008



「邪魔だ、失せろ」

 君は本当に怒っていた。だからその物言いはきつく、辛辣だった。
 君の歯に衣着せぬ物言いに、男達は言葉を失う。
 薬で半分線が切れた脳であっても、君が決して友好的な態度でないことは悟ることが出来たようだ。

「てめぇ、お、おれおれ、俺達をバカにしやがって!
 ちゅ、中学出てないからって俺を、バカにしてるのかっ!?」
「お前のケツにつっこんでやる」

 呂律の回らない男は小汚く汚れたナイフを取り出し、物騒なことを言っている男は先端が焼けこげたバットを構えた。血走った目は殺意で濁り、完全にやる気になっている。
 湿気った煙草のヤニで黄色くなった歯を剥き出し、溶けたゴムのように粘つく唾を、不平を言うようにブツブツと吐き出す。男達が身動きするたびにすえた臭いが周囲に漂い、君は胸をムカムカとさせた。こんな連中にかかずらわってる暇はないと言うのに!
 君は内心、強く出過ぎたかと思いながらも、ゆっくりと腰を落として戦いに備えた。

 数秒間のにらみ合い…。

 2人の浮浪者達が奇声を上げながら君に飛びかかってきた。



呂律の回らない浮浪者
技術点: 体力点:

背の高い浮浪者
技術点: 体力点:10


 この戦いは少々特殊だ。以下のことに留意せよ。
 君は2人の浮浪者それぞれ相手に戦闘判定を行わなければならない。
 ただし、君が両方に勝ったとしてもダメージを与えられるのは片方だけだ。あくまで君は攻撃をかわしただけにすぎない。ダメージは君が最初に決めた相手に勝ったときのみ、与えることが出来る。
 君が負けた場合、戦う相手と決めてなくともダメージを受けることになる。
 運試しは普通に行うことが出来る。

 もし君が武器を持たないのなら、君はダメージを1点しか与えられない。たとえ運試しに成功しても2点のダメージにしかならない。対して浮浪者達は2点のダメージを君に与えてくる。
 望遠カメラを使えば、君もダメージを2点与えることができるようになるが、カメラは壊れて失われてしまう。もし、今後盗撮をできる機会があったとしても、その時は盗撮を行うことができない。

 望遠カメラを武器に使うにせよ、そうでないにせよ戦いは避けられない。
 戦え。戦わなくては生き残れない!


 それ以外にも選択肢は存在する。

 もし、君が拳銃を持っていてそれを使う気なら ……… ここへ

 もし、君がスタンガンを持っていてそれを使う気なら ……… ここへ


 戦いに勝利したら ……… ここへ

 逃げるのなら ……… ここへ


 負けたら君は彼らの言葉通りに切り刻まれ、バットで犯されるだろう。






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