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それはあるいは最後のチャンスだったかも知れない。 暗黒面の誘惑は、僅かばかりの光を駆逐するほど強かった。 心の中の君は呟く。 まず復讐を成し遂げてからだ。 そうだろう? (その通りだ) 君はカメラを構えなおすと、マンションの監視を続行した。 しかし、5分ほど監視を続けてわかったのだが距離よりも角度が悪いのか幾つかの部屋は除くことが難しい。何より、下から見上げるアングルでは、上の階に住まれていたら良い写真を撮ることは絶望的だ。落下防止のための柵が思った以上の障害になっている。それに太陽の角度も悪い。 照り返しの光はカメラ越しで見るとなお強烈で、もう数時間しないとまともにマンションを見ることもできない。 つまり要点をまとめると、今の時刻では、まともに監視することも難しいということだ。 だが、マユミ達の部屋が中層の場合、夜になって明かりを点ければ思っても見なかった良いネタを拾えるかも知れない。中途半端に高いところに住んでいる方が、かえって安心して無防備になるという説もある。 再び決断の時が来たようだ。 以下から選択せよ。 この場に待機して監視を続行する。 木の上へ 監視を諦め、マンションに侵入する。 決断は早めにした方が良いだろう。 |