橘雪翼の、侃侃諤諤喧喧囂囂

平成24年3月中旬分

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平成24年3月19日

  線路配置が終わって、次はコード繋ぐ云々の話。ポイントの配線が終わって次はフィーダー(コントローラー兼電源から線路に電気を送り込む部品)の配線。今までの線路配置だとフィーダーから伸びているコードで事足りていたのだが、今回はヤード(留置線)が少しややこしいのと、補助で入れるフィーダーのための延長コードに手間がかかる。ヤードのうち、2箇所はフィーダーを入れる余裕がなかったので、線路と線路を繋ぐジョイナーに直接ハンダ付けしてしまえ作戦。実際作業をして分かったのだが、ジョイナーは表面が何かでコーティングされているのかペーストが効かない。線路に装着する時にポロっと取れてしまった。うーん、これは困ったぞ。何せその位置から給電しないといろいろまずい。だめだったら線路配置の修正の必要が出てきて、ポイントの配線が場合によっては面倒なことになる上、ヤードの有効長も縮んでしまう。ここで思いついたのがステンレス用フラックス。ステンレスは通常のペーストやフラックスが効かないらしく、ちょっと強めのフラックスが売られているのだ。フラックスはペーストと違って常時酸性なため、使った後は水で洗い流さないと金属部分を腐食してしまう。よって丸洗いできない電気関係のハンダ付けには適さない。しかし今回の場合、ジョイナーは単体に分離できる。そしてハンダメッキの考え方を応用して、ジョイナーだけの状態のところにハンダを乗せてみよう。ステンレス用フラックスを塗り、ハンダでコーティング、然る後に水洗い、乾燥。そして本命のコードをハンダ付け。結果は成功。一度ハンダが馴染んでしまえば、後はフラックスやペーストのあるなしに関係なくハンダ付けできるのだ。ステンレス用フラックスでもハンダが乗らない材質だったらお手上げだったのだが、軽く引っ張っても取れないところを見ると上手く行ったらしい。
  さて次に、フィーダー用延長コードに自分で買って来た別のコードを延長する作業に入ろうとした。この時使うのが熱収縮チューブ。コードの被覆を向いて芯の金属線をより合わせるわけだが、芯の部分を露出させたままにしておくと、プラスとマイナスが接触したときにショートする。だから絶縁すべきなのだが、そのために熱収縮チューブを使う。ゴムのような素材で、ドライヤーなどで暖めると収縮する性質を持っている。最初ぶかぶかなのだが、被せて収縮させるとぴったりと目的の箇所を包み込む。ビニールテープで代用できなくもないのだが、ビニールテープは経年劣化でべたべたしてきてあまりいいイメージがない。だからここは熱収縮チューブが使いたい。ところが、前に使ったときの残りがあるはずなのだが……見当たらない。使い切ったか、それとも失くしたか。分かっていれば、この前延長用のコードを買ったときに一緒に買ったのに、その時は「まだあったはず」と思ったんだよな。高々100円ちょっとのものなのだから、ケチケチせずに余ってもいいぐらいのつもりで買っておけば良かった。これがコンビニで売ってるような品物だったらいいんだけど、電気配線用の部品類を売ってるコンビニなんてマニアックすぎてイヤだ(笑) ともかく、家の近くで売ってそうなところがないので作業をそこでストップせざるを得なくなってしまった。うーん、面白くない。


平成24年3月18日

  『コクリコ坂から』のDVD/BDの発売が決定したらしい。6月20日らしいので、約3ヶ月先。各所で予約受付が始まっている。再生環境(PS3)もあることだし、画質のいいBDを買っておこうと思うのだが……値段差が結構大きい? 多少高くてもBDの方が画質いいから納得は行くけど。と、ここまで考えて思い出した。私が持っているBDは今のところ2枚で、『エヴァ』の新劇場版2作だ。確か発売当時はBDの出始めの頃で、「敢えてDVDと大きな差を付けない値段設定にした」という話をどこかで読んだような。実際エヴァのBDはDVD版よりたった数百円高いだけだった。そのせいで2000円高いコクリコ坂に一瞬驚いたのだが、本来のDVDとBDの値段関係とはそういうものなのだろう。
  DVD版もBD版も通常版と限定版が用意される。特典映像がどうのこうの、PVがどうのこうのらしいのだが、価格差210円なので「とりあえず」限定版を買っておこうと思う。その限定版には他にも、先着予約特典として「オリジナル縁結びお守り」が付くらしい。

  ――えーっと

確かにご利益あるかもしれない映画の内容だったけど……何となく駿&ゴローちゃんの説教臭さを感じるのは気のせいだろうか。


平成24年3月17日

現実は漫画より奇なり

  もう何年も前に、プロ野球界からポスティングシステムを利用してアメリカへ渡った阪神の元?エース井川慶。高額な入札金と年棒で話題になったが、その後の活躍はご存知の通り。どこで何をどう間違ったのやら。「こんなはずじゃなかったのに」とは普通本人が言いそうなセリフなのだが、こと井川に関しては関係者が頭を痛める一方、本人は至ってマイペースで野球してたような印象を受ける。ここまでくるとある意味大物と思わせるのが、本人は5年契約が終わった後もこれからまだどこかのメジャー球団に拾ってもらえると期待しているところ。3Aでいろいろ勉強できたとか何とか言ってたが……。おそらく井川を獲得しようとするアメリカの球団は、せいぜい独立リーグクラスではないかと思う(もちろん年棒契約金が大幅に値切れたならばという条件付で)。一方日本球界ではそれなりの評価を受けているらしくて、具体的に言うとパ・リーグの楽天とオリックスが狙っているらしい。ええと、この2球団が何故井川を高く評価するか、詳しく説明する必要はないよね? 監督がアレな以外にも、バリバリのメジャーリーガーじゃなかった分肩の勤続疲労はないだろう、という裏付け?もあるようだが。
  阪神ファンは多分あまり良く言わない井川だが、私は高く評価している。よくやった、と褒めてやりたい。何故なら、今まで阪神がどれだけ元メジャーだの何だのの外国人選手に大金を支払い、そして裏切られてきたことか。ポスティングの入札金でそれをかなり取り戻せたんじゃないかと思う(もっと使ってるような気はするが)。しかも向こうで活躍しなかったとなれば、してやったり感も強い。してやったりも何も、阪神に来た外国人選手が活躍しなかったのは阪神の”選球眼”が悪かっただけの話なのだが。
  その井川のニュースを久々に見た。何でもゲームセンターのネットワークゲーム――サッカーを題材としたトレーディングカードゲーム――の大会で地区優勝したんだとか。井川自身は野球選手だが、実はサッカーが大好きというのも有名な話(実はアニメ好きという話もある)。そのゲームに手を出していても何ら不思議はないのだが、まさか優勝するとはね。2コマギャグ漫画の『隔週刊イガワくん』のオチであればありがちなのだが、それが現実に起きてしまったというわけだ。その報道から推察される井川慶は、現状の自身の置かれた状況に何ら悲観していないのだが、ギャグ漫画の「イガワくん」と思わせる。漫画家が井川を上手に描写しているのか、気が付けば本人が漫画にあるようなキャラクターになってしまったのか……。
  阪神ファンの評価は低いが、私はまた井川が阪神のユニフォームを着て野球やってるところが見てみたい。噂によると、阪神ファンの野次を嫌って「絶対戻って来ない」らしいが。


平成24年3月16日

  常設Nゲージ線路の配置変更はほぼ完了。最初に設置してから確か3度目の大規模変更になるのだが、前の2回に比べると大人しい変更になった。”大人しい”理由は、本線に大きな変更がなかったから。特に高架線はごく一部の線路を取り替えたのと、下をくぐる線路の都合で橋脚をいじっただけで、配置については全く変更なし。先日書いたように、ヤード(留置線)の単純化、使い勝手の向上が一番の主題。それに伴って必要が出てくる部分以外は、結果的にだが変わらなかった。もっとも、究極的に言えば過去の大規模変更は全部ヤードの変更であり、最初の2回はヤードの変更が本線へ与える影響も大きかったということなのだろう。今回変わったのは、ヤードのポイント(分岐)線路(*1)の配置と位置関係。数学的に表現すると「位相が変わった」になるのかな? まあともかく、単純化したのだ。残っている作業は大きく分けて3つ。線路は繋ぎ終わったのだが、一部土台が不十分なので”地面”を自作してやらないといけない。2つ目。根強く残っている旧タイプの線路を、そろそろ最新製品群である「ファイントラック」に全て交換したいところ。しかしながら、近々新発売となるアイテムが魅力的に思えてきたので、発売を待つために後回しにすることに。最後は……最後が一番の問題。ポイント線路の配線だ。模型車両を走行させるための電力は、実際に走行するレールを介して供給できる。しかし、ポイント線路の分岐方向の転換には、別の配線から別の電力を送ることが必要なのだ。デジタル・コマンド・コントロール(DCC)と呼ばれるシステムを導入すればそれも線路経由で供給できるらしいが、DCC化すると車両も対応させなきゃいけなくなってしまう。デコーダーと呼ばれるチップのようなものが新たに必要になるのだが、搭載する手間もさることながら費用が悶絶モノ。というわけで却下だ。あと、カトーの線路はサービスセンターでデジタル化できるらしいが、トミックスの線路でそれが可能かどうか分からない。カトーのサービスセンターがライバル会社の線路を加工してくれるとは思えないので、多分自分で工夫することになるんだろうなあ。かなりハードルが高くて、そんな手間掛けるなら車両作りたいぜ(笑) まあともかく、この配線がとんでもなく面倒である。ポイントを10も20も設置するからいけないのだが、さらには半数以上が遠いところにあるので、長い延長コードをあれこれするうちに段々と堪忍袋の緒がやばくなってくる。車両工作の配管といい、長細いものは精神衛生上よろしくないね。
  ずっと前に話したことがあるんだけど、多分誰も覚えてないと思うのでもう一度。ポイントに取り付ける転換装置から伸びるコードの長さはあまり長くない。確か50センチか60センチか、そんなもん。それじゃ長さが足りないぜ、という人のために150センチの延長コードも発売されている。遠隔操作するためのコントロールボックスとワンタッチ接続できるよう、コネクタが付いたコードだ。このコネクタのせいなのか、延長コードは「150センチしかないくせに」いい値段する。1本1本で見れば大した問題じゃないんだけど、私が必要とする本数が50本とか60本とかになる。塵も積もればなんとやら。だから私は、延長コードを中央で切断し、別に買って来た普通のコードを継ぎ足して長さを稼ぐことにした。トミックスが発売している延長コードよりも普通のコードのほうが単価がはるかに安いからね。そうして買って来たのが100メートル巻きのコード。絶対使い切ることはないさ、でも人生余裕があったほうがいいよね?ということで100メートル巻きだったのだが……余裕があったはずなのに……使い切ってしまったときの絶望感。いや、あの時は絶望しなかったな。笑ったよ。笑ってこう思った。侃侃諤諤のネタに使える! 使い切って足りなかったので買い足したのだが、2回目の変更のときにまた買い足した記憶がある。そして今回、またそれでも足りなくなってしまった……。いや、ポイントの数は減ったんだよ。延長コードも使いまわし出来そうなのだが、それでも足りない理由は別のところにある。コントローラーから線路に給電するためのコネクターのようなものがあるのだが(フィーダー、と我々は呼んでいる)、それも当然有線である。先日書いたように、線路にはある程度の電気抵抗があるので(どんな物質であれ電気抵抗はあるのだが)、フィーダーから離れるに従い電圧が落ちる。通常あまり問題ないのだが、大型レイアウトやポイントの数が多い場合には電圧降下を防ぐためにフィーダーを増設したりする。増設する箇所は、最初に設置したフィーダーから離れた部分。理想はテスターか何かで電圧をチェックし、最も落ちる部分に設置するのがいいかもしれない。まあ、そこまでやらんでも、ここで列車の速度が落ちるなあ、と気になる部分に差し込めばOKのはず。今回線路配置を変更して、今まで本線にポイントが2箇所だったのが3箇所に増えてしまった(詳細は後述)。なので、第一フィーダーから見てポイントを3つ跨いだ先に補助フィーダーを入れておこうと考えている。そうするとフィーダーに繋がっているコードでは到底長さが足りず、延長コードを使っても1本や2本では足りない。というわけでこいつもポイント用の延長コードと同じ話。別の単なるコードで継ぎ足して長さを稼いでやれ! そのためには、コードがまた足りんわけだね(苦笑) ちなみに、ポイント用とフィーダー用でご丁寧にコネクターの形状が違う。ポイント用の余った延長した延長コードを引きちぎって継ぎ足すという案もあったのだが、そうすると次に線路配置変更したときにポイント用延長コードが足りなくなる可能性もある(笑) そんなわけだから、新規にフィーダー用延長コードを延長することにする。なお、これがカトー規格だとコネクタの形状が一緒だったりするんだよなあ。色が違うだけで実は形が一緒。カトーの線路や制御機器を使っていたときは共用していた。但し、間違えるとポイントや車両の破損リスクがあるので、本当はちゃんと使い分けたほうがいい。
  先日、ヤードへの引込み線を2箇所設けたからヤードの線路配置がややこしくて云々と言う話をした。ところが作業をしていて、完了に近付いたときに思った。「撤去した引込み線、復活させても線路配置はそんなにややこしくならないんじゃないの?」。どうやら、引込み線が2箇所あることよりも、上下線を離合させる部分がややこしくなる原因だったようだ。そんなわけでポイントの数がまた増えて、結線の手間が増えて、調子に乗って作った補助ヤードのせいもあって、本線に今まで2箇所だったポイントが3箇所に増えちゃって……という、やっぱり単純化しようとして複雑になる学習能力のない男がいるのでした。

*1 分岐線路のことを何気なくポイントポイントと呼んでいるが、ポイントって「点」だよなあ。どうしてメーカーは「ポイント」という名前で分岐線路を売るんだろう? と思って調べたら、鉄道の分岐点にある転轍機(分岐方向を切り替える機械)を「ポイント」と呼ぶらしい。「転轍機」が「ポイント」なので、厳密には「ポイント線路」はおかしいのだが何か納得した。


平成24年3月15日

  昨日最後に書いたNゲージの新製品の話。リトルジャパンモデルスからクモハ41、クハ55セットの発売が発表された。かつてクモハ40の半流と切妻、そしてクモハ42(2種、片方は限定)の両運転台の旧型国電の組み立てキットを発売し、片運転台車も待たれたのだがその後旧国に関しては沈黙。去年になって、仕様変更で同じクモハ40が2種、クモハ42(やはり2種で一方は限定扱い)が再販された。今度こそ新展開(片運転台車)が来て欲しい!と(一部の)ファンは思っていたはずだが、その願いがついに叶うことになりそうだ。
  半流型クモハ40は私の好きな鉄道車両の5本指に入る。カトーのカタログに掲載されていたHOゲージ製品の写真を見て「いいな」と思ったのだ。その当時、Nゲージ界にクモハ40の製品はなかった。グリーンマックスのキットを改造すれば手に入らないこともなかったが、当時の私にその技術はなかった。そんなわけだからリトルジャパンキットに飛び付いたのをよく覚えている。組み立てやすく、ディティールやプロポーションの良い優れたキットだった。残念なことは両運転台車しかなかったこと。片運転台車はそれこそGMキットを作ればよかったのだが、設計が古いのでリトルジャパンの製品と混ぜるには抵抗があった(当時の話であって、今は混ぜてるけど)。
  去年再販されたキットは1つずつ買ってみた(クモハ42は限定版しか押さえてないが)。最初発売されたときに買ったものが一部残ってたり、あるいは一度組み立てたものを手直しすればいいので買う必要はなかった。しかし、「今度こそ片運転台車を!」という声援代わりのつもりで売り上げに貢献したのだ。そしてその甲斐あって?の発売決定。

  ――ぃやっほぅ!

今まで組み立てたGMキットの立場と、まだ組み立ててないGMキットの立場が微妙になってきそうだが、それはそれ、これはこれで楽しもうと思っている。GMキットは元の出来の悪さを逆用?して、加工して(セミ)特定ナンバー化や各種改造車両を組み立てるのに使う。加工やら改造やらをすると、出来のいいリトルジャパンキットベースだと手を加えた部分が目立ってしまうからね。そしてリトルジャパンのキットは、特に手を加えることなくそのまま作る予定。実車と異なった仕様になってしまうかもしれないけれど、末期には改造補修で見方によっては「醜く」なってしまった実車を、そのまま模型でもトレースしなくてはいけないことはない。リトルジャパンのキットは、その素性の良さも生かして「カッコいい」(と私が思う)旧国の世界を展開するのに使うのだ。
  さて、今回はとりあえず半流車だが、両運転台車と同じく切妻タイプの40系、そして42系のクモハ43、クハ58へと展開していって欲しいところ。両運転台車がないせいで?今までラインナップになかったクモハ51、クハ68といったところにも期待したい。42系は関西急電が再現できるよう、クロハのラインナップもあったら嬉しいなあ。関西急電をやるには自分で工夫しなきゃいけないところが出てくるけど。とりあえず、ラインナップ拡充を期待するためにも今度の製品は多めに買っておきますかね。


平成24年3月14日

体調不良

  昨日の晩、侃侃諤諤を書き終わってからしばらくして嘔吐感が。こりゃやばいと思って早めに床に就くも、気持ち悪くてなかなか眠れない。うとうとしては目が覚めての繰り返しで、ようやくマシになったのが夜中の2時。ずっと喉が渇いていたのだが、何か飲んだら(水でさえ)戻しそうな気がして我慢していた。2時に目が覚めたときに、吐き気が収まったのでようやく水分にありつけたというわけだ(その際に時計見たから2時と覚えている)。朝起きると風邪っぽくて、そして今もまだ熱っぽくてややぼーっとしてる。咳とか喉が痛いとかはないんだけどね。まあ、そんなわけで今日も早めに寝る。おやすみー。
  あ、Nゲージ情報サイトをチェックしたところ、リトルジャパンから待望の新製品が出るらしくてちょっと興奮している。


平成24年3月13日

  そういえばどうやら20周年記念らしい。何の? 私がNゲージ鉄道模型を始めてから20年。非常にどうでもいい20周年ですな。その前の10周年のときはそんなこと全然思わなかったし(笑) 当たり前だけど20年前、この趣味に入ったときはこんなに続くとは思ってなかった(*1)。当然キットをガンガン組み立てるようになるとは予想できなかったし、金属キットに手を出しているとも考えもしなかった(*2)。そして欧州の鉄道にこんなに興味を持つとも思わなかった(*3)。以前書いたかどうか忘れたけれど、私が鉄道趣味に足を踏み入れるきっかけとなったのは鉄道模型で、鉄道模型に興味を持ったから実車にも興味を持つようになったのだ。だから現在の「鉄ちゃんやめました」宣言というのは、ある意味で原点回帰?なのである。すべては模型ありきで、模型がなければ鉄道趣味の道は歩んでいない可能性も高い。もし20年前、親に鉄道模型を買ってもらってNゲージを始める、ということがなかったら……今頃の私はどうなってただろうね。カメラ及び写真は、鉄道写真がスタート地点なので微妙。今となっては鉄道趣味と完全分離してるけど。ああ、将棋と囲碁に今より力を入れてるかもしれない。そうなっていればきっと今頃有段者だな(←何と虫のいいことを)。もちろん、そこから数年後にやっぱり鉄道模型と出会って、あまり変わらぬ趣味生活を送っていた可能性もあるだろうけど(笑)
  20周年だから何か特別なことをしよう、とちょっと考えたのだが、何も思い浮かばなかった。一番最初のキリのいい10周年で何もやらなかったのもあるしね。記念になるものを買おうと思っても、この世界都合よくそんなものが売られているとは限らない(新製品の多くは発売後しばらくして市場から綺麗さっぱりなくなっちゃうからね)。記念に何か組み立てようにも、現在都合悪くあまり気分が乗らない。だいたいそもそも○周年というのは好きじゃないんだな〜。というわけで、気が付けば20年経っていました、というそれだけの話。

*1 続くかどうかの心配なんて全くしてなかった。
*2 当たり前だが、始める時はキットの存在とか金属がどうかとか知らなかった。
*3 当時は欧州に鉄道があるかどうかさえ知らな……いわけはさすがになかったね。その辺りを思い出代わりにお話しよう。

  鉄道模型を始めた当時は当然子どもだったので、親に買ってもらうわけだ。「鉄道模型が欲しい」と告げたのは受験勉強の真っ最中の時期。親は「受験が終わったら買ってあげる」と約束してくれた。さて、ここで小さな問題点が。うちの親は(何故知っていたのかとても不思議だが)どうやら私にメルクリン(*4)のHOを買い与える予定だったらしい。日本のメーカーの日本の鉄道の模型を欲しがる私に「どうしてわざわざ近くを走ってる電車の模型を欲しいの?」と言ったのも覚えている。が、まあ、普通にトミックスのレールセットとトミックスの新幹線(100系だ)を買ってもらって遊び始めた。今欧州型にハマっているからこの時のことを思い出して、そして考える。あの時メルクリンを買ってもらっていたら今頃どうなっていただろう?と。外国の知らない町を走っている鉄道の模型だから、あんまり愛着が沸かずに途中でほったらかしにしていたかもしれない。それとも、この模型の実物を見てみたい!と海外旅行に精を出していたかもしれない(親の狙いはそっちだったのかも)。やっぱり日本の鉄道がいいや、って言って今と似たような状況になっていたかも(←さっきもそれに近いことを言ったな(笑))。そのままメルクリンを続けていたとしたら、多分大学の鉄研では孤立していただろうなあ。欧州鉄道模型界はどうやら車両を自作するという発想があまりないらしく、そのままメルクリン一本で続けていたとしたら今みたいに車両工作していた可能性は非常に低そうだ。
  あの時ああしていれば今頃きっとこうなっていただろうに!と悔やむのは来年の事を言うぐらい鬼に笑われそうだが、別に私はそのときの選択が間違っていたと思っているわけではない。純粋に空想して遊んでいるだけである。あの時拒否した選択肢に今惹かれてるなんてね。人生とは面白い。

*4 ドイツの老舗鉄道模型メーカー。趣味としての鉄道模型の創始メーカーかもしれない。近年倒産騒ぎもあったが、現在も3線・交流式HOをメインに鉄道模型を作っている。3線式というのも交流というのも日本ではあまり馴染みがなく……というか、世界でもメルクリンだけかも。車両は対応するものを作っている他のメーカーがあったような気はするが、線路や制御機器までトータルにというとメルクリンだけのような。


平成24年3月12日

  あまりにも気分が乗ってこないので作りかけの山陽5000系は一旦休止。半年ぐらい前から考えてた常設の線路配置の変更に着手した。私は線路を敷くとき、あまりにも凝りに凝ったプランを考えてしまうので、遊びに来た後輩が理解不能になるという非常に大きな問題があった。初代プランと現在の三代目が特に酷い。本線はごく単純な「小判型」のエンドレスなのだが、ヤード(留置線)がポイント(分岐線路)過多な上に複雑に入り乱れてどうやら仕組みが分かってもらえないらしい。ちなみに、しばらく触らないでいると自分でもちょっと混乱したりする。そりゃ年に何度も遊びに来ない後輩に理解しろというのは無理がある。
  先日、とあるきっかけで「線路配置は単純明快なのがいい」ことを痛感した。それ以来いかに単純なものにするか考えていた。が、一旦単純化したものを頭に思い浮かべても、「ちょっと待てよ、ここはひと手間加えてここをあーしてあそこをこーして」と再び複雑化、魑魅魍魎化させてしまう悪しき習慣が……。何でそんなことになるのかというと、理由が2つある。まず1つ目に、エンドレスが地上2線、高架2線の合計4線あることが原因。ヤードは一元化したほうがいいので、高架から引込み線を引っ張ってきて地上に接続しようとする。ここのあたりで多少無理がある(今度のプランでも残るんだけど)。次に、機関車が引っ張る形の列車はなるべく機関車先頭のまま走らせたい、という願望が強い。機関車が引っ張る形の列車というのは、貨物列車であったり客車列車(トワイライトエクスプレスに北斗星、カシオベアあたりが有名だ)のことである。ヤードへの入り口が一箇所にしかないと、出るときか入るときのどちらかで機関車が後の貨車ないし客車を押す形で走らなくてはいけない。模型の貨車や客車は軽いので、後から押される形で走ると脱線しやすい。もちろん徐行運転はするのだが、ポイント線路は機構が複雑なせいもあってか脱線しやすく気を遣う。電車形の模型であっても動力車は中央に1〜2両で、やはり後から押されることには変わりがないのだが、動力車に押される両数は貨物列車、客車列車に比べてかなり少ないのであまり問題がない。というわけで、機関車先導でヤードに出入りしたい。となればヤードへの出入り口を2箇所に設置する必要があり、これが複雑化を呼ぶ原因になる。途中で高架線からの引き込み線と合流したりもするので、もうポイントだらけで何が何やら。
  現在考えている最新プランは、機関車先導型を諦めることにした。私にしてみれば大きな進歩である(謎)。諦められるようになった要因の一つに欧州鉄道があるかもしれない。欧州の鉄道は(少し前に書いたが)、客車に運転席を備えたものがあり、運転席から最後尾の機関車をコントロールして走ることが日本に比べて非常に多い。ハマるきっかけになったIC2000もその1つだ。当然模型でも、客車を後から押す形になる。若干不安定だが、そうすることが欧州型模型の(日本人から見た)醍醐味の一つなので、ヤードへの出入りの際に後ろから押すのが不安定とか何とか言ってるのがバカらしくなってきた(笑) ちなみに、鉄道で最高速度を誇ることで有名なTGVの実車は、列車の両側に機関車を連結して走る形である(厳密には機関車じゃないのかもしれないが)。ところが模型は……少なくとも日本のカトーが作ってる模型では、動力は片側にしか装備されておらず、”反対向き”の際には後ろから押されて走る形になる。初代ICE(401形)でもまた然り。話は横道にそれるが、初代ICEは両側に機関車を用意していたが、ICE-2は片側は運転室を備えた客車になった(あ、実車の話ね)。ところが、客車先頭で走るときは最高速度をやや抑え目にする必要があるらしく、それだと上りと下りで所用時間が変わってしまう。そういうわけで、向かい合わせに2編成繋げて走らせたりしているらしい。当初は機関車を1台に減らせたと思ったら、結局のところはやっぱり2台必要だったということなんだろうか?(笑)
  うちの家の模型に話を戻す。そんなわけで、ヤードへの出入り口が1箇所減ったので、その分ポイントの数も減らせてすっきりした。次なる改良は、内外線の分離である。今までヤードは内外線で共用していたのだが、これがまた多少なりとも複雑化の原因になっていた。内線外線の本線から分かれた線路を一旦繋げて、そこからまたヤードへたくさん分かれさせる……。構造としてはそんなに複雑ではないのだが、内線、外線から分かれた線路を繋げるのに無理な配置をする必要はあった。スペースが無限にあったらゆったり繋げばいいのだが、限られたスペースになるべく長い列車を留置させたいので無理も出てくる。今回は内と外を分離させてそうした負担を消し去った。
  あれこれいじっていると、若干足りない線路が出てきて(う〜ん、単純化したから余るはずなのだが)まだ作業途中なのだが、今度こそ分かりやすく使いやすい配置になるはず。なお、「たまにしか遊びに来ない後輩よりも自分が楽しめるようにすればいいのではないのか?」と思われるかもしれないので補足しておく。さっきも書いたとおり、理想を追求して複雑化しすぎたせいで自分でも使いにくいのだ(ダメじゃん)。あと、鉄道模型は線路に電気を流して車両を走らせている。そのまま単純に電気が流れてしまうと、線路上に載せた列車が全部走ってしまっててんやわんやの状況になってしまう。なので、ポイント線路は分岐の向いている方向だけに電気を流す仕組みになっている。ポイントで分岐させて、開通している方向をコントロールすることでたくさんの列車を線路上に同時に乗せておけるのだ(世の中にはデジタル・コマンド・コントロールという代物もあるのだが……)。ところがその機構のせいか、ポイント線路は抵抗が大きいようである(しかも個体差が結構激しい)。電源部からある線路へとコードを繋ぎ電気を送っているわけだが、その線路から離れるに従い徐々に電圧は落ちる。線路自体に抵抗があるからだ。普通の線路であれば無視しても問題のないレベルの抵抗なのだが、ポイント線路は1つ越えるたびに通常の線路10本分ぐらい?電圧が落ちてしまう。今までの線路配置では、ヤードに入れるためには最低4つ、多いと7つか8つのポイントを跨がないといけなかったので、コントローラーでの電圧調整が面倒だった。一番調子の悪いところでは、目盛を最大のところにしてようやくゆっくりと走る程度にしかならなかった。運転しててもストレスが溜まるし、はっきり言って設計ミス。ポイントでの電圧降下が大きくなければ前のプランのまま残してたと思うんだけどなあー。
  まあ、そんなこんなで3回目ぐらいの改修作業。不足するものの中にはメーカー品では対応できないものがあるので、そこのあたりはまた自作ということになりそう。それが完了する頃に車両工作への意欲が復活してるといいなあ。


平成24年3月11日

  何故かいろいろとやる気が起きない……。


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