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 覚悟を決めた君はゆっくりと、だができる限り急ぎながら木を登る。

 ヒイヒイ豚のように荒い息を吐き、ずり落ちそうな体を必死に支えること10分近く。
 とっとと諦めて地面に足をつけたいという思いに何度も襲われるが、もはやそれも容易ではない。既に3mほど登り体力もかなり使った。ここで諦めたら二度と登れなくなる。

(くそ、こんなことして、俺は)

 自分自身に対する意味のない呪詛、誰かに見られはしないかという恐怖心。
 しかし…。

 気が付いたときには、君の体は太い枝の上にあった。
 登ることができたのだ。
 かなり怪しいところはあるが、君は木登りに成功した。思ったほど、体力が落ちていたわけではなかったようだ。君は幸先の良さにほくそ笑む。運点に1を加えよ。

 …しかし、予想以上にきつかった。
 体力点から1引くこと。
 ともあれ、君は木を登ることができた。ふと意識を下に向けると、紺色の制服が特徴的な男性が通り過ぎていく。俗に言う警察という職業に就いている人だ。
 彼は鼻歌を歌いながら、君には全く気が付くことなく曲がり角の向こうに消えた。危なかった。

 さて、木に登ったからと、そこで安堵するわけには行かない。
 君はこれからどうするつもりだろうか?
 この木は葉が大量に覆い茂っており、しかも五月蠅い蝉の鳴く声が多少の物音をかき消してくれる絶好のポジション。特に10階までは丸見えと言っていいほどにはっきり見える。監視するなら最高だろう。



 監視を行う

 やはり別の場所に行こう





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