今年2台目のキワ90

今年2台目のキワ90

  何の因果か、10年越しぐらいにワールド工芸キワ90(リンク先は1枚目の画像がふざけてますが……)を組み立てたら、リニューアル再生産が発表された。ワールド工芸のキワ90はこれで4代目。前に話題にした時は初代〜2代目が良く分からなかった。その後調べていると……初代はキットに動力が入っておらず(当時のワールド工芸は動力をサポートしていなかったらしい)、カトーのポケットラインの動力を流用する仕様だった。2代目はベルトドライブ、3代目が私が今年に入って組み立てたもので、モーターからの動力をギアで伝える一般的な方式に。その3代目は片軸にしか動力が伝えられないのだが、4代目は両軸モーターから両方の車軸へと動力が伝えられるようになった。

  前面にハシゴが付いているが、これはキワ90 2の晩年の姿だったらしい。よってキワ90 1としてはそのままでは組めず、また塗装もツートンカラーが指定されていた。

先代との比較

  左が今年の1月に組んだもので、右が今回作ったもの。何故か……車体がひと回り大きくなっている??? 色が違うのは当たり前で、今回塗ったぶどう色2号は先月の旧型客車のために調色したもの。昨日のスニ41といい、先月の遺産がきっちり生かされています(笑) ところで、クリーム色も少し色が違う。前回はクリーム1号を塗ったのだが、今回の説明書ではクリーム4号が指定されていた。つまり、前回は間違えたということです(笑)
  今回の製品はディティールがアップしているとのことで、確かに屋根上のファンや車体側面、床下機器の表現が豊かになっている。が、連結器周りが若干退化。旧製品にあった開放テコがなくなってしまった。そこの辺り自作して取り付けようかと思ったのだが、車体と下回りを固定するネジに干渉しそうなので諦めた。

  嗚呼、 インレタで入れたキワ90の文字の「9」の部分が少し削れてしまっている……

下からのぞいてみる

  当サイトでは初?車両を下から見た画像。何故こんな画像を載せたのかというと、車輪の位置を見て欲しかったから。右側の車輪は車端に寄っているのだが、左側はかなりスペースが空いている。もちろん設計ミスではなく、実車がこういう位置関係だったらしい。で、これがちょっと次の画像でお見せするものに関係してくる……。
  床下はグレー(ねずみ1号)で塗装。説明書の指定では、「床板、車軸受けは黒、床下機器はグレー」だった。が、塗装の都合上で床板も床下機器と一緒にグレーで塗装。車軸受けは、模型では実際に車軸を受けないことを逆手にとって塗装後にゴム系接着剤で固定。実際に車軸を受けるとなると、強度を考えてハンダ付けすべき箇所になる。ここも前回品では黒で塗ってしまった。冷静に考えるとディーゼルカーの床下機器はグレーなのに。でも、前回品の完成品も黒かったぞ(笑)

  さて、前回は連結器にはアーノルドカプラーを使った。特に何も考えず、取り付けやすいものを選んだだけ。もう一点、うちの家の貨物車両のほとんどがアーノルドカプラーである、という理由もある。見栄えを考えるとカトーカプラーやナックルカプラーを使うべきなのだが……。今回もアーノルドの予定だったのだが、何となくやっぱりカッコいいカプラーを取り付けたくなった。ワールド工芸製品の製品見本にはマグネマティックカプラーが装着されている。説明書にもマグネマティックカプラーを取り付ける際の説明が載っている。その指示に従ってマグネマティックを使えば楽なのだが……私はあまりマグネマティックの形状が好きではない。デキ3には取り付けたんだけどね(この画像じゃほとんど形状が分からないなあ……)。値段も結構張るので(といってもキット本体に比べれば安い)、そこでカトーの分売品のナックルカプラーを使うことにした。が、このナックルカプラーを直付けしてもある点が問題として残る。左右に首を振ったら、振りっぱなしで戻ってこないのだ。ネジ止めしてるだけだからね。もちろんカトー製品には中央に戻ってくるよう仕掛けが施してある。その仕掛けはカプラー本体ではなくカプラーを取り付ける部位にあるので、カプラー本体だけ使うような今回の場合は使えない。仕掛けごと移植することも不可能ではないだろうけど、そうするとまた部品を余計に手に入れてこなきゃいけない。というわけでモデラーの意地で自分で作ることにした。

復心機構を取り付けたナックルカプラー

  そういうわけで復心機構の試作が始まった。まず真鍮線で線バネを作ってみる方式。線バネによる復心機構のの自作は、かつてHOゲージ玉電80形(画像4枚目)で成功させている。今回も上手く行くだろう……と思ったらこれが全然ダメ。やっぱりサイズの大きなHOゲージじゃないと無理なのか(そしてHOゲージの場合、KDカプラーがあるのでそんな必要ほとんどない)。次に試作して完成させたのが画像のもの。ナックルカプラーは機関車用のものを使っているのだが、その中でもEF58用のものを登用。他の機関車用のものは板バネというものでカプラーにセンターを向かせるのだが、EF58だけは(ごく普通の丸い)バネがその役目を負う。板バネの自作は、バネ自体はいいとして保持する部分を作るのが難しい。普通のバネを保持するのであれば何とかできるかも……と挑戦してみたところ上手く行ったのである。
  なお見てのとおり、カプラーより後ろの部分にかなりのスペースが必要になる。キワ90の場合、先ほどの画像の左側には無理なく組み込めたが、右側にはこの機構を入れるスペースが全然足りない。仕方がないので、右側はネジで強めに締めて首を振らない状態で固定している。連結器自体は連結機能を備えているが、実質はダミー扱いということである。去年作ったクモハ11、クハ16の先頭部にもナックルカプラーを使っているが、こちらも首を振らないダミー扱いでの登用である(これらの車両は前面に何か繋げて走ることがないのでこれで問題ない)。今回のキワ90は、 貨車を連結したくなった場合は右側限定で我慢することにした。

明日完成するかも? マヤ20にも同様の方式でナックルカプラーを装着

  先ほどの画像のカプラー受け、T字型に絞られた形をしている。キワ90に使うのであればここまで削り込む必要はないのだが、もう1両、並行して作っているマヤ20にも取り付けたかったのでああいう形になった。マヤ20の場合はカプラーのすぐ後ろに台車が来る。よって復心機構が台車の回転を妨げてしまう。しかし回転角が稼げれば何とかなりそうだったので、先ほどのナックルカプラーのポケット部をなるべく小さく作ってみた。サイズとしてはかなりギリギリになったが、うちの家の線路の最小半径280ミリのカーブを問題なく通過できる。ワンサイズ小さい半径243ミリのカーブはアウトである。最初に試作したものからマヤ20での使用を想定していたのだが、後部がほんのわずかに干渉。0.5ミリほど寸法を小さくして作ったのがさっきの画像のもの。最初の試作品もキワ90には十分使えるので、そのまま黒く色を塗ってキワ90に搭載している。

(2009.08.30)

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