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 不潔な衣服を身に纏った浮浪者は、更に衣服を赤く染めて君の足下に昏倒していた。
 黄ばんで不健康な歯が君に殴打されたことで何本もへし折れ、乾燥トウモロコシのように地面に転がっている。濁った血と胃の腑が腐ったような臭いが周囲に立ちこめていた。
 君は戦いの興奮で熱くなった自分の体に戸惑いつつも、原始的な本能に根ざす凶暴な感情に支配されていた。君は荒々しく、倒れている浮浪者の1人を引き起こすと、コンクリートの壁に押しつけた。

「う、うぐぐっ」

 意識を取り戻した浮浪者は弱々しく呻き声を上げ、懇願するように弱々しい目を向ける。
「勘弁、してくれ…なんでも、話すから…よ」

 君は荒々しく浮浪者の首筋を掴んで揺さぶる。
 この男達が何を知っているか。大したことを知らないかも知れないが、出来る限り引き出すつもりだ。何か有益なことを、それも重大な何かを知っているかも知れない。

 君はなにを聞くか?

 上に誰がいるのか?

 お前達は何者なのか?

 何か役立つ物を持っていないか?

 こんな奴らが何か知ってるはずがない。先に進む。






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