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 ものも言わず、10代の暴走のように勢いよく走り出した君の背中に、警官の制止の声がかけられる。その声にはとまどいが多分に混じっていたが、その時が来れば躊躇はしないと言う覚悟があった。

「止まれ、止まらないと撃つぞ!」

 撃つ…と言う言葉がイヤに耳に響く。

(何をする気…まさか銃!?)

 一瞬、最悪の予想が脳裏をかすめ、君の足が走るのを一瞬やめた。そして肩越しに背後を振り返ると、ちょうど警官が君に向かって何か銀色の円筒を向けているのが目に入った。

 銃…ではない。それよりも安全で、ある意味もっと危険なものだ。
 軍事マニアでもあった君には、それがなんのかすぐにわかった。

 発射型電撃銃!

 平たく言えば、遠距離から対象を感電させることができるスタンガンだ。まともに食らえば、一瞬のうちに身動き一つ取れなくなる。そしてこの距離では、走って逃げるなど無理だ。逃げ切る前に命中させられる。そうでなくとも、警官に目を付けられてこの辺一帯を歩くことが難しくなる。
 目的と遂げるための方法は一つ、ここで警官の口を封じてしまうしかない。

「きょっきょっきょー!」
「変質者か!?」

 奇声を上げる君に向かって、電撃銃が発射された。
 鈍い音と共にワイヤーに結ばれた金属の牙(バイト)が飛来する。バイトは狙い過たずに、君の中心に…つまりは君が胸の前に構えた鞄に命中した。

「なんだって!? くそ、これだからアメリカ製は!」

 舌打ちしながらも、警官は持っていた警棒を抜いて応戦の構えを見せた。
 君は高鳴る鼓動に奇妙な興奮を覚えつつ警官に飛びかかった。




警官
技術点: 体力点:10

 しかし、ここで大きな問題がある。もし君が武器を持たないのなら、君はダメージを1点しか与えられないのだ。たとえ運試しに成功しても2点のダメージにしかならない。対する警官は2点のダメージを君に与えてくる。
 望遠カメラを使えば、君もダメージを2点与えることができるようになるが、カメラは壊れて失われてしまう。


 カメラを武器に使う、使わないはともかく勝ったら…こちらへ

 負けたらとっとと14へ行け。君に全くお似合いだ。






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