ワールド工芸 銚子電鉄ハフ1、ハフ2完成

ワールド工芸の1/80スケール銚子電鉄ハフ1、ハフ2が完成した
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  先日お知らせしたとおり、ワールド工芸の銚子電鉄ハフ1、ハフ2が完成した。昨年の11月中か12月には完成していないといけないぐらいの時期に組み立て始めたのだが、所用や体調不良、ミスなどが重なって2ヵ月以上経ってしまった。ま、よくあることである。誰に迷惑を掛けているわけでもないし。「模型屋が『次のキットが売れない』と嘆くぞ?」というのなら見当違いも甚だしい。面白いキットやストックしておきたいキットが発売されたら、進捗状況に関係なく買うから売り上げに影響することはほとんどない。

側面全体写真
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  ご覧の通り小型の車両である。デキ3も小さな機関車なので、バランスの良い大きさだろうか。屋根上には何もなくシンプルな印象を受ける。屋根の中央部は車体側板内張と一体になっており、端部はホワイトメタルの鋳造品を取り付けるオーソドックスな構成。上手な人は取り付けも継ぎ目埋めもハンダで作業するのだろうけど、私は自信がなかったので、取り付けはエポキシ系接着剤と瞬間接着剤、継ぎ目埋めはパテを使った。
  一方で下回りは、Nゲージより大きいだけあって作り応えのある内容だった。一部良く分からないところがあったのだが、組み立てには支障がなかったので大丈夫だろう。それとは別の話でちょっとしたミスが。車輪がきちんと線路に追従するよう、3点支持になっている。Nではなかなかないと思うが、HOやOあたりの真鍮製品になるとよくある?構造である。「可動構造をしている側の車高が、可動構造の分少し高くなるのではないか?」と思って、組み立て時に部品の遊び分を利用して少し低くなるようにしたのだが、いらぬお節介だったようだ。メーカーもそこは考慮して部品の寸法を変えていたようで、私の“工夫”はむしろ仇となり、わずかだが傾きを作ってしまった。幸い塗装後にねじ止めする箇所なので、今からでも外してやり直しができる。次に時間とモチベーションができたら作業したい。

上の写真の中央部切り出し
不揃いな窓桟は音階のようにも見える???
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  私の知る限り2両しかない車輛で、同じものを作ればいいのに何故か2両で細かな差異がある。まず一つは側面窓の桟の高さ。ハフ1は戸袋とそれ以外の窓で揃っているのだが、ハフ2は戸袋以外の窓が少し高い位置にある。ドア窓の桟と揃っているようであるが、それならば戸袋窓も揃えた方が見栄えは良さそうなのに、戸袋はハフ1と同じ高さ。そういう統一感のなさは昭和初期らしいとも言える。
  標記インレタは、ワールド工芸製品にしてはやや貼り辛く、特に検査表記で苦労して少し歪んでしまった。側面車体ナンバーは説明書のイラストが間違っており、色を調べていた時に実車写真をよく見ていなければ失敗するところだった。換算標記の反対側のドア脇にも何かしらの標記があったようなのだが、インレタには入っていなかったために省略。実車写真を見ても細かすぎて良く分からなかったのだが、津川のN製品によると定員標記のようだ。

妻面
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  もう一点の違いがテールライト及びステップの取り付け位置。ご覧の通りハフ1の方が高い位置にある。模型での話になるが、ハフ2のテールライトは低い位置にあるため、車体の裏側に飛び出た取り付け足を削り取っておかないと床板が干渉してしまう。
   妻面の標記類は、“おでこ”部分に「1」「2」と数字が書かれているのみ。一見するとインレタには含まれていないのだが、電車用?の「201」が使える(「1」に関しては「301」とか「801」とかたくさんあるのだが、「2」は「201」のみで予備が全くない)。
  塗料は3色とも調色したものを使用。
・ベージュ:グリーンマックスの旧品名「西武ベージュ」+ガイアノーツ「EX-ホワイト」少量
・赤:GN「ブライトレッド」+同「EX-ホワイト」少量+同「EX-ブラック」少量
・ダークグレー:GM「ダークグレー」+Mr.カラー「ジャーマングレー」
ベージュは以前作った色が発掘できず再調整。Nのツートンデキとは微妙に違うチューニングに。赤は元からNに塗ったものとは変えるつもりで、明るい感じを目指しての調色。実物の色が分かる写真が見つからず、後で気付いたのだが同電鉄の電車の赤と同じ色なのだろうか。だとすればそれなりに近い色になったと思うのだが、トミーテックの鉄コレ銚子電鉄シリーズとはまた違う色である。屋根は、以前Nゲージの旧型客車に塗るために混ぜたものをそのまま使用。旧型国電の屋根に塗っているものとは配合比が違うが、暗色系なせいかほとんど見分けは付かない。

今日の画像の1枚目と最後のこの1枚は、前回のものと同じです
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   Nゲージのデキ3は4台組み立てて、後ろに牽かせるものとして澪つくし号と津川洋行のハフ1、ハフ2の赤色と青色がある。しかし大きい方はデキ3しかなくて、お供が欲しいな……と思っていたところにハフ1、ハフ2が発売された。ところが、初回生産時は入手に動くのが遅れて完売御礼。去年再生産されたので、ようやく手に入れることができた。次はやっぱり、このスケールでもユ101――澪つくし号が欲しいところ。Nでは出てるんだから、1/80で出せないことはないよね? 期待してるよワールド工芸さん。

(2017.01.16)

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