Stray Cat
Original text:半引退状態
03
「―― 以上の観点からも、S2機関の単独運用案にはまだ疑問点が多いと感じます」
「なるほど……。惣流君、それは君の経験も踏まえてのものなのだね?」
「はい。あくまで感覚連結による擬似的なものに拠るのですが、現在用意し得るハードに到底収まるものではないと理解しています」
「そうか……よろしい。ご苦労だった」
「ありがとうございます」
会議室に響く声は少女の幼さを残してはいても、そこに侮られるべき未熟さは微塵もない。
列席の学会重鎮の耳に染み通る玻璃色のソプラノは、どこか高貴な雰囲気すら伴ってアスカの発言を印象付けた。
最後期建造型エヴァンゲリオンに搭載されたS2器官の民生転換を問う会議上、数少ないエヴァを知る者としてオブザーバーに招かれた未だ高校生に過ぎないこの少女を、もはやはじめのように胡乱げな目で見るものはいなかった。
滅多に身に着けることの無いネルフの赤い仕官服をまとい、背筋を真っ直ぐに物怖じすることなく歴々を見返すブルーの瞳には、赤木リツコというこの上ない師によって授けられた賢者の知性が輝く。
後にネルフ本部に天才美人師弟在りと喧伝されることになる、本部技術部員、惣流・アスカ・ラングレーの事実上のデビューだった。
◆ ◆ ◆ 「たいしたものだわ。アスカ」
遠隔参加の学者達の姿が消えた二人だけの会議室で、リツコはそういって愛弟子の成功を褒め称えた。
会議の緊張も抜け、窓際に背中を預けると早くも紫煙をくゆらせている。
「リツコの指導が良かったから……。今度のレポートだって大分助けてもらったもん」
はにかんだ笑みで応えながら並ぶアスカもすっかりリラックスした様子で、ブラインドの羽に指を引っ掛けて隙間を作ると、採光ビルからの夕方の明かりが、3Dプロジェクターの為に保たれていた薄暗がりを茜色に照らし出した。
「それでもよ。私だって高校生の時からネルフに入り浸りだったけど、ここまで実践的に出来たかどうか……。マヤなんて大学を出てからだったけど、最初はてんで遣いっ走りにしかならなかったわ」
「やだ。そんなの聞かれちゃったら、またマヤに睨まれるじゃない!」
ホログラフィックのマヤは、後輩の頼もしい姿に随分と複雑そうな顔をしていたようだった。
クスクスと笑いを漏らすリツコに合わせて、アスカもふざけて見せる。
そうしながら、つぅ……とリツコの伸ばした手が、まるで娘を褒める母親のように髪から頬へと撫ぜると、気持ち良さそうに目を細めて寄り添うのだ。
「今日まで随分と根を詰めっ放しだったわね……」
「…………」
「大分……溜まっているのじゃなくて?」
年上の熟れた身体に抱き付いて、やわと胸元に預けた少女の頬が薄くピンクに染め上げられた。
背徳の授業をも授けた女性のその際どい言葉が情事へと誘う合図なのだと、意思の疎通は速やかで、それだけでもうアスカの胸はドキドキと高鳴り、甘やかな期待に幼い子宮が疼き始めてしまうのだ。
「それとも、ちゃんと発散させていたのかしら? 私が貸してあげたアレで―― 」
『やぁン……』とむずがるような声を上げて、アスカは恥ずかしそうにまた赤くした顔をリツコのバストに押し付け隠した。
今日までは二人とも会議の準備にとても忙しかったのだ。
最後に二人で密戯を交わしたのはもう十日以上も前の事で、更にこの間、いつも同衾して眠るシンジさえ別件で本部を離れている。
処女でありながら既にリツコに開発され切ったアスカの躯には、それは辛い一人寝の日々でもあった。
そうして十分にそれを見計らった上でリツコは手渡したのだ。
「……ふふ。私のおツユのたっぷり染み付いた……アスカにぴったりの、赤ぁいバイブ」
あけすけな言葉を囁かれる羞恥に、少女は瞳を閉じた金色の睫毛をふるふると震わせた。
命じられれば自分の手で真っ白な双臀を割って、その奥の綻んだ花園と肛蕾を晒しさえする。
内腿をぬるぬるに濡らしながら、ほっそりとした少女の肢体を犬這いの姿勢に、絶頂へのもう一責めを淫らにねだって見せさえする。
そんな淫蕩さを開花させてしまっているアスカなのだけれども、未だ人一倍羞恥心の強い乙女の心をそのままにしてもいるのだった。
リツコの手でとろとろに蕩かされ理性も慎みも何もかもを投げ出してしまわない限りは、同世代の少女達よりもよほど初心なただの一人の女の子でしかない。
そして、そんなところがまたリツコの心を妖しくときめかせるのだった。
「どうなの、アスカ? あなたの我慢を知らないオマ×コよ。どうせ指だけじゃ満足しないんだから……喜んで使っていたんでしょう?」
「そんな……いやぁ……」
「イヤじゃ分からないわよ、アスカ。……ほら、もうクリトリスを固くして……こんなに淫乱なあなただもの。バイブで擦ってもらうのも、いつも大好きでしょう?」
「ふぁっ……あっ、あっ、あぁン……」
リツコの腕の中に包まれて、仕官服のタイトスカートをめくり上げられたアスカは、ヒップから忍び込んで秘裂をまさぐる指に可愛い喘ぎを漏らしながら、早くも快楽に溺れ始めていた。
じわとスリットが潤み出すにつれて、リツコの指に揉み解されるショーツの股布は、乾いたシルクの布音から次第にネチャネチャというねばついた音を立て始める。
「ブルブル震えるバイブでこのおマメを可愛がってあげる時、あなた自分がどんな顔をしているか分かっていて?」
「ああ……意地悪ぅ……。言わないでリツコ……ぉ、んゥっ! ……あああっ! あひ、ヒィッ……!」
濡れて恥丘に張り付いた股布の下に指先がこじ入れられ、直に少女の敏感な秘芯を刺激すると、甘い悲鳴が会議室に響き渡った。
背を仰け反らせて喉を震わせるアスカのスカートはもう腰までめくられていて、シルクのショーツに包まれた小ぶりなヒップをむき出しにしている。
リツコははじめからアスカの性器を責めていた指に加えてもう反対の手も尻へと回すと、ショーツの薄い布ごと揃えた人差し指と中指を菊花に突き立て、淫媚なマッサージを与えはじめた。
「あぅ、はぁッ……! っ、ふうぅ〜〜ん……。んぅっ、んぁっ、んぁ……あ、……イイっ! イイの、リツコぉ……」
みるみるアスカの瞳には快楽色の霞がかかり、虚ろに泳ぐ目尻からは嬉し涙をこぼして甘ったるくさえずり出す。
「ほぉら……直ぐにヒィヒィと泣き叫んで、このちっちゃな唇からもこっちのいやらしい唇からもヨダレを垂らしておねだりするのよね。……淫乱なアスカちゃん!」
「らって、らってぇ……。気持ち良いんだもん。とっても気持ちイイんだからぁ……!」
なす術も無く飲み込まれる官能のうねりに抗うようリツコの背中にしがみついた手もわなわなと震えて、毎日のブラッシングを欠かさない長い艶やかな髪を振り乱してよがるアスカは、必死に呂律のその回らない言葉を紡いで答えようとする。
それはまるで話し続けることで理性にしがみ付こうとしているようにも見えたのだが、その一方でじゅくっ、じゅくっと生地に吸い切れなかった愛液を垂れ流しにする少女の股間からは尚一層の快感が湧き起こり、アスカの落花寸前の正気を襲っていた。
「ふぁぁ……! ……ひぃぃ! リツコの指が……。あたしのクリトリスに……、お尻の穴にぃぃ……!!」
「……こんなに淫らですものね。ひょっとして自分で破っちゃったかしら……? 我慢できずにここにバイブを突っ込んで……。自分でかき回して……!」
「ヒッ、うぁぁ……! してないですっ! あたしっ、そんなこと……ぉおぅ! あ、あたしまだバージン……うぁふ! ッああ……! ヒィィ……!! ゆ、許してリツコ……。強すぎるのォ……」
しこり立った牝芯を摘み潰されるように忙しなく責め立てられて、アスカは堪らず甲高い悲鳴を上げた。
クリトリスと両方の乳首に激しく振動するパールローターを貼り付けられて悶えさせられた時や、固く閉じたアヌスに薬液を注がれて奥底の隅々まで洗われてしまった時の様に、リツコの愛撫は時に苦痛の域にまで達する。
それで、まだどこか片隅は冷静でいられる心が慄え上がるのは、その痛みの中にさえ『キモチイイ』と感じる自分を見つけてしまうからだった。
(アタシはすっかり変わってしまった……。どんどんエッチに、リツコにして貰うたびにメチャクチャになっていく……)
淫らな一時が過ぎ去った時、汗が冷えた気持ちの悪さの中でしばしば感じるのは紛れも無い恐怖だったが、アスカはもうとても引き返す事など出来ない、快楽にどこまでも貧欲な己を自覚していた。
「……そう? それじゃあ、いやらしい事が大好きなアスカはどうしていたのかしら? 淫乱でしょうがないアスカちゃんは、あのバイブをどう使ったの?」
突然、リツコが愛撫の手を止めてアスカを離した時、力の入らない足がよろめくままに床にへたり込み、欲情に濡れた瞳で年上の同性を見上げたアスカがまず思ったのは『何故?』という、中断された愛撫への不満だった。
荒い息を吐きながら、自分で秘部を慰めようとするアスカにリツコは愛玩動物を眺めるような笑みを向けて、白衣の胸ポケットから抜き取ったボールペンを差し出した。
「…………?」
反射的に受け取ったボールペンは太めで、キャップの先は緩やかな球形になっている。
天才と称せられるほどに明晰な頭脳も今は麻薬のような快楽に混濁しているのか、とろんとした目のままで要領を得ない少女の傍らに片膝を突くと、リツコは顔を近づけて濃厚な口付けを与えた。
くちゃくちゃと舌を絡めて、あられもなく糸を引いたその赤い舌に吸い寄せられるアスカの眼差しには、中途半端に放り出された官能への期待が渦巻いている。
「さぁ、これでやってお見せなさい。昨日までのアスカが、ベッドの中でどうあのバイブを使っていたか……。さぁ!」
そこに居るのはかつて赤いエヴァを駆って戦場に立った勇ましいセカンドチルドレンでも、弟のような少年を振り回す勝気な女の子でもなかった。
今まさに、年上の同性の促すまま机の上へと、愛液に塗れた太腿も露なはしたない格好で這い登ろうとする―― その会議場で世界中の科学者から賞賛を浴びた天才少女でも、愛しい恋人と将来を誓い合った乙女でもなかった。
―― 淫らな涎を垂れ流す足の付け根の奥底、子宮の疼くまま性欲に突き動かされ、何をだって官能と引き換えにしようとする浅ましい赤毛の牝犬少女。
それが今の、惣流・アスカ・ラングレーだった。
From:「EVA」アスカ&レイのエロエロ統合スレ