京都鉄道博物館クハ86001の謎

京都鉄道博物館にて、クハ86001の戸袋窓部分

  今年の4月末に開業した京都鉄道博物館に行ってきた。それまでも弁天町の交通科学博物館に展示されていたクハ86001であるが、私が旧国に興味を持ちだしてから対面するのは今回が初である。ちょっと感激しながら眺めていたのだが……ん? このクハ86、戸袋窓がおかしくないか? 左の正方形に近い窓が戸袋窓で、右の横長の長方形の窓は開閉する普通の客室窓である。客室窓の窓ガラスは、外板から一段奥まった状態の木枠にセットされている。一方で戸袋窓のガラスは、外板にダイレクトに設置されているのが分かっていただけるだろうか。私が知っている限りでは、戸袋窓も右側の窓同様に一段凹んだところにあるはずなのだが……。

私が以前作った模型の80系の戸袋窓部分

  こちらは、私が以前作った80系の関西急電色。色が違うのと、クハ86001が一次型であるのに対して模型は二次型を再現したものなので そもそもの相違点はあるが、戸袋窓の形状に関しては参考にはなるはず。80系登場時の実車写真を見ていても、こちらの模型のように戸袋窓は一段凹んでいる。
  考えられる可能性は2つ。
(1) JR西日本が復元に際し間違えたor何らかの事情でこの形状になった
(2) 実はトップナンバーのクハ86とモハ80の戸袋窓だけこんな形だった
根拠はないけど、「(1)」なんじゃないかと疑っている。
  家に帰ってから80系特集号の鉄道ファンを読み返したのだが、交通科学博物館時代から戸袋窓の形状はこんなんだったようだ。誰も気付いていないのか? それとも誰かに指摘されて話は終わっているのか? 後者だとしたらどこかでその話を目にしてそうなのだが、ネットを 検索してみても一切その話は出てこない。模型メーカーがやらかしたらちょっとした騒ぎになるところなんだけど、鉄道会社が実車にこんなことして話題にならないってことは……。

(2016.06.29)

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