「3064F」の台車をFS345に換装する
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昨年完成した「阪急3000系 3064F」の台車適正化
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昨年完成した「阪急3000系 3064F」は、完成時点でグリーンマックスのFS345台車が未発売だったため同社のFS356を取り付けていた。阪急キットで3000系以前の車両を作った人のほとんどが選択していた代用品ではないだろうか。その3064Fの制作中に正規のFS345台車の製品化が発表され、無事発売の運びとなった。私ももちろん購入し、完成していた3064Fに取り付けた――というそれだけの話なのに、ちょっとした紆余曲折がある。 |
代用品のFS356
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まずこちら、代用品として名高い(?)FS356形台車。確かに比べてみると次に挙げるFS345とは違う形をしているのだが、一昔前の大らかな時代であれば代用としては十分だったと思われる。 |
本来のFS345
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そしてこちらが、3000系の台車として正しいFS345。GMはかなり前に阪急2800系を完成品で製品化しており、その際にFS345形台車を製作している。しかしながら完成品用のネジ止め方式であることに加え、単体発売がなかったためにエコノミーキット用としては使いづらいものであった。去年発売されたキット用の部品はおそらく金型のコマ替えで製造しており、熱心なファンであれば「もっと早く製品化しておいてよ……」という気持ちだったに違いない(私はそこまで拘らないので、部品がなければ今もFS356で不満を持っていなかったと思う)。なおこの台車は、「5100F」制作報告その7・補で述べたように成形色が少し暗く、GMのねずみ1号で塗装してある。
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干渉する……?
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3064F制作にあたり私が独自に取り付けた車体裾台車付近のグレーのパーツ(実車においてこれがどういう役割を果たすのか良く分からないが、この部分で台車と繋いである?)と、台車中央部の少し突き出ている部分とのクリアランスが小さい。気になったので1両だけ台車を交換し試走させてみた。一応問題なく走る。しかし手で持って台車の動きを確認すると、条件が悪ければこの2つが当たって脱線の原因になりそうである。当初は、私が再現しようとしたものがGMのFS345側にも再現されているのだと勘違いし、どちらかを除去することを検討した。検討したというか、実際1つだけ台車側を削ってみたりもした。削ってから実車写真と見比べ、車体側のパーツを外した方がいいのか台車側を削った方がいいのか確認したところ……両方そのままにするのがディティール的には正解、という結論に行き着いた。そこでもう一度試走し、やっぱり問題なく走ったので、とりあえずそのまま換装することになった。もし今後、線路状態が変わったりして問題が発生すれば、その時にもう一度考えることにする。多分車体側のパーツを外すことになりそう。 |
もう1つ困ったことが
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以上は非動力車の話で、動力車のほうでも問題が発生した。FS345は、非動力台車以外にGM純正動力用の台車枠も発売された。私は試したことがなかったのだけれど、取り付け部の寸法が鉄道コレクション用動力ユニットのものと同じと聞いていたので、実証も兼ねて買ってみた。確かに取り付け自体は無加工ワンタッチで行ける……しかし。GMの動力台車の方がスリム設計なのだろう。鉄道コレクション用動力に取り付けるとかなり出っ張り、不格好である。軸受け部の形状が異なるために最後まで押し込めていないのだが、それでもせいぜい0.5mmぐらい。せめてあと1mmは引っ込んでもらわないと困る。さてどうしよう。
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FS345は鉄コレ動力に収録されている
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「5100F」完成後、余った部品を整理していたら……鉄コレ動力の箱からFS345台車枠が出て来た! そう言えば見たことがあるなあと膝を打つ。正しい形状の台車枠がありながらも今まで使ったことがないのは、動力車だけ正しい形状にしても仕方がないというのがまず1つめの理由。それから、今までエコノミーキットで3000系や3100系を作ったことがあり、尚且つ鉄コレ用動力を組み込んでいたものの……当時はまだ19m級が出ておらず、18m級で代用していた(18m級にFS345は付いていなかったはず)。使うチャンスがなかったのだから忘れても仕方がない!(言い訳)
(2023.01.27)
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