“6”連で完成、東急旧5000系
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グリーンマックスの東急旧5000系キットを完成させた。編成内容は
Mc−T−M−Mc+Mc−T
だが、原型時にこの6両で走ったことがあるのかどうかは自信がない。侃侃諤諤本編で触れたが、登場時3連、4連化後、5連化後の3バリエーションで楽しむことを念頭にこの6両を制作した。まあ、作っちゃったのでこの6両編成で走らせる機会が多くなると思う。
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5001、5051、5151
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トップナンバー5001と、増結2連の2両。中間T車である5050形は、5連化時に製造された5000形が5051番以下の付番となったため5350形に改番されたという経緯がある。よって、この増結2連を作った時点で中間T車は5051番ではなく5351番となり、厳密には先に書いた「登場時3連」は実現しないのだが……細かいことなので気にせず楽しむことにする。
先頭車同士の連結にはカトーカプラー密連型を採用。「なぜ密連なんだ……」と問われると、手元にあったグレーの連結器はアーノルドとそれしかなかったため。TNカプラーが使えれば一番良かったのだが、ボディマウントタイプは次の項で述べる理由で搭載が難しかった。グレーの自連型(旧客用のあれのグレー版)があれば使えたのだが……。
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5002、5351、5101
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5002に動力ユニットを組み込んだ。この車両は車体裾が大きく絞られており、説明書には動力を入れる場合は1ミリほど削るよう指示がある。しかし、鉄道コレクション用動力ユニットのTM-19、TM-20は小型車両用で幅が狭く、車体への大掛かりな加工を必要とせず組み込めるため、そちらを採用。但し、動力側には加工他が必要で、台車を旧型国電用のTM-13(TM-13RでなくTM-13)(**)と交換し、フレームとシャフトを延長して台車間隔を合わせてある。侃侃諤諤本編で問題にしていた牽引力だが、結局両台車とも駆動させることで問題なく坂も登るようになった。
中間部の連結はアーノルドカプラーを使用。ここもカトーカプラーに交換しようと考えていたのだが、連結面間隔が狭くなりすぎることが判明。ボディマウントタイプのTNカプラーも、裾の絞りのせいで一筋縄では行かなかったために断念。また、連結面の幌枠は削り取ってトミックスの幅広タイプの幌枠を取り付けてみた。
** 当初「TM-07」及び「TM-07R」と記しておりましたが、実際に使用したのは「TM-13」だったので訂正しました。ま、TM-07とTM-13の台車は同じものなんだけどね。(2015.12.18)
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連結面、アーノルドのままで充分狭い
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中間車改造をした部分同士を突き合わせてみた。改造パーツの関係でビードがわずかに短くなるのだが、細かいことなので気にしないようにしよう。またビードやらくつずりのせいで継ぎ目の満足な修正もできないのだが、何とか誤魔化しつつ許容範囲内に収まった……かな? こういうところは自分に甘く生きようと思う橘雪翼であった。
台車のグレーはガイアノーツのマルチプライマーを塗布した上でねずみ1号を塗装。それでもやはり剥がれるときは剥がれるのだが、見苦しくなったら再塗装すればいいと思っている。なお、カプラーポケット周りは特に剥がれやすそうなのと、カプラーアームから先は「本来実車には存在しない部分」ということでブラックアウトの意味を込めてマスキングして黒のまま残してある(カプラーは他で不要となったグレーの部品)。
なお、右の5351の切り継いだ部分の窓、最後に記す「側面窓サッシなんちゃって原型化」加工を忘れている。最下段のサッシの太さが左の車両と少々異なるのがお分かりいただけるだろうか?
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床下機器は並べ替え
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今気付いたけど、下の写真脱線してる……撮り直しが面倒なので気にしないでください(切実)。
キットのままだと台車位置がおかしいので、床板を加工して適正位置に持ってきている。そうすると今度はボディ先頭部裏側とカプラーポケットが干渉するので、連結が必要な5002と5051は干渉する部分を削っている。床下機器は17メートル級旧型国電用のものが付属しているのだが、5000系とは似ても似つかないので、手持ちの余りパーツの範囲内でそれっぽく再現してみた。
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先頭車先頭部
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増備途中から窓の各所にHゴムが使用されるようになった。それ以前とHゴム車とでそれなりに印象が異なるのも面白いところ。
この写真だとあまり気にならないが、窓が大きいので中がスカスカなのが角度によってはちょっと目立つ。後で気が向いたらそれっぽく運転室仕切りでも入れてみようかな。
ヘッドライト、テールライトは開口してそれぞれタヴァサ、銀河モデルのパーツを嵌めこんだ。前者は「PN042 100WレンズB」、後者は「N-065 テールライトレンズ」である。以前別の車両で同じことをやろうとしたら、ライトケースを割ってしまい、ライトケースごと交換したことがある。今回もそれを覚悟したのだが、4両とも失敗することなく加工できた。ちょっとだけ上達を実感できた瞬間である。コツはとにかく丁寧に、時間をかけること。
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5001、5151先頭部
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先頭部の窓ガラスは当初、手を抜いて裏から貼るだけにしようと思っていた。が、実際貼ってみると一番手を抜いちゃいけないところであることを痛感。急遽予定を変更して窓セルを削り出した。断面がやや目立つので本当は何か処理すべきなんだろうけど、どう処理すればいいのかな。山陽の5000系の時は黒で塗ったら見違えるほどよくなったけど、その後別の車両でやったら黒が悪目立ちしてダメだった。断面を“消す”のは車体色が正解なのか???
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ダミーカプラーは103系キットの余り
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キット付属のダミーカプラーはダサかったので、あれこれ探した結果、103系キットの余り部品を使ってみた。おそらくスペースが余ったから金型を掘っておいたのだと思うが、いい仕事である。その他の、胴受けやカプラーを取り付けるところの部品(???)、乗務員ステップはキットのものをそのまま使っている。胴受けは当初、真鍮線を通して固定強度を稼ごうと思ったのだが、車体側の該当部分に穴を開けると丸見えになるので中止。仕方がないので塗装後にゴム系接着剤で取り付けた。いつか外れそうでちょっと不安。
行先表示板を取り付けて完成とする予定だったのだが、うっかり忘れて記念写真を撮ってしまった。また明日作業するとしよう。
これが一番重要なんじゃないか?と思うが、何故か最後になってしまった。“原型化”に際しての加工点をまとめておく。
・前面窓Hゴムを削る(5001、5002)
・側面ドア窓拡大
・側面ドア窓Hゴム表現(5051、5151、5101)
・側面及び妻面の窓サッシの出っ張りを削る
・側面窓サッシなんちゃって原型化(一番下の辺を細く削る)
・雨樋復元
・アンテナ線を削る(多分当初はなかった)
雨樋復元は切れ目のところにパテを盛って整形したが、一部剥がれ落ちてしまったほか、元々の雨樋の太さがまちまちなところがあって全体としてはイマイチな仕上がりに。先頭部及び妻面側を残して全部削り、付け直した方が結局は楽で綺麗に仕上がったかも。
この他、パンタグラフ脇(車体端側)にランボードを追加。それに伴い、謎の丸いモールドは削り取ってある。パンタ台も追加しているが、パンタグラフ側の台座は残してある。本来なら切り取るべきなのだろうが、どこで切るかの判断に迷って結局そのままになった。
原型化メニューが意外に多くて時間が掛かってしまった。反省……するところではないな特に。簡単に済ませればいいものを、資料を手にしたが故に省けなくなってしまった。作っている最中はちょっと嫌になったりもするのだが、こうして完成すると達成感はある。いい気分で年が越せそうだ。
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行先方向板を取り付けてみた
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昨日の段階で忘れていた行先方向板を取り付けてみた(なお、うっかり忘れていたワイパーは引き続き忘れたままになっている)。付属シールを一旦0.1mm厚のプラ板に貼り、切り出したもの。別にシールでなくてもいいような……。同様に急行表示もなのだが、RM LIBRARYの写真と見比べると文字と白抜きの部分がが一回り以上小さいような。GMのシールみたいな時代もあったのだろうか。行先方向板も3種類あるうちの2種類が左のような色調で、淡くて模型はともかく実用するには少々見辛いような気がする。この辺りは拘るなら最終的には自作に頼ることになりそうだ。デザインも特に難しくはなさそうなので、本気出せば一瞬で出来そう。その「本気出す」のが難しいのだが。
ところで、左の車両は「5002」。昨日お見せした時には中間に入る先頭車ということで密連形カトーカプラーを装着していたが、今日はダミーカプラー。これはというと……
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3連走行時用のダミーカプラー
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登場時をイメージした3連で運転する時に、そのまま密連形カトーカプラー剥き出しで走らせるのはカッコ悪い。そこで鉄コレ動力のカプラーポケットの着脱の容易さを利用して、3連運転時はカプラーをポケットごと外し、別に用意したダミーカプラーと胴受けを取り付けることにした。但し、そのダミーカプラー及び胴受けの固定方法はゴム系接着剤に頼る、ちょっとスマートさに欠ける力技だ。特に胴受けは細く折れやすいので、しっかり付けると外す時に壊れそうで怖い。逆に外れやすくすると走行中などに紛失しそうで怖い。「真鍮線で固定強度を」云々言っていた案はこちらで使うために考えたものだが、実現できなかったものは仕方がない。あ、真鍮線で固定強度を稼いでも、外す時に破損しやすいことには変わりがないのか(今気付いた)。
ま、せっかく6両作ったんだから仲良く6両繋いで遊べって話だな。
最後に、参考資料一覧(Webサイト以外)。
[1] RM LIBRARY 98 東京急行電鉄5000形
[2] とれいん 1996年10月号(No.262)
[3] とれいん 2008年10月号(No.406)
[1]のみ今回のために買ったもので、A店で売り切れていたので半ば諦めていたところB店に奇跡的?に売れ残っていた。今回作った原形時代専門の書籍と言っていいだろう。[2][3]は毎月買っているわけではない『とれいん』の中から、たまたま今回に役立ちそうな資料があったために活用。手持ちの雑誌で他にも5000系が載っている号はきっとあるんだろうけど、とりあえず目に留まったのはこの2つだけ。[2]は1996年と実に20年近く前の号である。当時まだ高校生……何が読みたくて買ったのか覚えていないが、置いておくと役に立つこともあるものだ。[3]はたった1ページ、床下機器が綺麗に写っている写真があったので活用させてもらった。5000系そのものではなく派生形式の5200系だが、おそらく床下機器は同じと思われる。
(2015.12.18)
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