお手軽に制作(確かどこか寸法が違ったはず)。

先頭車ずらり並べてみた(画像をクリックすると大きな画像が表示されます)

 5両中4両が先頭車なのは旧型国電らしい編成。戦前型3両と戦後型1両でデザインが大きく異なるのも旧型国電ならでは。冒頭の編成写真で、「クハ―クモハ―モハ―クモハ―クハ」という組成になったのは、非貫通のクハ79が奇数向き先頭車に固定され、偶数向き先頭車がクハ55しかいなかったためである(先述のようにクモハ32001を無理やり偶数向き先頭車として使うのもアリだが)。編成の自由度が高いはずの旧型国電だが、今回の5両だけで組もうとするとしがらみに捕らわれ固定編成のようになってしまった。

 以下大反省会の始まり。

クモハ前面
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 前面に垂れ下がるパンタ引き紐は、大糸線黒標記宇野・赤穂線で凝り過ぎて面倒になったので、今回は簡易表現を目指した。割りピンを使って固定するのではなく、クリアー塗料で固着するという簡易というか手抜仕様なのだが、固着力の問題でキャンバス押さえの個所を逃がさねばならず、紐が繋がってるように見えなくなり失敗。
 なお、写真を撮っているときに気付いたが、右のクモハ411127の運行番号窓に幕パーツ(白く塗った塩ビ板)を入れるのを忘れていた。

クハ前面
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 クハ79307前面窓はトミックスの分売パーツの窓ガラスを使っている。そのため今回作った車両の中ではHゴム表現が最もすっきりしている。実は下部にある小型のステップをつけ忘れた。クハ55300は後から実車情報をよくよく見ていると、結構後のほうまで木枠のまま残っていたらしい。工作量とデザイン面で言えば木枠で作れば良かったかと。ただ、運転室窓と助手席窓のHゴム窓のサイズが違うのは「いかにも旧国らしい」姿なので、今回に限ってはこれで良かったかな。

色が……
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 制作報告でも言っていた色味の違い。左が前回13年前に作ったクモハ31004で、右のが今回の。肉眼で見る限り写真ほどは目立たない……はずだが、うーんギリギリセーフ? 車高がずれているように見えるのは、線路が完全水平ではないせい……のはず。

今回一番悔やんでいるミス
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 先述の通りクハ79の前面には101系の前面を改造したものを使っている。その際、GMキットの101系は旧国より僅かに背が低いことを念頭に入れるのを忘れていた……去年70系300番台を作った時に気付いていたはずなのに! そんなわけで、モハ72全金車(右)と比べると明らかに屋根高さが低くなってしまった。単体で見てもクハにはあり得ない「低屋根感」が出てしまっている。

“40系”の連結面
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 左がクモハ41127、右がクハ55300の連結面である。両者共に“40系”なので連結面は特に深く考えずに両者同じ仕様で作った……のだが、冷静に考えるとクモハ41127は両運転台クモハ40の改造車。果たして連結面に先頭車の名残はなかったのだろうか? 資料写真がないので分からないのだが、例えば窓は桟ナシの一段窓にするとかしておけば良かったと思う。

 今回は計画段階から始まって完成まで、誤算にやらかし勘違いのオンパレード。この辺りは程度の差はあれ、いつものことです! 橘雪翼の辞書に完璧の文字はない!

(2023.04.21)
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