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「見ればわかるだろ。ただの、宿なしだよ…。もう勘弁してくれよ。謝るから」

 男の言っていることに嘘はないようだ。
 とんだ期待はずれだが、これ以上は臭くてかなわない。

「もう許してくれ、頼むよ」

 君はゴミでも放り捨てるように男の体を転がした。
 ヒィヒィ泣きながら男は逃げていく。
 君は後ろも振り返らずに薄暗い階段を見つめた。目的の場所はその先だ。



 君は階段に向かった。






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