GMのエボリューションシリーズの103系キット、とりあえず完成だ!
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先週ぐらいに暫定完成していたグリーンマックスのエボリューションシリーズの103系キット、気になるところを何箇所か弄っているのだが、とりあえずの完成としてお披露目しよう。
まずは全体の概要。東海道山陽本線の各駅停車を再現すべく、両端クハ、モハユニット2組、サハ1両の7両編成を作製。ボディ周りはほぼ素組み。下回りは動力がトミックス製品(HG103系用、モハ102のうちの1台に搭載)、他は純正品で、カプラーは動力がTN前提なのでそれに合わせてクハ運転台側を除きTNカプラーを装着している。ステッカーもインレタも純正品を使った。車体色は、以前書いたようにGMの青22号をベースに、クレオスのスカイブルーを混ぜて明るめに調整。屋根はGMダークグレー、屋上機器はパンタを除きねずみ1号、パンタグラフはこれまた以前書いたガイアノーツのステンレスシルバーに白を混ぜたもの。下回りは、床板は手抜きしてそのまま、床下機器はセミグロスブラックを塗ってプラの質感を隠してみた。貫通扉は特に塗り分けていない。
その他説明書にない加工としては、床板が前後にガタ付くため(特にTNを装着すると連結時に気になる)スペーサーを挟んである。ライトスイッチの付かないほうが0.5ミリほど短いような気がして、まずそちらに厚さ0.5mmのプラ板を貼り、さらに両側にt0.2mmのプラ板を貼ってみた。かなりキツいので、次作るときはt0.14mmなども検討してみたい。貫通幌を取り付けたかったのだが、トミックス製品に比べると幌座がやや厚く、薄いトミックスの幌パーツを使っても連結に支障が出ることが分かった。仕方がないので、片側(偶数向き)のみに取り付けてお茶を濁している。余談だが、キットの設計としては幌の取り付けを考えていないようで、その代わりディティールはしっかりしている。
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クハ103
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103系の中でも、このスタイルが最も好きだ。実車は比較的早期にシールドビームに取り替えられてしまったが、大きな原型一灯の白熱灯の魅力は何物にも替え難い。余談だが、113系も大目玉と呼ばれる初期車の原型タイプが好きだ。ワイパーはガラスにモールドされておらず、設計者側も「サードパーティーの製品を使ってください」みたいなことを言っていた。タヴァサの自分でクネクネ曲げるやつを取り付けたら最高なんだろうけど、あれ上手く作れないので銀河モデルのレリーフタイプで妥協。
ところで、「なぜスカート付けっぱなしなの?」と既に読者の皆さんは心の中で突っ込んでおられると思う。実車ではJR西日本になってから取り付けられたもので、これを付けるのであればJRマークは必須。そして、JR化の時点でヘッドライトが原型のままの車両は絶滅寸前だったはず……。模型では、GM製品が下回りをJR西日本タイプの103系からそのまま使っているせいで、スカート付きの部品がセットされている。ここんところは私の完全なる好みというか趣味で、見慣れてしまったせいもあるかもしれないが、JR西日本が103系に取り付けたスカートが似合っていると思っている。付いてなきゃわざわざ取り付けなかったと思うのだが、付いていたものをわざわざ切り落とすのも何だか勿体無くてそのままにしてある。
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側面もいい感じの仕上がり
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最近気にするようになったのだが、大手のプラスチック完成品の弱点というか、設計者が分かってないかもしれないというか、先日のRMM見てたらひょっとしたら鉄道ファンの大多数が分かってないのかも……ともかく、Hゴムの表現が全くいけてない。Hゴムは外板からほんの少し飛び出ていないといけないのだが、はめ込み窓ガラスの精度の問題か、プラ完成品のほとんどで外板より引っ込んでいる。大体、どうして窓ガラス側にHゴムを表現するのか理解に苦しむ。車体に表現すればきちんと一段盛り上がっているのが表現できるのに……(キットを作ることを考えると、色差しが面倒で初心者には難しい作業になるのだが)。車体に表現すると、Hゴムとガラスの間に隙間が空くことになるのだが、ガラスに表現すると車体とHゴムに隙間ができてしまう。前者より後者の方がダサいと思っている……のは私だけだろうか。
で、エボ103系はここのところも頑張っている。完璧、とまでは行かないが、大手完成品メーカーのそれと比べると随分実感的な仕上がりになっている。余談だが、トミックスのハイグレード103系はやはり一段奥まっていて、さらに言うとなんだか太く、とどめにツヤツヤしていてとにかくカッコ悪い。まあ、トミックスの103系はウグイス色に塗り替える予定で、その時Hゴムに色差ししてツヤだけは消しておこうと思っている。
前面や側面の方向幕は、上からガラスパーツ(あ、当然透明樹脂ですよ)をはめ込む構造。行き先表示のシールの上から透明パーツが来るので、実車の「ガラスの奥に幕がある」状態が再現できる。但し、模型でこれをやると方向幕が奥にありすぎて……リアルなんだか変なのか評価に困るところ。嫌いじゃないんだけどね。
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床下機器をいじってみた:床下見て欲しいので敢えて露出オーバー気味で撮影しました
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さて、今回作業した中の「説明書にない」部分で一番大きいのはここだと思っている。ずっと前から何とかしたいと思いつつ面倒だから後回しにしていたのだけれど、一番好きなスタイルの103系を作っていて上がったテンションが大きな原動力になってくれた。
上の画像は今回のエボ103系を加工したもので、下は同じGMの塗装済みキットの岡山色の103系で無加工。形式は共にクハ103。何だか良く分からないけど何だかちょっと違う、と感じてもらえると嬉しい。塗装済みキットが発売された時に、GMは頑張って床下機器を設計し直してくれた。ただ、GMキットの悪しき伝統?に引っ張られてちょっと残念な部分も。それでも、今回作業していて感じたのは「必要な部品は揃っている」――後は組み立てる人がどれだけの情熱を注げるか、だ。
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裏返してみる
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上記の2両を裏返してみたところ。上下反対になってしまったが、上が無加工の岡山色、下が加工したエボ103系。GMの悪しき伝統とは、床下機器を2本のパーツにまとめ、床板の両側に1本ずつ貼り付けるという構造。実車は床面全体を使って機器類を配置しているので、どうしても無理が出てきてしまうのだ。とはいえ、違うのは分かっていてもどう違うのか、実車はどうなのか、知識にも資料にも乏しくなかなか手が出せないでいた。が、最近発売された『103系物語』という本に、日根野の103系の床下機器の詳細な写真が載っていた。加えてトミックスから発売されたHGシリーズの103系も参考になった。GMキットのパーツと見比べると、思ったより簡単に実車に近付けられそうなことが分かった。
一番のポイントは「応荷重装置」(って昔後輩が呼んでた)。乗客が乗ってないときと満員の時とでブレーキの利きが変わると運転しにくいので、一定に保つための機械らしい。実車は比較的中央部に設置されているようだが、GMのパーツでは分割された上で左右に配置されている。まずはこれを合体させる。床板中央部をくり貫き(板厚があるので意外に面倒)、裏打ちしてから高さを調整するためのプラ板を挟み、そこに左右の部品からベースごと切り取ってきた応荷重装置を取り付け。同様に、エアータンク?も応荷重装置のすぐ後ろにあるようなので移動。残りの機器は車体両側に配置されているようなので、一部は前後に移動させる必要はあるものの小加工で問題なく取り付け可能。ATS-Pの入った箱のみ、この時代の車両にはないので切り取っておく(以前後輩に「この部品は銀色ですよ!」って教えてもらったパーツだ。今回は塗らなくていいから助かった(笑))。
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こちらはサハの床下機器
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GMキットでは、サハにもクハと同じ部品を取り付けるのだが……実車は全然別物。というわけで、この加工はクハよりも重要かもしれない。なお、画像の上は大阪環状線のサハ103(岡山色にサハはないので)、下が今回加工したものである。
やはり応荷重装置の移設が一番のポイントで、細長いエアータンクっぽい物体がクハとは違って車体中央寄りに取り付けられているようだ(ひょっとしたらJR西日本になってから変わったのかもしれないが:トミックスHGのサハ103は未入手)。クハのときは、片側(画像の上側)の機器の位置を前後に大幅にずらしたのだが、サハの場合はほとんどそのままでいいみたい。逆に下側は、ATSの箱が2つとも不要となり(簡単に済ませるなら、この2つを切除するだけでもいいかも)、替わって違うものが付く(本によると低圧継電器箱)。床下機器のランナーには謎の部品が付いているのだが、その中にサイズ・形が似てなくもないものがあったのでそれで代用してみた。
私が行った加工は以上。モハ103やモハ102についてもチェックしてみたのだが、クハサハに比べると詰まっている分そのままでもそんなに違和感はない。特にモハ103は、やり出すとかなり徹底した作業になりそう。モハ102は一箇所気になる部分があるが、部品を調達するか自作する必要があるので、また追々考えていきたい。
大手の完成品に比べるとライトが付かないとかいろいろあるが、現状私にとって最高の103系の模型である。バリエーションで新製冷房車(ついでに高運転台車)も発売してくれると、組める編成の幅も広がって楽しみが増す。とりあえず私の次の計画は、クモハ入りのフリーランス編成を作ろうか、それとも素直に実車通りの阪和線編成にするか迷っているところ。大阪環状線も有力候補。今回の製品で組める関西のウグイス・黄色の編成は存在しなかったようだが、堅苦しく考えずに4色揃えてしまうのも楽しそうだ。
(2013.08.30)
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