あまぎモデリングイデア 智頭急行HOT3500

あまぎモデリングイデアの智頭急行HOT3500が完成しました
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  あまぎモデリングイデアの智頭急行HOT3500が完成した。Nゲージ界における智頭急行は、「スーパーはくと」のHOT7000がマイクロエースから模型化されている他、カトーからの発売も予告されている。普通列車のHOT3500は現状ではあまぎモデリングイデアから金属キットが発売されたのみ。それも今調べてみると10年以上も前のことになるらしく、おそらく再生産はされていないはず。発売時にキットを入手したものの積んだままになっていたのだが、カトーから新製品が出るのに合わせて組み立てようと決意。何となくだが鉄道コレクションで出そうな気がして、そうなる前に作ってしまおうと思ったのだ。

前面連結器周りのディティール
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  キットは「ボディキット」。側板及び屋根が折り曲げ済のエッチング板で、ホワイトメタルの前面を組み合わせるオーソドックスな構成。屋上機器は一部が付属しているが、別売りのグリーンマックスのクーラーセットが必要となる。下回りは「鉄道コレクション用16m級C」の指定があるのみで、床下機器やカプラー等は「各自創意工夫」。私は、16m級では台車間隔が短すぎると感じたため、台車を振り替えた上で17m級を使用。それでもまだ短いのだが、18m級を使うと今度は長すぎとなり、追求すると大変なので17m級で妥協した。床下機器は、GMストアで買って来たキハ150用だったかのバルクパーツをそれっぽく並べ替えた。一番凝ったのが連結器周り。ダミーカプラーはGMの余り部品を活用。胴受けの形状が違うのだが、スカートパーツの関係で見えなくなるので良しとした。エアーホースは銀河モデル、ジャンパ栓や栓受けはカトーのAssyパーツ及び0.3mm真鍮線。当初スノープロウは付けずに完成としていたのだが、部品を整理していたらカトーのAssyパーツが出て来たので急遽取り付けた。本来グレーのところ黒色なのはそのためで、次にねずみ1号を塗る機会に一緒に塗る予定である。
  カラーリングは付属デカールに頼らず塗装で仕上げた。順序は白(ガイアノーツの普通の白)、ピンク(GM赤14号……去年の錦川ひだまり号と同じ)、青(クレオスのコバルトブルー)、黒(ガイアノーツの半艶)、グレー(クレオス明灰色1)。誤算というか、ついうっかり忘れていたのがコバルトブルーの隠蔽力の弱さ。何となくは覚えていたのだが、ピンク下地であればいけるだろうと甘く見たのが失敗だった。あまりにも色が出ないので、慌ててスカイブルーで下地を作り直し、そのせいもあって厚塗りになってしまった。屋根は説明書によると白いらしいのだが、屋根の継ぎ目を消していないのを誤魔化す目的もあってグレーに塗り分けてみた。去年、屋根がグレーの車両の屋根を車体色に塗った(*1)くせに、屋根が車体色の車両にグレー塗るんだから橘雪翼も相当捻くれてるや。

*1 屋根色も黄色だと思って塗り分けなかった。JR九州のキハ125は黄色のようだが、島原はグレーが正しいらしい。ちなみに床下がグレーというのも勘違いで、本来は黒。錦川の4両を完成させた後で気付きました。今のところ直す予定はありません(開き直り)。

久々のライト点灯
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  さて、本車両は橘雪翼としては久々にライト点灯化加工を施している。鉄コレで出た場合に、鉄コレに対するアドバンテージとしてライトを光らせておこう、という捻くれた理由である(笑) 動力車なので集電系統は楽だったが、ライト部分を開口するのが少々面倒だった。ちなみに後ろで一緒に光っているのはクモハユニ64。どうして並べたかは後述。
  以下、主にライト関係の加工の様子を。

まずはライト部の開口から 左はキットそのままで右は加工後
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  ライト点灯化にむけて、まずはライトにクリアパーツを入れなければ話にならない。本キットの前面パーツは穴が開いていないため、ここに穴を開けるところから始まった。特にヘッドライトは肉厚があり苦労した。最初に小さ目に穴を開けてヤスリで削り広げようとしたのだが、細い丸ヤスリを2本も折ってしまい、心も一緒に折れかけた。ホワイトメタルだったからまだ良かったが、真鍮ロストだったら点灯化を諦めていただろうなあ。テールライトは普通に穴を開けるだけでいいと思っていたのだが、途中で歪めてしまったため銀河モデルのパーツに置き換えた。

前面窓ガラスのピラーも切除(左)
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  実車の前面窓ガラスはピラーで仕切られた2ピース構造で、キットでもピラーの表現がある。しかしながら1箇所あたり2枚の窓ガラスをはめ込むのは面倒そうだったので、ピラーを切除しガラスの上から細切りのプラ板を貼ることにした。ピラー用のプラ板は、極細に切ったつもりがいざ取り付けてみるとそれでも太い。これ以上細くしようとすると、銀塗装後に貼り付けるのも難しいし……悩むところである。窓ガラスは曲げる必要があるため、大きい方のメーカーのエンドウ「キャブロイド」を使った。前々作の「しらさぎ」の前面ガラスにもこれを使用している。去年、通販サイトで見かけて何かに使えそうと思って買っておいたのだが、早々に大活躍である。
  この写真ではテールライトの別パーツ化加工も済ませてある。銀河モデル「N-021」の旧型国電半流用テールライト。もちろん旧国に使うためにストックしてあったもので、本車両のテールライトはもちろん旧国とは違う形状をしているのだが、反転させて裏側を使うといい感じになる。

一見すると謎の電子部品
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  ライト点灯化で重要になってくる回路がこちら。単純に動力車のライト点灯化をすると、モーターから発生する 逆電圧により進行方向とは逆のヘッドライトが点灯したりする(あるいは進行方向のテールライトが点く)。その現象を和らげるのがこの部品の目的。抵抗(作例では91Ω)とコンデンサー(作例では1μF)を直列に繋いだもので、これをモーターと並列に繋ぐ。原理はよく知らないのだが、これで逆電圧による余計なライトの点灯がかなり抑えられる。先ほどのクモハユニ64を点灯化したときに気になり、ネットで調べて辿り着いた解決法だ。詳しくは忘れてしまったのだが、抵抗値を大きくすると逆点灯が強力に抑え込めるものの動力がラピッドスタート気味になり、逆に抵抗値が小さいと動力への影響は小さいが逆点灯しやすくなる(逆だったような気も)。参考にしたサイトの記述によると、モーターと同じ抵抗値にするのがいいらしい。コンデンサーの容量は良く分からなかったのだが、今のところ1μFで上手く行っている。

動力ユニットへの加工(左はクモハユニ64、右が今回のHOT3500)
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  ライト基盤は屋根裏側に設置し、動力ユニットの適当なところから伸ばした接点を通して給電。写真は動力ユニット側の様子で、モーターカバー上に設えたプラ板加工の台座上に接点を固定してある。接点のバネはカプラー用のスプリングで、ここに先ほどの逆点灯防止基盤を挟んでいる。この基盤、最初に作ったものはもっといい加減な作りだったので、今回のHOT3500用を用意するときに2つ作り、クモハユニ64のも交換した。先ほどの画像は点灯試験のついでに一緒に写し込んでみたというわけだ。

  10年間ほったらかしにしたキットが一つ片付いた。以前のように「積みキの数」を気にすることはないが、それでもやはり買ったものはなるべく作りたい。キット組み立て品は組み立て品、完成品は完成品で分けて考えているが、それでもやはり完成品が出てしまった場合本キットを作る自信がなかった。昨日発表の新製品の中に残念ながらHOT3500の姿はなかったが、来るとすればカトーがHOT7000の具体的な発表をした後か? まずはブランドパッケージで現行の窓回り青塗装が、その後オープンパッケージでバリエーション各種、という感じになったりしないだろうか。キット組み立てたくせに完成品の登場を望むのも変な話かもしれないが、鉄コレ(もちろん普通のトミックスブランドであっても)で製品化されたらそちらも買うつもりでいる。

(2021.04.09)

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