「特に希望がなければ、彼氏の部屋ということにしておけ」
「彼氏……」 優也が呆然としている間に、誠司は素早くコトを進めていく。気が付けばシャツの前のボタンはすべて外されていた。 ……ひーっ。どうしよう、どうしよう、どうしようっ! 誠司にぺろりと首筋を舐められ、優也は悲鳴を上げた。 「ひゃあぁっ」 「……優也、そんな色気のない声を出すな」 「色気って……。や、やだっ。そんなとこ触らないでっ」 優也は誠司の体の下でじたばたともがいた。このままでは行き着くところまでいってしまう。誠司とそうなることを望んだこともあったが、いざとなると生々しすぎて、優也は完全に怖気づいていた。 半泣き状態で誠司から逃れようとする。 「今日はキスしたもん。一日一コっ! 今日はもうおしまいっ!」 シャツの前を掻き合わせながら、優也はわけのわからない理屈を叫んだ。誠司は不服そうに口をへの字に曲げた。 「譲歩して、今日は中には入れないことにする。だからそれ以外は全部させろ」 「そ、それ以外……?」 「ここで俺を受け入れるのが怖いんだろ? 今日は優也の中でイクのは我慢してやるから触らせろ」 誠司は優也の尻の谷間を指先でなぞりながら言った。 「やだっ。もう、俺、やだぁっ」 確かに、後ろを使っての性交はものすごく怖い。怖いというか、不可能ではないかという気がしている。あんなトコロにあんなモノが入るとは到底思えない。 しかしそれよりも前に、もうこれ以上誠司に触られるのは耐えられない。限界だった。性的な経験が皆無だった優也は、今まで与えられた刺激を受け止めるので精一杯だった。コップの縁(ふち)まで水はぎりぎりに溜まっている。もう少しで溢れてしまいそうだ。 誠司から離れた場所で、優也は気持ちを落ち着けたかった。 「泣くな、優也。余計に性器が硬くなったぞ」 至極真面目な顔をして、誠司はぐいぐいと腰を押し付けてくる。 ……こんなのセクハラだっ。誠司さんの、バカ〜っ。 「やだ。俺、やだって言ってるじゃん。離せよ、このエロオヤジっ! 愛してるなんて嘘だ。俺の体が目的なんだろっ!」 優也は涙目できっと睨んだ。人の言うことに聞く耳持たない、強引な誠司に腹を立てていた。 だが誠司は、優也の怒りなどまったく意に介していなかった。優也の抵抗をやすやすと封じて、誠司は優也の下半身からズボンを下着ごと剥ぎ取った。5人の不良たちをあっという間に地に沈めた誠司にとっては、造作もないことだった。 下半身を守っていた鎧を奪い取られて、優也はしくしくと泣き始めた。 「ふぇっ……うっ…ううっ…誠司さんの……ばかっ…嫌いだ…」 優也の体の上を這い回っていた誠司の手が、ぴたりと止まった。 「……そうか。優也は俺が嫌いだったのか……」 誠司は辛そうな声で言った。驚いて、涙で頬を濡らしたまま誠司の顔を見上げると、とても哀しそうな顔をしていた。 「あ……俺……」 「嫌いな相手にキスされて、さぞかし気持ち悪かっただろうな。すまなかった……」 誠司は悲痛に顔を歪ませて、優也の唇を親指で擦った。不用意に発した自分の言葉で誠司を傷つけてしまったことに、優也は深い罪悪感を抱いた。 背を向けて部屋から出て行こうとする誠司の腕に、優也は咄嗟にしがみついていた。 「待って。どこ行くの?」 「幸い紗那は出張でいない。今日は紗那の部屋で寝ることにする」 「え、でも……」 「腕を離してくれ。傍にいたら抱きたくなる」 「でも……」 「明日は自分の家に帰ってくれ。惚れた相手が同じ屋根の下にいて、手を出さないでいる自信がない。……いい加減、理性の限界だ」 「……」 「自分を強姦しかけた男の言葉など、今更信じられないかもしれないが、初めて優也に出会ったとき心臓が止まるかと思ったよ。年甲斐もなく俺は、十九も年下の少年に恋をした。今まで他の男どころか、女にさえこんなにも心動かされたことはなかった」 「誠司さん……」 「どうしても、俺のものにしたいと思った。優也の言うとおりだ。俺はしょうもないエロオヤジだな。醜い独占欲をむき出しに、優也を汚そうとした」 誠司は苦い笑みを浮かべた。 「振られ男のたわごととせせら笑ってくれてもいい。最後にもう一度だけ言わせてくれ。……優也、愛してる」 するりと優也の腕から抜け出し、誠司は今度こそ本当に部屋から出て行こうとした。優也はその背中を悲しい気持ちで見ていた。 ……どうして、こんなことになっちゃったんだろう……。 誠司は優也を愛していると言ってくれた。優也も誠司を愛している。自分たちは両想いのはずだ。それなのに誠司は今、優也を置いてこの部屋を立ち去ろうとしている。そして優也は明日、この家を出て自分の家に帰らなければならない。もし自分の家に戻ったら、ただでさえ誠司は忙しいのだ。ほとんど会うことなど出来なくなってしまうに違いない。もしかしたらもう二度と会えないかもしれない。 ……どうして……? 優也に勇気がなかったからだ。自分も誠司と触れ合うことを願ったくせに、いざというときに未知の体験をすることに怯え、臆病風に吹かれたからだ。 ……俺に意気地がなかったから……。 大切な人を、失おうとしている。家出した理由なんてもはやどうでもいいと思えるぐらい誠司に心を奪われているのに。優也があまりにも子供だったから、誠司を拒んで傷つけてしまった。 「やだっ。行かないで……」 優也は誠司が部屋から出て行かないように、ベッドから降りてその背中に勢いよく抱きついた。 「行かないで。俺も、俺も誠司さんのこと好きだよ」 大切なものを無くさないために、優也は必死だった。シャツを一枚羽織っただけでほとんど全裸に近い格好だったが、優也は自分の姿に気をかけている暇はなかった。 「優也、同情はいらない。俺に触れられるのは嫌だろう……?」 「嫌、じゃない。嫌じゃないよ。ただ怖かったんだ。だ、だって俺、ああいうことするの誠司さんが初めてだし……。ただ怖かっただけなんだ」 「……優也、触れることを許してくれるか?」 「うん、もちろんだよ。俺も誠司さんと触れ合いたい」 「優也……」 誠司は体を反転させ、正面から優也の体を抱きしめた。さっきはあんなに誠司の腕の中にいるのが怖かったのに、今は安心できた。 誠司を失わずにすむと分かり、優也は純粋に嬉しかった。 「優也、俺のことが好きか?」 「……好き。俺もね、誠司さんと初めて出会ったときから……す……き……」 優也は途中で言葉を失った。なぜなら、見上げた誠司の顔の表情が、優也が期待したものとはまったく違っていたからだ。 そこにあったのは……。 愛し合っている者同士が互いの気持ちを打ち明け、わずかな羞恥と溢れんばかりの幸福を内包している男の顔ではなく…… 悪巧みが成功したときの、満足そうな悪魔の顔がそこにはあった。 優也の血は一気に下がり、そして上がった。 「……あ、あんたっ。俺を騙したなっ!」 「騙すだなんて……。少々演出をしたことは認めるが」 「〜〜〜こんの〜〜うそつきやろぅっ〜〜」 「嘘はついていないぞ。俺が言ったことはすべて真実だ」 誠司はにたりと笑い、派手な音を立てて優也の頬にキスをした。 「押して駄目なら引いてみろ、か。まったく、先人の教えは正しいな」 「離せっ。とっとと離せ。さっさと離せ。速やかに俺を解放しろ。俺はお前なんか大っ嫌いだ! 俺は明日、自分の家に帰るーっ!」 「嘘つきなのは優也のほうだな。大嫌いだなんて、心にもないことを……」 口元に淫らな笑みを浮かべ、優也の臀部(でんぶ)を両手で揉みながら、誠司は言った。さらに、片足を優也の足の間に突っ込み、太ももを使って優也の性器を擦り上げた。 「んっ……。やっ、やめろっ、変態! あんたを好きだと言ったのは、思春期特有の気の迷いだっ。俺は目が覚めたぞ。あんたの正体は悪魔だな。俺はもう騙されないからなっ」 「さすが、自分の恋人のことをよく分かっている」 悪魔と呼ばれ、誠司は愉快そうに笑った。 「だ、誰が、恋……あっ……やめっ……ああっ……」 言うはずだった言葉は霧散(むさん)し、甘い喘ぎ声に取って代わった。誠司の指が、優也のモノを直接愛撫し始めたからだ。誠司の逞しい胸から逃れようとしても、誠司の左手に腰をしっかりと押さえつけられていてままならない。 「うっ……ああっ……」 甘い毒に犯され下半身には力が入らない。両膝はがくがくとして、今にも崩れ落ちそうだ。いつの間にか優也の手は、誠司のシャツをしっかりと握り締めていた。 この男から逃れられないのなら、あとはすがりつくしかなかった。 誠司が甘い声ごと優也の舌を絡め取る。優也は無意識に、誠司の口付けに必死に応えていた。 「……っ」 誠司はいきなり動きを止めた。優也の体を唐突に、閉じ込めていた腕の中から解放する。誠司の支えを失って、優也はずるりとその場にしゃがみこんだ。 足の間の付いている優也のモノは誠司に煽られ、元気よく立ち上がっている。先端からはとろとろと、淫靡(いんび)な涙を零している。 あともう少しでイキそうだった。あとちょっとの刺激で、優也は誠司の手の中で、自分の欲望を解放できるはずだったのだ。 優也はシャツの裾でソレを隠し、誠司を恨みがましい目で見上げた。 誠司は薄く笑い、優也の目の前で躊躇(ためら)いもなく、着ている服を脱ぎ始めた。照れのない、男らしい堂々とした脱ぎっぷりだ。 誠司の露(あらわ)になった逞しい上半身に、優也は賞賛の目を向けた。無駄な肉が一つも付いていない、美しくて凛々しい体躯。これほど綺麗な男の体を、優也は今まで見たことがなかった。 誠司がベルトに手をかけたところで、優也ははっと気が付いた。 ……逃げるチャンスだ! あいにく前のドアには、誠司が立ちふさがっている。ならば……。 優也はじりじりと後ろに下がり、慎重に誠司との距離を作った。そして勢いよく立ち上がると、部屋に備え付けられているバスルームに駆け込んだ。誠司が追いかけてくる前に、素早く優也は鍵をかけた。 「……あんなとんでもない人だとは思わなかった……」 無事に誠司の魔の手から逃れ、優也は安堵のため息を吐いた。 しばらくここで籠城していれば、今日のところは誠司も諦めてくれるだろう。いつまでも逃げ切れないのは分かっているけど、もうちょっと心の準備をする時間が欲しい。 「……うう。なんか俺、汗臭い気がする。誠司さんに臭いって思われなかったかな……」 ふと自分の体臭が気になった。どうせ抱かれるなら、自分の体をキレイにピカピカに磨いてから抱かれたいよ……。 ついでだし、シャワーを浴びようと優也はシャツを脱ぎ捨て完全に裸になった。コックをひねってお湯を出し、その暖かい感触にほっと息を吐いた。 お湯を頭から被りながら、収まりの付かなくなった下半身に優也は手を伸ばした。目を閉じて、いつものテンポで自身を慰め始める。 「んっ……」 優也の脳裏に浮かんでいたのは、クラスの可愛い女の子の顔でも、人気の女性アイドルの顔でもなく、始末の悪いことにたった今逃げ出してきたばかりの男の顔だった。 思った以上に食えない性格の男だということが先ほど判明したが、それでも困ったことに、優也の中の思慕は消えてはいない。性の証を直接愛撫されたときも、ただ気持ちが良いだけで嫌悪など微塵も感じなかった。 ただ、シャクに触るだけだ。 このまま誠司の手管にあっさり陥落し、体を奪われることは我慢がならない。お手軽な相手とは思われたくなかった。ようは、優也のプライドの問題なのだ。 ……どうして俺、あんな根性悪そうな男が好きなんだよーっ。 悔しいけど悔しいけど悔しいけど、やっぱり優也は誠司が好きだ。 「誠司さん……」 切ない声で好きな男の名を呟き、優也は浴槽の壁に白濁した液を叩きつけた。 「呼んだか?」 「〜〜〜〜〜っ!!!!!」 聞こえないはずの人の声を間近で聞いて、優也は声にならない悲鳴を上げた。しっかり鍵を掛けたはずなのに何故かドアは開かれ、入り口付近の壁にもたれかかって誠司が笑っていた。 自慰行為を見られていたと知り、優也は激しいショックを受けた。イクときに誠司の名を呼んだことも、しっかり聞かれてしまったに違いない。 穴があったら入りたい心境だった。 「なんで……? 鍵、掛かってたろ……?」 「悪い子だな。おかげでドアが壊れてしまった」 どうやら誠司は、力ずくでドアを開けたらしい。よく見たらドアノブが床に無造作に転がっている。 だが、ドアを壊した音なんか聞こえなかった。一体、どうやったんだ??? 人間技なのか? このヒト、本当に得体が知れないよっ! 優也の背にぞぞぞと戦慄が走った。 「壊れたんじゃない。あんたが壊したんだろうがっ!」 誠司はにっと笑い、裸の体を隠しもせず、ゆったりとした足取りで近づいてくる。視線を下げると屹立(きつりつ)した誠司の立派なイチモツが目に入り、優也は顔を引きつらせた。誠司の欲望が自分に向けられていることをはっきりと知り、優也は恐怖した。 誠司の赤黒いソレは体格に見合って大きく、なんだかグロテスクだった。優也のは使ったことがないせいか、鮮やかな濃いピンク色をしている。 「やだっ。来るなよっ! 俺は絶対、あんたとえっちなんかしない!」 「可哀想に。知らないのか? 悪魔に魅入られたお姫様は、絶対にその手から逃れることなど出来ないってな」 悪い男の顔で笑い、誠司は優也の手を掴み、自身の昂ぶりへと導いた。充実した誠司に触れて、優也は慌てて手を引っ込めようとした。しかしそれを誠司は許さなかった。優也の手の上から自分の手を重ね、ゆっくりと動かし始める。優也は泣きそうだった。悪魔のような男から逃れる手段を、自分はもう考え付かない。 「優也が俺の名前を呼びながらイク表情を見て、俺も危うくイキそうだったぞ」 「う、うるさいっ!」 誠司のことを思いながらの自慰行為の一部始終を見られてしまい、優也は分が悪かった。 「体を洗ってやろう。今日は暑かったから、汗を掻いただろう」 「いい! 自分で洗う!」 だが当然ながら、優也に拒否権はなかった。誠司の手から逃れようともがくが、優也の抵抗をものともせず誠司はびくともしない。優也は自分が子猫になった気がした。精一杯爪を立てて暴れるけど、飼い主に風呂で洗われてしまうようなイメージ……。 上機嫌で誠司は浴槽に栓をした。湯が溜まるのを待たず、無理やり優也を自分の足の間に座らせ、誠司はスポンジで優也の体を磨いた。狭い浴槽なので二人の体は密着している。尻の谷間に誠司の熱く硬くなったモノが当たるのを感じ、優也は顔を赤くして俯いた。 「やだっ…やっ……」 誠司の悪戯な指が、優也の乳首をこりこりと擦った。背中から伝わる誠司の体温と、体を這い回る誠司の繊細でいやらしい指の動きに優也は溺れる。隅々まで誠司に愛撫され、優也は全身泡だらけになっていた。 「あっ……」 一度達したばかりだというのに、優也の性器は、再び硬く張り詰めていた。誠司の手から逃れることを、優也はすでに諦めていた。与えられるものを従順に受け入れる。 「気持ちいいか?」 「……うん」 のぼせた頭では正常な判断が出来ない。思わず優也は誠司の問いに、素直な態度で頷いていた。項(うなじ)の辺りをきつく吸われ、優也は身を震わせた。 「優也、俺の体も洗ってくれないか?」 「……うん」 今度は、向かい合う格好で座らされた。手渡されたスポンジを握り締めながら、優也はぽーっと誠司に見惚れた。濡れた自分の髪をくしゃりと掻きあげる誠司の姿は、滴るような男の色気があった。危険な男だと分かっていても、それでも惹かれずにはいられない。 男らしい美を誇る誠司の肉体に、優也はふらふらと手を伸ばした。献身的な奴隷のように、優也は誠司の全身を丁寧にくまなく磨いた。誠司の猛った男の象徴にも進んで手を触れた。泡の力を借りて滑らかに誠司を高めながら、優也はじっと誠司の顔を観察していた。優也の手の中で、誠司はますます膨らんでいく。誠司は気持ち良さそうに、甘いため息を口から吐いた。優也の上体を引き寄せ唇を重ねながら、誠司も優也のモノに触れてきた。 貪るような口付けを交わし、互いの性器を擦り合わせて頂上を目指す。解放は誠司のほうが早かった。手の中でソレはビクビクと震え、優也は誠司が達したことを悟った。自分が与えた刺激で好きな男がイったことに、優也は胸がきゅっとなるような切ない喜びを感じていた。 感激して誠司の首にしがみつきながら、優也も湯の中に放出した。 「のぼせそうだな。そろそろ出るか?」 「……うん」 優也は誠司に体を預けながら小さく頷いた。長いこと湯に浸かっていたため眩暈(めまい)がした。 誠司がぬるい湯をかけ泡を落としてくれる。優也はふにゃりと誠司にもたれかかって、快感の余韻に浸っていた。 誠司は優也と自分の体を軽くバスタオルで拭いてから、優也の体をひょいっと持ち上げた。優也は細いほうではあるが、それでも50キロ以上はある。にもかかわらず、誠司はわずかもぐらついたりせず軽々と優也をベッドまで運んでいった。 優也はまだ体に力が入らず、ぐったりとベッドの上で横になっていた。頭がふらふらして気持ちが悪かった。 「水…。水、欲しい……」 「分かった」 誠司はすぐにコップに氷水を入れて持ってきてくれた。 「飲ませて…」 甘えた口調でねだると、誠司は軽く笑って、口移しで水を飲ませてくれた。コップの中の水がなくなるまで、何度も二人は唇を交わした。水を飲み干してからも、二人は舌を激しく絡ませ合った。 「誠司さん」 「なんだ?」 「今日は、ほんとーに、触るだけだからね?」 ようやく優也の許可を得て、誠司は嬉しそうに笑った。許可がなくても触るくせにと思ったが、嬉しそうな誠司を見て、優也も胸が温かくなった。 「分かってる。ありがとう、優也……」 誠司の体が覆いかぶさってくる。湿った肌を触れ合わせただけで、優也は下半身がジンと熱くなるのを感じた。 ……あ〜あ。でも、しょーがないよね? 好きな男にここまで強引に迫られて、かわせるほど優也は恋愛に対して器用ではなかった。やばいかなと思いつつ、誠司がもたらす甘い快感に、優也は酔い痴れていったのだった。 |