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「ん…………んぅ……?」
頬に暖かな感触。
まどろみの中、その優しい感触に頬が緩む。
昔……こうなる前の日常で、何回か感じた事のある感触。
あれ、は……
思い出そうとする意識が覚醒へと向かう、同時に、昨日の事も。
満たされなさに急き立てられて、何度も何度も自慰を続け、やがて疲労と切なさに絡めとられて眠りに落ちてしまったのを。
ふ、と目が開く。
目の前に覗き込む顔。
楽しそうな、いたずらっぽい表情。
「……昨日は、ずっとしていたんだね、オナニー」
指摘に顔が赤く染まる。
今までならばこの後強がりを言っていたはず……でも、この感触に緩んでいたアタシの意識は、とうとう屈服してしまった。
そう、アタシはその手にそっと手を、甘えるように添えてこう言ってしまったの。
「はい……ごしゅじんさま」
と。
見上げるご主人様のかおには、達成感があると思ったの。
でも……へんなの。
ご主人様は、そんなアタシの言葉にどこか寂しげな、かなしそうな……何か、大切なものを喪ってしまった様な表情を浮かべていたの。
いぶかしむアタシの目に気づいたのか、ご主人様はふ、と微笑むと
「ようやく、言ってくれたね……アスカ」
そう答えてくれた。
その様子が気にはなった。
けど、アタシはこうして従属する事で選られるこれからの快楽に思いをはせてゾクゾクしていた。