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 これ以上ここにいても仕方がない。
 君は建設途中の建物を登り始めた。

 上で一体何が待ちかまえているのか…。
 君は武者震いに体を震わせた。刺激こそ、今の君が求めてやまないことだ。
 君は身長に階段を踏みしめ、上へと向かっていく。
 途中の階は意識的に無視した。本能的に何かを感じる…とでも言うのだろうか。

(そうだ。俺にはわかる。目的の場所はここではない。  覗くとしたら屋上の一歩手前の階だ)

 そう、目的地は15階東側の部屋だ。



 やがて君は15階にたどり着いた。






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