020


 なにか君には閃くものがあった。
 少女子おにぎりを3個、缶コーヒー、さらに無造作に虫除けスプレーを手に取ると籠に入れ、レジで精算する。この無骨なスチール缶が、役に立つときが来るかも知れない。いずれにしろ、虫の多い君の住むアパートには除虫菊だけでは些か心許ないから丁度良かった。

 外に出た君は公園に向かった。コンビニエンスストアの前に座り込んで食べるようなことを君はしたくない。あまり店員に覚えられるのは好ましくないからだ。となると、このへんで落ち着いて食事が出来そうな場所と言えば…。公園しかなかった。

 少し重くなった荷物を抱えた君は公園に到着した。もしかしたら同じ所をうろうろしている挙動不審な人物として怪しまれているかも知れないが、当面君は気にしないことにした。なんと言っても、まだ何もしていないのだし。




 10分後


 粗末ながらも昼食をすませた君は、これからどうするか考えた。監視を続けるにしろ、もう木に登るという大胆な手は使えない。あの店員はかなり目端が利くらしい。
 となると公園から監視を行うか、あるいは工事現場から行うかだ。
 監視を諦めて中に入れないか試してみるのも良い。

 さあどうする?



 公園から監視。

 工事現場に行く。

 マンションへの侵入を試みる。





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