RENFE Talgo
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先日また外国型の鉄道模型を買ってしまった。最近”模”えているスイスの鉄道ではなく、スペインの国鉄(のようなもの)、RENFEのTalgo(タルゴ)という客車。なかなか特徴的な車両で、存在自体は鉄道趣味を始めてすぐの頃、新聞のコラムのような欄で読んで知った。以来模型が欲しいとずっと思っていたのだが、Nゲージで製品があったかどうかは不明。当時はインターネットもなく、時間が経つにつれて記憶の彼方へと追いやられていった。最近に外国の鉄道に興味を持ったわけだが、そのときにタルゴの存在を思い出し、模型がないかどうかも調べ、その後紆余曲折?あって現在に至る。 この製品はアーノルド製。Nゲージやってる人ならご存知、「アーノルドカプラー」を作ったアーノルド社である(一説によるとアーノル”ト”と濁らないのが正しいらしいが、日本人だから英語読みで濁点を付けておく)。詳しいことは良く分からないのだが、元々エレクトロンとかいう会社の製品で、欧州鉄道模型メーカー再編の際にアーノルドと合併してうんたらかんたら?(本当によく知らない)で、Nゲージはアーノルドの管轄になって、それで元々エレクトロン製品だったタルゴがアーノルドブランドで発売された???(本気で良く分からない) 模型は6両基本セットと2両増結セットが2種類?出ている模様。実車は……動画を見ていると、短いと8〜9両ぐらいから、長いと20両以上(!)繋いで走っている。模型は、もちろん理想は20両程度なのだが、予算と在庫量などの妥協点を探り今のところ12両(左の)と10両(右の)になっている。在庫のある店を探してちょくちょく買い足して行けたらなー、と思っている。
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特徴その1
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最初に「特徴的な」と書いたが、まず外観上一番分かりやすいところから。車体長が短い。どれぐらい短いかと言うと……日本型車両の代表として、103系のクハ103と比べてみよう。見ての通り、半分よりちょっと長いぐらいの短さ。もちろん日本型は1/150なので、1/160されているタルゴの模型と直接比較しても正しい考証にはならないが。先ほど「出来れば20両ぐらいつなぎたいなあ」と言ったのはこれが原因でもある。1両あたりが短いので、その分長く繋いでみたいのだ。
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欧州型と比較すると
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もう1両、今度は欧州型の標準的なサイズではないかと思われるスイス連邦鉄道の車両と長さを比較してみる。今度は縮尺が同じだ。欧州の客車は車体長が26.4メートル程のものが多いらしく、日本の20もしくは21メートル級車両を見慣れていると長く感じる。ところがタルゴはその半分以下となる。
タルゴにも世代があって、4世代目のものからは振り子式になっているらしい。日本では国鉄時代、「しなの」や「くろしお」で採用された振り子式車両だが、それらはいずれも電車。JR化後にディーゼルカーの振り子式車両が生まれたが、客車の振り子式車両はまだこのタルゴシリーズだけではないだろうか。振り子式車両はカーブの通過速度を上げるために生まれたシステムだが、客車の場合機関車に引っ張られてようやく走行することができる。機関車で振り子式というのは聞いたことがないのだが、そうすると客車だけ振り子式にする意味はあるの?というのが今の私の疑問。周囲に詳しい人もいないし、そこんところを解説したサイトにも出くわしていない(少なくとも日本語のページでは)。誰か知ってたら教えてちょ(もしくは書いてあるスペイン語かドイツ語か英語のページを探し出して、日本語訳してください(笑))。
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分かりにくいが、背が低い
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右はカトー製品のスペイン型機関車。日本のEF65という機関車に似ていることでほんのちょっぴり有名で、それもそのはず実車は日本製らしい(三菱電機だとか)。この機関車の車高は標準的であるはずだが、左に繋いであるタルゴは(連結面が開いているので分かりにくいが)随分背が低い。振り子型車両は、例えば国鉄時代に作られた381系も幾分か車高が低めに作られている。カーブで車体を傾ける時に、車高が低いほうが有利であるからだ。とはいえ、381系はこんなに極端には低くない。こんなに段差ができるのはタルゴならではである。
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上の画像をアップで
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少しでも分かりやすいかと、上の画像をアップにしてみた。動画で実車を見ていると、もっと大きな差があるように見えるのだが……それは実車の連結面間隔が狭いからそう見えるだけだろうか? タルゴの特徴はそれだけではなく、複数の軌道間隔(線路幅)に対応していることが挙げられる。スペイン国鉄は、ヨーロッパの他の国々と違って標準軌よりも広い線路幅を採用している。そのままでは他国の鉄道へは乗り入れが出来ず不便なので、タルゴに軌間を変えるシステムが搭載されたのだ。また、スペインの高速新線はそれより狭い標準軌で造られたらしく(日本とは逆の関係ですな)、在来線と新線の乗り入れにも活躍しているとか。日本でも九州新幹線・長崎ルートは一部で在来線をまたぐため、車輪の幅を変えるフリーゲージトレイン方式が採用される予定になっている。
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他にも特徴はある
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まだ2点、外観上の特徴が残っている。まず連接車体であること。今ある鉄道車両のほとんどは、1両につき2つの台車を備えている。それに対して連結部に1つの台車を置くのが連接車。1つの車両を2つの台車で支えることには変わりがないのだが、1つの台車を2両で共用するところが違う。日本では小田急ロマンスカーや江ノ電で採用されている。欧州ではフランスのTGVも中間車がこのタイプである。最後の特徴。タルゴでは、その連接部分が一軸の車輪になっている。大抵の台車には車輪が二軸あり、これは通常の車両でも連接車でも変わりがない。ところがタルゴは台車と言うか、一軸車輪(厳密には軸が通ってないとか。模型では通っているが)。見た目も違うが通貨音も違う。普通の列車は「ガタン、ゴトンガタン」と走るところを、タルゴは「タン、タン、タン」と独特のリズムを叩く。(動画で見た)実車もそうだが、模型でも線路の継ぎ目が大きめのところではタルゴならではの通貨音が楽しめる。
実は白地にラインの入った編成は去年の末頃に買った。IC2000が手に入らないと騒いでいた時期だ。今回買ったメインは紺色の編成と、白の2両増結。増結が2種類あると先ほど書いたが、1つは1等車と2等車のセットで、もうひとつがレストランとカフェテリアのセットだ。去年買った店には後者がなかったのだが、今回見つけたのでついでに購入したというわけである。画像の上がカフェテリアで、下がレストラン車。窓の数が違うのとドアがないのが1等車、2等車との違い。まあ走らせてしまえばそんなに目立たないけどね。レストラン・カフェテリアのセットは品番が離れている上に、説明書にも何も書いてなかったのでやや不安だったのだが、繋いでみたところ特におかしいところは見当たらないのでこれでいいのだろう。そして、紺色にも同じラインナップがあるはずなのだが(こちらは説明書に記述がある)、こちらのレストラン・カフェテリアのセットは売っていなかったので、また次の機会に手に入れることにする。
白の編成はカトーの機関車に牽かせるからいいとして……紺色の方は機関車がなかったりする。一応アーノルドからは専用機が模型化されているのだが、やはりその店では在庫切れにつき未入手。もっとも、専用機以外が牽引している動画もあったし、”模型だから”好きな機関車を付けて楽しむのもいいだろう。
(2012.08.27)
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