「東急旧3000系っぽいもの」完成

GMキット組み立ての「東急旧3000系っぽいもの」が完成した
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 先週まで8回に渡り「鉄道模型制作報告」でお送りしていた「東急旧3000系っぽいもの」が完成した。いつもの通りグリーンマックスのキットを組み立てたもので、旧型国電シリーズと比較すると「お手軽仕様」、別名手抜きで制作した。この辺りの経緯は「鉄道模型制作報告」の最初に書いたのでここでは省略する(リンクは最下部)。
 6両組み立てて、デハ3450形が5両、残る一両がクハ3850という陣容。実車ではこういう組成はなかったようで、私の意図としては「オールMまたは4M1T」を組み替えて遊べるようにというチョイス。写真は全6両を繋いであるが、“実際に走らせる”ときは1両減らした5両というわけだ。

両運転台のデハ3450(貫通側)
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デハ3450(非貫通側)
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デハ3459(日車製)
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デハ3454(川崎製初期車)
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デハ3483(川崎製中期車)※非特定ナンバー
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デハ3497(川崎製後期車)※非特定ナンバー ※中期車との作り分けはせず
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クハ3864 ※非特定ナンバー
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 あまり細かい作り分けはしない予定だったが、初期車に関しては特定ナンバーに近くなった。また、中期車、後期車の作り分けをする予定もあったのだが、後期車のベンチレーターがキットには含まれていないことに気付いたため、撤去後の姿とすることで中期型と同一形態となっている。クハについても、資料が少なかったために車両マークに含まれるナンバーをそのまま貼り付けた。よって何か違っているかもしれないが気にしないことにする。
 ナンバーのレタリングはGM純正品を、社紋はパンダ工業製品を使った。社紋はキットではシールが付いてるんだけど、シールはね……。ちなみにどちらも何年も前に買ったものだが、劣化を気にすることなく気持ち良く転写できた。
 デハ3450号車のみ配管がほぼ逆になるので金属線で引き直ししてある。また、機能と名称が良く分からない「д」型の機器は、配管を削る際に根元から削ぎ取って、塗装後に位置をズラして再接着した。
 デハのヘッドライトは銀河モデルの旧型国電用の100wタイプを使用。前にどこかで書いたことがあるのだが、ロットによっては付属のライトレンズが上手く入らない。リバイバルカラーを作った時はどうしたのか忘れたけど、レンズの後部を削ったのかな……?と思って作業していたら、ピンセットで弾いてしまい行方不明に。心が折れたのでレンズなしで完成とした。レンズの部品だけ3Dプリントとかで作れたらいいんだけどな(どこかのサービスで透明度の高い素材の取り扱いが始まったとかいう話をつい最近聞いた)。

今回の一番大きなポイントは、日車製の折妻の再現を目指したところ
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 GMキットは川崎製の車両がベースになっており、日車製との一番の違いは妻面。川崎製が丸いのに対して、日車製は折り妻で3枚の平面が組み合わさった形状になっている。リバイバルカラーを組んだ時は該当車両が固定編成の中間部に入るということで見送ったが、今回は頑張ってみることにした。その様子は「鉄道模型制作報告」でもお届けしたが、本日はもちろん完成後の姿を。左2両が日車製、比較のために一番右にキットそのままの川崎製車両を並べてみた。あんまり違いが分からないような、よく見ると違うような、そんな出来具合。非貫通車についてのみ、光の当たり具合によっては「折れ筋」が目立っていい感じかもしれない。
 この写真中央の3459の幌は、マスキングが緩かったようで緑色のところに後から塗った黒が滲んでしまった。後程3450の貫通側の幌(3450の貫通側は先頭に立つことがないはず)と交換しておこうと思う。なお幌は、運転室側はGM製品を軽く整形したもの、連結面側はカトーのAssyパーツを取り付けてある。

もう一つのポイントはランボード
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 リバイバルカラーの際にもランボードは少し凝ったのだが、今回はもう一歩押し進めて日車製のランボードの脚が目立つようにしてみた。斜め方向から見ないと違いが分かりにくいのだが、まあまあ及第点かなと。自己満足に過ぎないのだが、私の作る模型は全部自己満足なので(開き直り)。
 しかしこの角度からアップで見ると、窓枠の厚みが目立っちゃうねえ(苦笑)

クハのランボードは長さを間違えた
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 塗装が終わったパーツを組み付けている段階で気付いたのだが、クハのランボードの寸法を間違えていた。5mm短い……やってしまったが作り直す気力が残っていなかったため、誤魔化して運転室側に寄せて接着した。運転室側に寄せた理由は、ベンチレーターとの位置関係を考えたのと、あとやっぱり先頭車側の寸法が足りないのは目立つからね。

クハの前面(右に何となくリバイバルカラーのクハを並べた)
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 クハの前面ライトは、リバイバルカラー同様キット付属パーツに穴を開けて、ファイバー線を加工したものをレンズとして取り付けた。ヘッドライトはΦ1.0mm、テールライトはΦ0.5mmだが、本当はテールライトはもう一回り太い方が実車に似ている気がする。ヘッドライトレンズの裏にはアルミホイルを貼り付けて、反射板の再現を狙っている。これらのレンズは車体本体には貫通してないため、点灯化には非対応。デハのヘッドライトも銀河モデル製で点灯化には対応していないので、将来的にもこのシリーズにLEDを組み込むことはないだろう。完成してから並べて気付いたのだが、今回作った方はちょっとライト位置が低すぎたかな……?

 全車共通で、今回はダミーカプラーを使わずカトーカプラーにした。先頭にしか立たない2両(3450の非貫通側とクハ)はダミーにしても機能上の支障はないものの、統一感という意味でカトーカプラーにしてある。
 最後の写真を見ると目立つように、行先方向幕や運行番号を貼っていない。最初に「5両編成」とは書いたが「3両」で走らせることもあるだろう……と考え、実車に倣うと線区が変わってくるので行先は要らないかな?と思ったのだ。しかし、こうして見比べるとあったほうがカッコいい。東急の路線が良く分かっていないのを逆手に取って、何でもいいから貼っておこうかなと考え直している最中だ。

 今回ちょっと気になったのが、筆塗りの最中シンナーが乾きやすかったこと(制作報告その8でも言及)。窓サッシへの色差しの乱れの言い訳でもあるのだが、今後も夏場に筆塗りが乱れるのであれば、制作時期をずらすなどの処置が必要になって来るかもしれない?(これまでの作品もこの程度の出来栄えだったような気もするけど)


「鉄道模型制作報告」
その1:試行、そして不採用
その2:日車製車両の前面加工など(あとエヴァ初号機)
その3:日車製車両とクハの箱組み(あ、クハの数字間違えてる)
その4:箱組み、アンチクライマーなど(初号機完成)
その5:全車箱に(4号機着弾)
その6:動力ユニット組み込み加工、配管など
その7:ランボードとパンタグラフ台座
その8:塗装完了

(2022.08.20)