鉄道模型制作報告「旧型国電 宇野・赤穂線」その8

忘れ物がなければ塗装直前まで進んだ

 今週の作業内容
(1) 床板の加工
(2) 動力ユニットの加工
(3) 動力車用の床下機器加工

 作業していた5両が8週で塗装直前まで進んだので、まとめて作るかどうか悩んでいたクモユニ81に着手することにする。

平妻車の床板を加工する

(1-1) 平妻車の床板の台車間隔を短くするために、中央部をカットする。キットでは93mmほどあるが、実車の寸法を1/150すると90mm少し(確か13600mm)。スケール通りにするというよりは、TNカプラーを取り付けた時の台車の首振り角度を確保するのが目的。

補強はしっかりと

(1-2) 切ったものを接着剤で固定するだけでは強度がかなり落ちるので、上面下面にプラ板で補強を入れる。それでも元の一枚板の時よりは折れ曲がり易い印象だ。
 車端部には隙間ができるので、プラ板を継ぎ足して元と同じ長さになるようにしておく(写真撮り忘れ)。

TNカプラー取り付け準備

(1-3) 半流車用、平妻車用共にTNカプラーをねじ止めするための穴を開けておく。0.9mmのドリルで穴を開け、1.2mmのタップでねじ穴加工。半流車用の床板は、そのままではTNカプラーの高さが低くなるので、車端部を一旦カットし、プラ板を貼り合わせて「床板を凹ませて」おく。平妻車用床板は元から凹んでいるので、そのまま……では今度は少し高くなりすぎる。従って適宜プラ板でスペーサーを入れるのだが、何ミリにすればいいのかベストの答えを見つけていない。写真では試しに0.14mmのプラ板を挟んでみているのだが、ちょっとギリギリすぎる気がする。0.2mmがいいのかな……?

車体側にはストッパーを付けておく

(1-4) 床板の加工、ではないのだが、車体側に床板ストッパー(プラ小片)を付けておく。小さなものだが、実用上問題ない。

動力ユニットにはリブを付ける

(2-1) 動力車は車体側に動力固定用のツメを付けることも多いのだが(*1)、今回は非動力車の床板と交換することも考えて動力車側を加工した。非動力床板の形状に合わせた位置にプラ板を貼り付ける。これで互換性が出た。

*1 「阪急3000系 3064F」の制作報告も参照……といいたいところだけど、あの時の写真では分かりにくいかな。

位置決めの様子

(2-2) その5の中ほどで車体のリブを付け直した様子をお見せしたが、このリブの位置決めには専用の治具を作ってある。2枚のプラ板をずらして貼り合わせ、キットのリブの高さが簡単に測れるようにしたものである(写真左側の白い物体)。動力車に付けるリブもこの治具を使って高さを決める。治具を当てた位置でステンレス定規を固定し(両面テープ使用)、そしてステンレス定規に沿わせてリブとなるプラ板を接着する。この時に使う接着剤は「アクリルサンデー」。名前の通りアクリル用の接着剤だが、ABS(動力ユニットのフレーム)とスチロール樹脂(プラ板)を貼り合わせるにも威力を発揮する。但しこの接着剤、揮発性がやたら高くて使いにくい。使う場所があまりないので、場数が踏めなくてなかなか慣れない。

TNカプラー取り付け加工

(2-3) リニューアル後の鉄道コレクション動力ユニットの車端部スペーサーにはTNカプラー取り付け用のツメが付いているが、そのままだと位置が低くなってしまう。カッコ良く仕上げるためには加工が必要……まずスペーサーを薄くすることで、取り付け位置を上げる。フレーム本体側も干渉する箇所があるので、合わせて削っておく。スペーサーのツメの位置も微妙なのだが、これをあれこれするのは面倒そうなので、TNカプラー側の穴を少しだけ上部に削り広げてみた。
 「なんだか見たことあるぞ?」と感じた方は、いつもご覧下さりありがとうございます。本年一発目……というか記念すべき「鉄道模型制作報告」第一回目の「旧型国電大糸線 黒標記時代」その1にも書いた内容です。ちなみにその時は、TNカプラーの穴を削り広げる話はしませんでした。

床下機器の加工

(3) 床下機器はもちろん、今年発売のグリーンマックス新製品「旧型国電床下機器セット」を使う。そのままでは鉄道コレクション用動力ユニットには対応していないので、ベース部分から切り離してバラバラに……はい、これも見たことありますね?(笑) 先月(ギリギリ先月です)の『グリーンマックス「旧型国電床下機器セット」あれこれ』もご参照下さい。
 なお、ついでに大糸線自連仕様のクモハユニ64の床下機器も置換するので、2両分加工した。これ作った時はまさかクモハユニ64を3両も作ることになるとは思わなかったなあ。

(2022.05.29)