平成24年1月20日
三脚とピンセットの共通点 いや、私が伝聞及び体験上そう思っているだけで、本当に共通点なんかあるのかどうかは疑わしいかもしれないけれど。そんなわけだから結論を先に書こう。「安くて品質がいま一つな製品が幅を利かせている」ため、本当にいいものを知って所有している人が特に初心者層に少なく、経験者であってもそこに辿り着くまでに最低一回は安物買いの何とやらを実践している。 三脚についてはかなーり昔に話をしたことがある。安い三脚というのは、軽い代わりに脚が細く、剛性が低くてカメラをブレないよう保持するという役割に対して不安が残る。特に一眼レフで、望遠系のレンズを使うとなればそれが顕著になってくる。安い三脚でもそれなりの役には立つのだろうけど、本格的にカメラで写真を撮ろうとするならば(そして本当に三脚が必要なシーンを撮影するとなれば)それなりの(値段のする)三脚を手にするべきである。ところが、安い三脚というのは本当に値段が安く、そしていい三脚と言うのはびっくりするぐらい値の張るものなのだ。隣に2000円3000円の三脚を売っているのに、本格的な三脚が何万円もする(しかも雲台別だったりしてさらに投資が必要)なのを見て多くの人は思う。「さ、さんぜんえんのでいいよね(汗)」――誰もがレンズ1本我慢してまで手にしようと思わない。それは三脚の重要さが分かりにくいこと、そしていい三脚とそうでない三脚の違いが伝わりにくいからであろう。まあ、安い三脚は本当に安いので、いい物と悪い物の区別を付ける経験としては安い三脚を買ってみるのも悪い話ではない。 似たようなことがピンセットにも言える。安いピンセットは、今だったら下手をすれば100円ショップにも売っているんじゃないだろうか。そういうピンセットでも、一応は人間の手先よりも細く、それなりに役に立つ。しかし、小さなものをしっかりと掴めるかと言うとそうは行かない。小さなスケールの模型をやったことのある人ならきっと体験があると思うのだが、安いピンセットで細かいパーツを力一杯持とうとすると、「ピンッ」と言った感じで部品が飛んでいってしまう。安いピンセットは先端部の厚みが足りないために、力を込めすぎるとしなってバネのような働きをしてしまうのだ。これがいいピンセットだと違う。先端は細い一方で適度な厚みがあり、人間がちょっと力を込めたぐらいでは変形しない。先端の合わせ目もぴったりと合致しているので、狙った獲物を逃がすような真似はしない。三脚ほど高価なものはないのだが、それでもどうしても初心者モデラーは「えー、ピンセットに1000円も出すの? そのお金でプラモ本体が買えちゃうじゃないか(*)」という具合に安いピンセットに流れてしまう。かくして部品をきっちり掴めずに、作業が能率よく運ばなかったり最悪大切なパーツを飛ばして紛失する羽目に陥るのである。 かくいう私もその口である。三脚は当初安いものしか持ってなくて望遠レンズで苦労して、後日高いのを買い求めることになった。ピンセットに至っては、いいのを手に入れたのは1年未満の過去の出来事である。その昔、私は何とも愚かなことに「ピンセットなんてなくたって模型作れるぜ」などとほざいていた時期があるぐらいである。なくても模型は作れて、あったらあったで役に立つかなあ、そんな認識がピンセットという工具だった。部品がきっちり掴めずに失くすこと多数。手で持とうとしてもやっぱり失くすんだけどね。でも、わざわざピンセット使ってるのにそういうことが起こると、ピンセットに対する信頼感は生まれない。カッターやニッパー、金属定規に筆やエアブラシ、ハンダゴテといった「必須ツール」に比べると、ワンランク低い位置付けをしてしまっていた。 去年(だったと思う)、電子部品を売っている店でホーザンというメーカーのピンセットを見つけた。これは某老舗?模型店の店長氏が勧める”いい”ピンセットである。物は試し、と買って見た。違う。今まで使ったことのあるやっすいピンセットとは違う。使い心地がいい。物をしっかりと掴む感触がある。指先が細くなって手先が器用になった、世界に敵なし!と錯覚する――ほどではないけどね。以来、今まで使っていたヘボいピンセットは使っていない。これを知ったらもう元の世界には戻れません。あ、厳密には嘘かな。買ったのはストレートタイプだけで、ツル首タイプが必要なときだけは昔のを使っている。ツル首がどんなとき必要かと言うと、車両の窓に透明セルを貼る時で、それぐらいだったらあんまりいいピンセットでなくても事足りる。しかしながら、良いものを知ってしまったので……ツル首もということで先日新しいのをを買ってしまった。これで今度こそ古いのはもう要らない。でもまだ、紛失時のバックアップ要員ぐらいには使えるか……。バックアップ用に同じピンセットをもう一つ買ってこようかな。
平成24年1月19日
先日からひたすら欧州型鉄道模型がどうのこうのと執拗であるが、今日もそういう話。別に去年の11月に初めて欧州型の模型を買ったわけではなく、前々から多少の興味はあり、ごくたまにだが模型も買っている。ずっと前から思っていたことに、最近ハマって改めて感じたことをミックスして日欧の鉄道模型事情を比較してみる。 まず、高い。昨日も言ったし、ちょっと鉄道模型を長くやっていれば誰でも知っていることだが、欧州型のNゲージ鉄道模型は日本型に比べて値が張る。以前私はそれが空輸代だと勝手に思っていたのが、最近手に入れたフライシュマンのカタログを見ていてそうじゃないことが分かった。というのも、日本なら1500〜2000円ぐらいでありそうなものに35ユーロぐらいの値札が付いている。今1ユーロ100円を切っているが、仮に100円として計算すると3500円である。現地価格で既に日本型よりの倍はするのだ。日本のメーカーであるカトーは海外展開もしていて、アメリカ型やヨーロッパ型の模型も作っている。そのヨーロッパ型の模型も、機関車が日本型なら5000〜7000円のところ倍は堅い。これが何故か想像してみると……向こうはHOが主流なのである。同じ型の車両を作っても、HOが100台売れる間にNは30台ぐらいしか売れないのだろう。当然生産ロットは少なくなり、プラスチック成型品の運命である金型代が製品価格に与える影響度が大きくなる。だから欧州型は(アメリカ型も)値段が高いのだろう。ちなみに欧州型HOの値段を見ると、日本型のプラスチック製とあまり変わらない値段である。向こうからこっちに運ばれてる間に価格が上がることを考えると、現地価格で比較すればおそらく向こうの方が安くなり辻褄は合いそうだ。 日本の鉄道模型のカタログや取扱説明書には編成例が載っている。例えば103系であれば、「クハ103 モハ103 モハ102 クハ103」の基本編成に始まり、間に「モハ103 モハ102」を挟んだ6両、7両の場合は2組の「モハ103 モハ102」の間に「サハ103」を挟む……など。先日買ったニセコセットであれば、上り下りで違う各車両の連結順序及び車両の方向の向きまで記載されている。そういうのを見れば、基本セットを買って来たが編成をもっと伸ばしたい、と思ったときに次に何を買ってくればいいかが一目瞭然である(ニセコセットは基本セットと増結セットの2種類しかないが……)。これが欧州型にはない。随分前にTrixというメーカーのICE3が廉価版でリリースされたので買ってみたのだが、説明書にも店で見せてもらったカタログにも編成例が載ってない。基本セットは3両なので迷いようがないのだが、実車の編成が分からないので中間に何両増結すれば本物と同じ編成になるのか分からない。その時はお店の人が調べてくれて、一応フル編成らしきものにはできたのだが……。先日今スイス連邦鉄道のIC2000を買って、次はEW-IVを狙っているわけだが、それにしたってカタログやらメーカーの案内やらで編成知識を手に入れたわけではない。IC2000についてはRMMのとある号の欧州型ページにあったのでたまたま知ることが出来ただけで、その後動画サイトを使って実車の編成の傾向を掴んだわけである。別にIC2000やEW-IVに限らず、欧州メーカーのカタログや製品の説明書には編成例が載っていない。実車を知らなければ何を何両買ってくればちゃんとした編成になるのか分からないのである。しかも、日本ではセット売り全盛で編成例がなくても何とかなる一面があるのに、欧州型は未だに単品売りが多い。実車に客車列車が多く、編成があまり固定されていないのも一因なのだろうけど……。ともかく、一体向こうの人はどうやって模型を買っているのか不思議である。私の偏見では、実車のことを知らなければ「よく分からないから雰囲気でいいや」と思って買っているに違いない。あくまで模型、娯楽なのでそれはそれでいいような気はするけどね。 先に書いたICE3のときがそうだったのだが……基本セットが出て、翌年になってようやく増結単品車両が発売された。翌年といっても、基本が12月で増結が1月なんて生ぬるいものじゃない。確か……多分丸々1年たっぷり待たされたような気がする。何が言いたいのかというと、編成にできるだけの車種を一度に発売しないことがあるらしい。日本でそんなことやったら大ブーイングである。仮にどちらかが遅れるとしても1ヶ月が限界じゃないだろうか。あまりにも時期が離れてしまうようであれば、丸々発売を延期してそうなのが日本流。それぐらい、新製品が発売されたらその日のうちにフル編成を組めることが重視されるのが日本。 去年知ったのだが、新製品の発表が年間計画だったりする。日本メーカーでも半年先の新製品を発表したりするが、大まかには発売順に新製品を発表するのであまり問題ない。欧州では「これ、今年作る予定の新製品のリストね」と言ってカタログを年初に出すらしい。そしてどれがいつ頃発売される予定なのかは書いていない。カタログ掲載品がどんな順序で発売されるのかも分からない。ちなみに私の欲しているEW-IVは2011年新製品で……かなり後回しにされたらしい。そしてまだ発売されていない。遅延については日本でもよくあることだが、せめて大まかでいいからどういう順に発売するつもりなのか教えてくれよ。年間計画だと大まか過ぎてこっちは動きにくい。現地で住んでいればまだしも、日本で買おうと思ったら事前に店に注文しとかないと確実性がかなり怪しいのだ。旧塗装のEW-IVと同BLS塗装とRe460とRe465どうしようかな……。現時点で注文入れるのが確実なのだが、せめて去年出る予定だった新塗装車の製品の現物を見てから数量を決定させて欲しい。 お店の人の話なのだが、欧州型は基本的に一回こっきりの生産らしい。日本メーカーであれば、間が10年空いたりすることもあったりモノによっては二度と生産されないこともあるが、同じ商品が再生産されることがそれなりの回数ある。だから1回目の生産時に基本セットしか買わなかったものを後から買い足ししたり、新規ユーザーが参入前に発売された製品を新品で手に入れることが出来る。欧州型には……そのチャンスが乏しいらしい。全くないわけではないらしいが、「原則ワンチャンスだと思ってください」という話を聞いた。ちなみに私が去年買ったIC2000は……ROCOのHOについては、前の製品から10年ぐらい?経っているらしく、尚且つ仕様変更があったようだ。HOBBY TRAINのNゲージは短い間隔での再生産だったようだが、前はセット売り?か何かで単品売りは今回が初めて……? よく分からないが、とにかく前のと同じではないらしい。これが逆のパターンであれば、今回はフル編成が組みにくかったということになっていたかもしれない。で、今、EW-IVに連結されている荷物車も欲ほしかったりするのだが、かなり前にArnoldから製品があったそうなのだが、どうも最初に一回生産されたこっきりらしく現状入手難。メーカーの再生産を望むよりは、他社が新製品として発売することを期待したほうがいいとか何とか。まあこのあたりは長い目で見ることにしよう。ちなみに、HOに話を移せば日本型であっても欧州型に似たり寄ったりになってくる。Nゲージの大手2社のHO車両はまだ比較的再生産されているような気はするが、それでもNゲージに比べると雲泥の差。金属製品を発売しているメーカーは一回限りの生産で、再生産は何かしら改良点の入った新規設計のものとなっている……ような印象がある。まあ、あまり触れないようにしているので詳しい事情はよく分からないけど。 てなわけで、Nゲージの鉄道模型に関して言えば、日本の鉄道模型人は恵まれているのではないかと思ったりしている今日この頃。もちろん日本で欧州型をやろうとすると苦労が付きまとうが、多くの日本の鉄道模型人は日本型の鉄道模型を楽しんでいるハズ(*)。もちろん、欧州に生まれて”小さい”NゲージではなくHOスケールを満喫するほうが楽しいのかもしれないが。という、今日も昨日に引き続き鉄道模型ライフ中にぼんやり感じている特にオチのない話でした。
* でなければ、欧州型専門店がもっとたくさんあって――いや、普通の鉄道模型店でも欧州型の取り扱いが大きいはずだ。
平成24年1月18日
キングスホビー マイテ49 2を作り始めた
キングスホビーで思い出すのが、去年突如としてスイス連邦鉄道に目覚める少し前のこと。キングスホビーから新製品として、戦前国鉄で作られた木造17メートル級客車のキットが発売された。割と興味があったのだが、メーカーが載せていた編成表の編成両数が結構長めで、それに金属キットの単価を掛けると「ちょっとなあ……」と躊躇してしまった。短めの編成で雰囲気を楽しんでも良かったのだが、「Nゲージはフル編成」のポリシーに反する(いや、実車が20両とかになってくるとNゲージでも短縮編成でいいんだけど、10両ぐらいだったらフル編成にしたい)。あれこれ悩んで考えているうちに……どうでも良くなって買うのをやめることにした。で、その後しばらくしてIC2000がどーのこーのRe460は赤くてカッコいいやっぱりEW-IVも繋げて遊びたいよね”事件”が勃発したのである。今、マイテ49 2のキットを広げて製作していて気付いたのだが……んー、大体金属キット1両と海外形車両1両って同じぐらいするんだよね。無論車両によって差があるけど、国内型車両と比べると両者は似たような感じで金食い虫である(外国型の動力車と、ワールド工芸のSLキットがこれまた似たよーな感じだったりする)。作って楽しめる分金属キットが一歩リードしているような気がするけど、実は自分で作ったところで国内型は今までに持ってるどこかの完成品と似たり寄ったりなものが仕上がるので、雰囲気が大幅に違って楽しいのは海外形だったりする。 特にオチはないんだけど、ハンダ付けしながらぼんやりそんなことを考えていたのでした、と。
平成24年1月17日
ついった? フォロワーが3人に減ったと思っていたらまた1人増えた。どうも私のNゲージツイートに反応したらしい。で、向こうのツイートを見ていると……Nゲージについての話なのだが、いくら実車の運用が快速・普通列車だからといって455系のことを「通勤・近郊型」カテゴリーに入れるのはどうなのかなぁ(ここを見てくれている非鉄ちゃんのために説明しておくと、455系は急行型である……随分前から急行としては使われていないが)。まあそれはともかく。私のツイッターをフォローする意味が分からない。フォロワーのうちの2人は知人なので、「おいおいフォロワーいねえのか(少ないな)、仕方ねえからフォローしてやるか」的なお情けなので良く分かる。でも知らない人が私のアカウントをフォローしても何も面白くないような気がする。そもそも私が「他人のフォローする」という行動に価値を見出してないので、「フォロー」という行為の意義が分からないのも仕方ないのかもしれない(いや、始めたら少しは分かるんかなーと思ってやってみてる面もあるんだけどね)。ただ、極論を言えば私が侃侃諤諤を毎日更新するのも他人からすれば理解不能だろうから、結局のところは個人の価値観なのかもしれない。にしても、「誰もフォローしない、誰からもフォローされない」ことを目指してアカウントを取得したのに、4人”も”フォロワーがいるってのは看板倒れだなあ(切ることは可能っぽいけど、スパムやストーカーっぽいのを除いてそれはしないことにしている)。 で、さっきもう一回ツイッターのページを見たら、フォロワーの数が3人に戻っていた。新しくフォローしたと思った人がフォローを辞めたらしい(笑) フォローする前に気付けよ、フォローする価値のないアカウントだってな!(おいおい……)
平成24年1月16日
本年3台目の車両です。 ワールド工芸 クモヤ22001完成 先日馴染みの模型店から電話があって、デキ3のポールの部品(前に組み立てて失敗した箇所)がメーカー在庫ありとのこと。他の荷物とまとめて来るので入荷は先の話になるらしいけど、とりあえず「ある」と分かっただけでも安心できる。先日考え付いた「第3の方法」は塗装時に問題があるので、「第4の方法」……ってもったいぶってるけど、最終的には力技?で処理することに。というかメーカー完成品はどうやって可動部分の隙間まで色を塗ってるんだ? ワールド工芸で積んでたキットはこれでひとまず完了。次はキングスホビーだ。2両あって、1両はマイテ49 2、現在もJR西日本で動態保存されている旧型客車、展望台を持つ一等車だ。もう1両がワサフ8000……なんだが、これはまだ先延ばしになるかも。もう1両か2両キットが手に入ればなあ……と思案中。それよりも、”また”カトーから完成品が発売されそうな予感がある(笑) その場合も買ったキットは作るけど、追加購入の計画はなくなるからね。
平成24年1月15日
タイムアタック 模型製作は、一昨日に「さあ次は色を塗るぜ」という段階へ突入した。が、昨日は時間はあったのに塗らなかった。何故か。天候が悪かったが、雨が降ったのは一瞬だけ。スプレー缶での塗装ならまだしも、エアブラシの場合私は曇天晴天を気にせず作業する。では何故か。まずはプライマーによる下塗りの必要性、時間はあったとは言え午後の合間に用事があって作業時間が分断されること、それから2つのものを並行して進めていたということ。1つめと3つめの理由を併せて仔細に説明するとしよう。 今組み立てているのはワールド工芸の金属キット。本体がそうであれ部品として使っているのであれ、金属部位に直接塗料を塗っても後で剥がれてくるのがオチ。そんなわけでプライマーと呼ばれる液体を下塗りする話は以前から何度もしている(実際のところ、プライマーを塗っておけば剥がれにくくなるという程度の知識しかなく、プライマーの成分や原理といったものはほとんど知らない)。このプライマーという代物なのだが、何かで読んだ解説によると「塗ってから放置しておくと効力が落ちる」んだそうで。その「放置」が1時間なのか半日なのか数日なのかよく分からないのだが、以降私はなるべく塗ったら早めに次の色を塗ることにしている。「早めに」というのはどれぐらいかというと、「その日のうちに」である。午前中にプライマーを吹き付けたら、最悪でもその日の夕方までに塗るようにしている。多分翌日ぐらいまでならへっちゃらなような気もするのだが、翌日時間が取れるかどうかというのは保証の限りでもないので、だからその日のうちに塗ることにしているのだ。 ここでエアブラシについてのおさらい。カップに塗料(プライマーは塗料じゃないけど塗料と同じ扱いね)を入れ、コンプレッサーから送られてきた空気圧を利用して、塗料を霧状にして飛ばして被塗装物に薄く色を塗っていく道具だ。使い終わったら必ずその都度洗浄して綺麗にしなくてはいけない。プライマー吹いた後ももまた然り。私は、模型製作において塗装作業は大好きであるが、困ったことにエアブラシを洗浄する作業が好きでない。だからなるべく、同じ色は一度に塗ってしまいたい。プライマーもできれば、いっぺんに塗ってしまってエアブラシ洗浄の手間を一度でも減らしたいのだ。だから様々なもの(金属部品)に一度にプライマーを塗る。後から白く塗るヤツも黒く塗るヤツも赤く塗るヤツも青く塗るヤツも、だ。ここでさっきのプライマーの性質が関わってくる。いろんな色で塗る予定があるのに、とりあえずビール……じゃなくてとりあえずプライマーを塗ってしまう。塗ったらその日のうちに上塗りしたい。よって、大体の場合プライマーを塗る日は一日中作業時間が取れないと困ることになるのだ。 おまけに今回は、製作途中のクモヤ22001だけではない。先日ちょっと話題にした南筑軌道石油発動車の直しがある。この車両、ただの黒で塗っておけば問題ないものを、限りなく黒に近い青に調色したものを塗っている。全体を塗り直すならともかく、ハンダ付けしなおした部品だけを塗り直そうとしているので、前と同じ色に塗らなくてはならない。しかも、先に外しておけば良かったのに外し忘れて一緒に塗料が剥がれてしまったナンバープレートもある。クモヤ22001だけで、白(黄色に塗る箇所があるので発色良くするための下塗り)、ねずみ1号、黒(下回り)と3色あるのに、これで2色追加されてしまうのだからたまらない。別の日にしようか……とも思ったのだが、私はそこまでエアブラシの洗浄が嫌いなのである。根性で同じ日にやってしまおう、と。 で、昨日やってやれなくはないと思ったんだけど……余り焦って作業してもろくなことにならない、と過去の体験が私に警告する。レースゲームでタイムアタックするのは楽しいけど、模型製作においてタイムアタックするのはあまりいいことではない。成功時はいいんだけど、何かしらミスをしたときにどっと疲れが出る。てなわけで今日、比較的余裕があるときに余裕のあるタイムアタックをすることにしたのだ。 とーころがどっこい。午後の昼間の時間をたっぷり使えるつもりで作業を開始。3時間半ぐらいで完了するだろうと思って時計を見た後、エアブラシにプライマーを入れて下塗りを始める。白、黄色、赤(ナンバープレート)、ねずみ1号、青、黒と塗り終えると時計の針は……正確にはデジタルの時計なので針はないんだが、午後2時半を少し回ったところだった。作業時間たったの2時間。何故? これなら昨日作業してもできたじゃなーい。と頭を抱えつつも、マスキングやら何やらして、ぶどう色2号に屋根のダークグレー、ヘッドライトの銀色まで塗ってしまえた。残すはナンバーを入れた後のクリアー保護のみ。んー、思ったより快調に作業ができたのはいいんだけど、何だか昨日という日を1日無駄にしてしまったようでもやもやが残ってしまった(昨日は昨日で別の作業したんだけどね)。まあ、時間を気にしなくてよかったから良しとするか。
平成24年1月14日
そうそう、年末にバッティングセンターへ行ったとき、久しぶりに”ホームラン”を打ってきた。左打席で……70km/hだけどな。
――何故そんな遅い球なのか
いつも150km/hとか言っているこの私が何故半分以下の70km/hなんかを打っていたか、説明しないと多分皆さん気になって夜も眠れないだろうから説明しておく(*)。
* 多分誰も気にしないだろうけど、説明したいからしておく
その打席の機械は、70と多分90と120の3つの球速から選択して打てるようになっている。コインもしくはカードを差し込んでから球速のボタンを押すのだが……デフォルトでは一番遅い70km/hに設定されている。そして最速でボタンを押しても、最初の一球目だけは初期設定の70km/hでボールが飛んでくる。これで説明の9割方が終了したのだが、つまりは最初のボールにバットを合わせたら「打球はホームランのプレートに一直線」だったわけだ。別に左打席の調子が悪いから遅いボールを打っていたわけではない。緩い山なりのボールに20回スイングしたら余計に調子を落としそうだ。
平成24年1月13日
作ってからもう3年以上経つのか……と画像で侃侃諤諤の過去ログを探していて時の流れの速さを実感中? アルモデルのOゲージナロー、南筑軌道石油発動車のことである。これまた2年ぐらい経つのかもしれないけれど、前面のヒサシのパーツが取れてしまった。ハンダ付けで固定してあったはずなのだが、どうもそのハンダ付けが弱かったらしい。確かに点でしかハンダを盛らなかった。というわけでいつか直そう、直そうと思っていたのだが、多分2年ぐらい経っている。今、ワールド工芸の金属キットを組み立てている最中で、だからハンダゴテが作業台の上に出ている。これはチャンス、これを逃すと次また金属キットを組むときまで作業しないだろう。そんなわけで、再び南筑軌道石油発動車が作業台の上に乗った。 まずは分解。アルモデルのキットは、最終的にネジ止めで固定する部分が多いのでドライバーで見えるネジを手当たり次第に?外していく。いや、まあ、構造を覚えていれば必要なネジだけ外せばいいんだけど、何せ作ってから3年と2ヶ月近く経っているからイマイチよく覚えてないんだね。一部は接着剤で固定してあるのだが、ゴム系接着剤恐るべし。普段全幅の信頼を於いて使っている接着剤だが、その固着力たるや分解時には部品を壊してしまわないか冷や冷やもの。後でさらに驚くことになる。とりあえず分解できたようなので、次に塗装を剥がすことにする。部品が全部金属なので、プラキットのときのように神経質になることはない。有機溶剤へドボンでいっちょ上がりである。 ――と思っていた 順調にほとんど黒の青色の塗料が溶け出していく。時折容器を揺すって有機溶剤を攪拌……ピンセットでつまみ出してみると、何か変。よーく見てみると、金属の地肌ではなくプライマーが残っている。使った有機溶剤は普通のシンナーではなく、筆や各種ツールを洗浄するためのちょっと強力なツールクリーナーという製品名で売られているもの。プラキットで同じことをやったら、多分プラスチックがボロボロに崩れ落ちることであろう。しかしながら、そのツールクリーナーではプライマー層がイマイチ剥がれてくれないことが判明。よって、ツールクリーナーにはご退場いただいて、次にプライマーを塗る時に使う金属用のシンナーの出番。これをどぼどぼとかけてみるが……これまたイマイチ状況が芳しくない。仕方がないので金属ブラシを取り出してごしごしやって剥がしていったのだが、想像以上に手間がかかってしまった。マッハ模型に「リムーバー」という塗装を剥がすための液体が売られていたのだが、今度行ったら買っておいたほうが良さそうだな。 さて、ハンダ付けに移ろうとしたときに思い出したのだが、そういえば塗装後にナンバープレートを貼り付けた。塗装を剥がした車体にそのまま残っている。どうやって張り付けたかと言うと……確かゴム系接着剤。私の予定では、ゴム系接着剤はシンナーに溶け出して自然とパーツも外れてくれる予定だったのだが、何故か強固に車体に張りついたままになっている。ピンセットで外そうとしても外れない。これは一体どうしたことか。最終的にカッターナイフの刃を隙間に入れてこじって剥がしたのだが、ゴム系接着剤の接着力恐るべしである。今後も目一杯頼ることにしよう。 で、肝心のハンダ付け作業も難航。何と言うか、何故か綺麗にくっ付いてくれない。たかがパーツ一個に半時間ぐらいかかってしまったのだが、途中で別々に塗装して後からゴム系接着剤で取り付けたらいいんじゃないか?と思ったぐらい。でもまあ、意地で何とかくっ付けた。再塗装にあたって、色を変更しようかとも思っていたのだが……車体を分解する時にしげしげと眺めていて、この色で馴染んでしまっているのでやっぱりこの色にしよう、と。ただ、この色の塗料の入ったボトルがどこに保管されているかは分からない。多分使い切ってはいないし、色を捨てることは基本的にしないのでどこかには残っているはずなのだが……いかんせん3年2ヶ月前に塗って、その後一度も使ってない塗料だからなあ。
平成24年1月12日
『天体戦士サンレッド』のフィギュアが出るとか出ないとか言う話をどこかで聞いたような気がするようなしないようなだったのだが、どうやら本当に発売されるらしい。今年の5月に、まずは悪の組織フロシャイム川崎支部のヴァンプ将軍が登場するようだ。
注:ヴァンプ将軍は主人公ではありません。
この漫画、コミックスの表紙に主人公が登場しないことで有名(?)だが、フィギュアの登場順も脇役に先を譲るというのは心憎い演出(?)である。シリーズは、可動式のfigma。私が持ってる中で言えばトラッキーが該当。同時に、癒し系担当?のアニマルソルジャーの面々も立体化される(ぬいぐるみか何かは既に発売されていたような)。『サンレッド』は私のランキングでは結構上位にいる漫画なので、現在購入検討中。仮にヴァンプ将軍は買わないとしても、アニソル4体セットだけ行っておくという考え方もあるね。 というわけで、またパソコン周りが賑やかになりそうだ。買うかどうかかなり怪しいけど、豪鬼も3月ぐらいに発売予定になっていたはず。というか、そろそろ置き場所が狭くなってきているので、そういう意味では買い控えるべきかもしれないな……。
平成24年1月11日
「BLS」で検索すると、一次救命措置が出てきた。 相変わらずスイス連邦鉄道(SBB)にぞっこんなのだが、2011年に発売される予定だったフライシュマンのSBBの新製品は現時点でも発売されていないようだ。あちらの国々のメーカーは、新製品を年間計画?で発表するらしい。そんなわけで年明け早々に2012年版の新製品予定のカタログが発表されているようだ。そこに私が欲しかった2011年新製品予定の品物が再掲載されていた。まさかもう1年近く待てということはないよな? もっとも、私が欲しくなったのは去年末なのでまだ大して待ってないのだが(日本製品でも発表から平均半年前後待つことになる)。でもまあ、今スイス熱で大変なので早めに発売されてほしいと切に願う。 その2011年新製品は、前にも話題にしたことのあるEW-IVと呼ばれる客車。以前手に入れて大興奮していたIC2000の1つ前の世代の車両のようだ(EW-IVは2階建てじゃないけどね)。その現行塗装がフライシュマンの2011年予定の新製品だったので、、馴染みの模型屋で「きっと来年旧塗装が発売されるんだぜ」と希望的観測で話していた。それが本当に2012年発売予定のカタログに上がっていた。動画サイトで旧色も結構見かけるので、欲しいと思っていた。というわけ2012年も早くも散財決定的。さらに、である。そのEW-IVのBLS塗装版も発売予定になっていた。 BLSというのは(確か)スイスの私鉄。私鉄にもいろいろあるが、大手らしくてSBBと同じ形の車両も導入しているらしい。Re460の出力増強型のRe465なんてのもあり、そちらの模型はカトーからも先日発売されたばかり。最初はBLSにはあんまり興味がなかったのだが、EW-IVのBLS版塗装を見て欲しくなった。というのも、BLSのコーポレートカラーがブルーらしくて、Re465はもちろんEW-IVも青なのだ。前にも書いたとおり私の好きな色は青。最近ちょっと赤にハマっているが、青が好きな色であることに変わりはない。今ハマっているSBBの車両の青版となれば……これはかなりツボ。そんなわけでさらに散財しそう。当然だが、EW-IVだけでなく青いRe460ことRe465も一緒に買わないとね。2012年も大変なことになりそうである。と言うか、2011年予定でありながら発売されなかった新製品もきっと今年買うことになるんだよね……。 フライシュマンのカタログで初めてBLS塗装のEW-IVを見たので、実車をチェックしておこうと例によって某動画サイトで検索。すると冒頭に書いたように、BLSというと世間一般では一次救命措置らしい。というわけで、BLSだけ入れて検索すると非効率的なので、Re465とか「EW-IV BLS」で検索してみた。この結果があまり芳しくない。Re465は貨物を引っ張ってることが多く、「EW-IV BLS」はSBBのEW-IVばかりが出てくる(キーワードのBLSは半無視状態)。いくつか仔細にチェックしてようやく青いEW-IVに辿り着けた。 ――……しかしまあ なんて言うか、「繋げれりゃ何でもいい」精神は相変わらずだね(褒め言葉)。どうやら青いEW-IVには制御車がないみたいで(フライシュマンのカタログにもない)、Re465に連れられた青いEW-IVの最後にSBB塗装の制御客車が連結されていたり。他、ごった煮編成っぷりはかつての日本国有鉄道を思わせる――いや、それ以上か(褒め言葉)。もうこうなりゃ何でもアリだな。模型でもあれこれ連結して遊んでやろう。余力があれば、フリーランスでIC2000BLS塗装も作るところだが、色んな意味で体力が足りない。 ところで、実車は荷物車を1両連結していることも多いようだ(SBB、BLS共に)。日本でも国鉄時代の特急「はと」「つばめ」の頃は、機関車の次に荷物室を備えた3等車(今で言う普通車)が連結されていたらしい。そんなわけだから模型でも荷物車が欲しい。しかしながら、製品が現在市場にほとんどない様子。過去にアーノルドが作っていたようではあるが……。ともかく、今手に入れようとすると大変そうなので、今EW-IVを展開しているフライシュマンが来年あたり作ってくれると嬉しいのになー、と期待している。果たしてこの希望的観測はどうなるのだろうか。
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