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(ここにいるのはまずい) 君は自分の不明を呪った。 せっかく木に登ったが、マユミの部屋がどこかわからない! この状況ではどこを覗くにしても効率がよいとは言えない。 今回登るときには誰にも見られなかったが、降りるときもそうだとは言えないではないか。それに木は登るときより降りるときが危険だ。 (考えが甘かった) 運に任せて監視する方法もあったが、君はあまり自分の運を信じる気にはなれなかった。 実際、弱気は不運を呼び込んだ。 木から滑り降りた君は大きく溜息をつき、ふと視線を感じて背後を振り返った。 視線が絡み合う…。 君の背後から紺色の服を着た1人の人間が近づいてきている。 あからさまに不審者に向ける目をしたその人間は、先ほど通り過ぎた警察官だ。間の悪いことに、君は最悪のタイミングで木を降りたことになる。 (くそっ、まずいぞ!) さて、君はこの緊急事態を同切り抜けようとするだろうか? 迎え撃つ 逃げる |