005


 幸先の良い成功に気をよくしていた君は、鼻歌を歌いながら近づいてくる人影に気がつかない。

「!!」

 そうと気がついたとき、人影は君の真下に来ていた。
 君が丁度木から降りかけ、木の葉のカモフラージュから全身をさらけ出したときに。

「な、なんだ君は!?」

 驚きの声が君の背筋をすくませる!
 緑色の顔をして振り返る君の目に飛び込んできたのは一人の男だ。なんたる不運。
 間の悪いことに彼は今の君が最も警戒しなければならない職業、つまりは警察の人間なのだ。
 先ほど通り過ぎた警官が戻ってきたのだ。





 逃げられない!






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