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 君は勝利した。

 熱く焼けたアスファルトの上に横たわったまま、警官は鼻や口から血を流し、小さく呻いている。意識は半分飛んでいるようだが、少なくとも命に別状はないようだ。
 さすがに殺人を犯すほど覚悟はしてなかった君はほっとする。

 しかし、このささやかな勝利に君は酔う暇はない。
 あからさまに公権力、つまりは国家に喧嘩を売ったのだ。
 君は今更ながら自分のしたことに後悔をした。

(まずいことをしてしまった…)

 目撃者にハッキリと顔を見られる前にここから逃げなくては。

(だが、その前に)

 せっかくの勝利だ。記念に、何か貰っていっても良いかも知れない。
 制服…せっかくだが体格が合わないし脱がせる暇はない。
 手錠…もう持っている。

 君は三つのものを選んだ。
 すなわち、

 警棒、拳銃、スタンガンだ。
 所持品蘭にどれか一つを書き込め。あるいはなにも持っていかない…それもまた君の自由だ。
 持っていくにしろ、そうでないにしろここにいるのはまずい。



 そそくさと君はその場から立ち去った。






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