レールクラフト阿波座「山陽5000系」キット仮完成

レールクラフト阿波座オリジナルキット「山陽5000系」が仮完成した

  着手したのははるか昔の2月(だったはず)。要らぬところに拘って、配管しているうちに自縄自縛に陥って、テンションが下がって回復を待つもなかなか復活せず、仕方がないので半ば無理矢理作業を進め、ようやく今日仮完成に至ったレールクラフト阿波座(以下RC阿波座と略記)オリジナルキット「山陽5000系直通特急」をご覧に入れる。
  まず実車について……はいつもの通り、皆さんの方が詳しいか、あるいは適当に検索していただいたほうが良く分かると思うので、ここでは私が何故これを作ったかについて簡単に。山陽電鉄は阪神電車と相互乗り入れをしており、この山陽5000系は地元尼崎でも見ることのできる車両なのだ。

見所(?)その1

  実車はアルミ?なのか、銀色の車体にしては白っぽい色をしている。反面、客用ドアはギラギラのステンレス丸出しで、これが山陽5000系の一つの特徴だと思っている。模型でもそれを再現すべく、ドア部分にはガイアノーツ製「ダークステンレスシルバー」を、車体には同「ステンレスシルバー」に白を混ぜたものを塗った。色味の違いには満足しているのだが、どうやらメタリックカラーに他の色を混ぜると粒子が荒れるらしい。「ダークステンレスシルバー」共々、ざらついた感じになってしまって残念だった。ここのあたりは模型の表現の限界点ではないかと思って諦めることにした。
  帯色はキット指定のモリタ製朱色3号なのだが……以前この色を使ったとき、イメージより明るすぎたのでビンに赤色を混ぜたような記憶が……。はっきり覚えていないのだが、とりあえずビンの塗料を試し吹きしてみたところ、いい感じだったのでそのまま使っている。

見所(?)その2

  苦労した配管。キットの説明書の完成サンプルにはカギ外し線が再現されておらず、私はそれをやろうとしたのだが……あまりにも細かく、面倒で、しかもテンションが下がっていたので結局説明書のと同じく省略した。
  屋根が金属だと、配管時に穴を開けるのが大変だった。ドリルで直接穴を開けようとすると滑りやすいので、針で軽くポンチマークを付けておくのだが(プラでもこの作業は行う)、この時ぐっと力を入れるとわずかだが屋根が歪んでしまう。管である程度隠れるとは言え、配管押さえのある周囲に出来てしまった凹凸は隠しようがなく悪目立ち……していたのは塗装する前の話。色を塗ってみると画像の通りほぼ分からなくなってくれた。結果オーライだが良かったということにしておく。

前面

  そして前面。人間の手作業では前面ガラスがイマイチな仕上がりにしかならない。こうやって拡大して撮影すると尚更目立つのだが、これは諦めるしかない。そのうち上手になるかもしれないし、これ以上上達しないかもしれない。そして今ふと思ったのだが、説明書のどこかに「ガラスの断面は黒く塗っておくと目立たなくなります」って書いてあったような気がする。後で外してやってみよう。
  車体と前面を接合する時に、屋根を盛大に歪めてしまった。光硬化パテで埋めてヤスリで均したのだが、塗装前は「まあ綺麗にはならないだろうな」と期待していなかった。ところが意外に跡が残らなくてここも大成功。光硬化パテは硬化後の”ヒケ”がないのでそれが幸いしたのかも?



  さて……冒頭にも書いたけれど、これは「仮」完成状態なのです。「どこが?」と思われた方も多いでしょう。それをこれからご説明します。

説明書です

  こちら、キットの説明書。写真は実車で、たぶんRC阿波座のお客さん提供によるものと思われる(うっかり画面外になっちゃったけど、右下の方にそれらしきことが書いてあった)。RC阿波座の店長さんが”それ”を頼んだのか、そのお客さんの”趣味”なのか、それとも”ただの偶然”なのか分からないのだが、私は勝手に店長さんの”狙い”だと思っている。

  かつて侃侃諤諤本編か、もしくは前身の徒然なるままにの時代だったかもしれないが、ネオジオポケットカラーというゲーム機の話をしたことがある。SNKというゲーム会社が作った携帯ゲーム機なのだが、皆さん名前を聞かないその通りで、大して流行りもせず消えて行った。そのネオジオポケットカラーには「阪神タイガースバージョン」というものがある。SNKの社員曰く「勢いで作った」そうで(確か野村監督就任時に発売されたような?)、私はそういうノリが大好きなので「勢いで買って」みた。
  何年か前に、RC阿波座オリジナルキットの「近鉄ビスタカーEX」のコンバージョンキットを2つ組み立てた。元々1つだけのつもりだったのだが、RC阿波座のサイトに2編成繋げて走ってる写真ばかりが掲載されていた。これを見た私は勝手に、「2つ作って2編成繋いで遊んでください」というメッセージとして受け止めたのである。そういうメッセージを受けたからといってそれに従うことはないのだが、キットが実車の細かなバリエーションに対応していたことや、2編成併結には”模”える性質なので実行に移した。
  今回も行動原理は一緒である。説明書に採用された写真が”そう”なのであれば、私は”それ”を模型で再現しなくてはならない。

”それ”とは”これ”である

  ”それ”とか”そう”とかボカして書いてると「お前は岡○監督か!」とか言われそうなので、そろそろはっきりと書く。助手席側に掲げられた阪神タイガースマーク、である! 山陽の電車なのに何故?なのだが、阪神区間も走るからじゃないだろうか。ま、「何故」はいらない。現実に阪神のマークを掲出しているのであれば(*1)、模型でもこれを再現せねばなるまい。しかしながらキットには当然含まれておらず、自作しないといけない。まあ、適当に画像処理ソフトをいじってプリントすればなんとかなるでしょ。 その作業にはまだ取り掛かっていないけれど、とりあえず車体は完成したわけから、一旦「仮」の状態で……ということである。プリンターをいち早く修理したのも、こいつの制作のためだったり。にしても、阪神タイガースがこんだけ弱いとこの作業もやる気が出ないよなぁ?(笑)

*1 この写真がいつのもので、今もこのマークを掲出することがあるのかどうかは不明。大切なのは、例え一度であってもこういう状態で直通特急が走ったことがあるという事実(まさかわざわざこんなの合成写真にしないよね?)。そして、その写真がわざわざ説明書(とパッケージ)に採用されていること。

(2012.06.30)

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