鉄コレVSキットメーカー 〜70系新潟色編〜

左鉄コレ、右タヴァサ+GREEN MAX

  先日、タヴァサのキットを組み立てた70系新潟色をお見せしたが、鉄道コレクションの70系新潟色も発売されたので買ってきて比較してみた。画像はクハ76型(先頭車)で、左が鉄コレ、右がタヴァサのキットを組み立てたもの。タヴァサの70系は前面をGMキットから持ってくる仕様なので、正確に記すならタヴァサとGMの連合軍と言ったところか。鉄コレの基本造形は定評があり、前頭部だけの比較なら両者互角。タイフォン(警笛)の形状が、新潟型はキット組み立て(タヴァサパーツ)の方が良く、原型部分は鉄コレの方がすっきりしていて好印象。ヘッドライトは、キット組み立ては塗装後に取り付けている関係上、隙間が出来てしまって見苦しいのだが……まあこれは製作者の技量がないということで。あと、キット組み立ての方にはワイパーがないのだが、これも製作者の好みというか何と言うか。デフロスタ(窓ガラスが曇らないようにする装置)が両者ないので、この辺は研究して取り付けるかな……(番号によってはなかったりするので、作ったナンバーの実車をチェックしないといけない)。

鉄コレの窓周り

  店頭で鉄コレ70系を見たとき、「こりゃダメだわ」と思った部分。がっかりさせられたような、キットを組み立てた甲斐があったとほっとしたというか。車体に窓ガラスをはめ込む構造なのだが、その窓ガラスに窓サッシを表現している。しかし、透明パーツに印刷しているために黄色の発色が良くなく、さらに車体との隙間が大きくて不恰好。ガラス面の位置という意味では、どうしても一段凹んでしまうキットよりも優れているのだが、これでは本末転倒と言わざるを得ない。鉄コレはいつもそうなのだが、このクリアパーツの平面性も悪い。一応、斜め上方から見れば窓ガラスと車体の隙間はあまり目立たないのだが、常にその方向から見るわけでもない。他にも塗装が良くなかったり、一部パーツに不満点があったりするのだが、そちらはやろうと思えば自分で手直しできる。しかし窓ガラスだけは……窓の枚数が多い旧型国電だけにちょっとやる気にはなれない。私が70系大好きで、70系があれば他には何もいらなくて、その上で鉄コレ70系の他の部分が大変気に入ったのであれば話は別だろうけど、今挙げた3つの条件をどれも満たしていない。

  まだ新潟色の二段窓の車両はマシな方で、中央西線か何かのスカ色はさらに上を行く悲惨さである。モハ71という車両が三段窓仕様になっているのだが、その三段窓のサッシの表現がもうめちゃくちゃ。何故か一番上の窓と二段目の窓の桟が異様に太く、どこをどうみても不自然極まりない。

参考までにキットの窓周り

  比較のために、キットの窓周りの拡大画像も示す。外板に内板(エッチング板)を張り合わせる構造で、どうしても段差が大きめになる。しかし、先ほどの画像のような窓と車体の不自然な隙間は発生していない。ここで実車写真があればいいのだが、残念ながら70系は私が生まれる前に全廃……ぎりぎりされてないかもしれないけれど、鉄道に興味を持ち出す前に全車この世から消えてしまっているので私に撮影するチャンスはなかった。他サイトから無断借用とかいう手段はないではないけれど(おいおい)。ま、結論から言うと、実車には段差が存在する。もちろんキットの窓周りをそのまま150倍したような大きな段差ではないんだけど。ただ、鉄コレの変なクリアパーツはめ込みに比べたらはるかにこっちの方が自然じゃないかと……まあ、苦労して組み立てたのでどうしても贔屓目に見てしまうのかもしれないけどね。

(2009.12.28)

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