選ばれた勇者たち?

まずはこちら、α-7に70-200mmF2.8(多分)

  選ばれた勇者とか某有名RPGみたいなタイトルをつけてしまったが、私はアレはやったことがないんだよな……。さておき、勇者とはなんぞやというと昨日の侃侃諤諤本編で言ってた件である。α77で撮ったデーターとフィルムで撮影した写真を比べるという、あの話である。理想は、α-7かα-9に70-200mmF2.8を付けて、停車している列車をオートフォーカスにてピントを合わせ、そしてF8に絞って撮影した写真が好ましい。なるべく比較対象のα77で撮った写真(後に掲載)に近づけるためである。ところがそんな写真ちょっと思い当たらない。電車の写真撮るときは走行中のがほとんどなのだ。停車中はわざわざ望遠レンズ付けないし……。代わりに他の静止物の写真を採用しようかと思ったが、被写体が電車と花とでは違いすぎるので結局同じ電車を選んだ。でもこれも、質感が似ているステンレス車両同士で比べたほうがいいかも?
  フィルム側代表のこの阪神電車の写真は、置きピン(*1)マニュアルフォーカスにて撮影している。つまり、撮影者(もちろん私だ)の技量分のマイナスが入る……のだが、負けたときの言い訳にでもしようか(セコい)。 そもそも α77のイメージセンサーがAPS-Cサイズなので、肝心な条件が揃わない(同じレンズを使ってもレンズの中央部だけを撮影に使っているため、一般的に画質が劣ると言われているレンズ周辺部が切り取られた状態になる)。あまり固執することなく、良く撮れた写真同士で対決させるのが無難だろう。

*1 置きピンとは、あらかじめ「このポイントに列車の先頭部が来たらシャッターを押そう」という予測を立ててピントをその位置に合わせておき、実際に列車がそこへ来た瞬間に撮影する手法である。マニュアルフォーカスのカメラやオートフォーカスの遅いカメラで撮影する時に有効。(AFの優秀な)カメラ任せにする場合に比べ、思った場所にマニュアルでピントを合わせる、列車が来たタイミングに合わせてシャッターを押す、という2つの余計な技術が要求され、写真の出来栄えは撮影者の技量に大きく左右される。シャッターのタイムラグが大きいカメラを使っている場合、さらにそのラグを計算に入れて早めにシャッターを押すというとてつもなくレベルの高い要求が加わるので、素直に新しいカメラ買った方がいいんじゃないかと思う。

で、ついでだからOM系も比べてみよう

  こちらは私の愛して止まない103系電車(絶滅危惧種:地元ではもう見られない)。これはOM-3Tiか4Tiに多分180mmF2.8を付けて撮影したもの。OMのレンズは設計が古いので、いくら「よく写る」と言われているこのレンズでも最新の70-200mmF2.8に比べると見劣りすると思われる。が、敢えて古めのレンズで撮ったフィルム写真とも対決させてみる。こちらもやはりマニュアルフォーカス&置きピン故にうんたらかんたら。
  今回の2つの写真はいずれもフジフィルムRDPIII(プロビア 100F)。フィルムとしてはかなり新しく、粒子度が確か8(数字が小さいほうが細かい)で、これを超えるカラーリバーサルフィルムはプロビアよりあっさり仕上げのアスティア(同7)だけだったかと。
  写真は2枚とも何かメモがしてあるが、これはプリントの指示書きをフィルムのスリーブ上に記したものである(この2枚はつまり、現像後にプリントもしている)。

α77で撮った最新最強の一枚

  で、こちらは今回問題のα77で何気なく撮った一枚。たまたまそこに回送で止まっていた223系6000番台4両編成の写真(大阪駅で撮影)。この画像はもちろんリサイズ(縮小)の上掲載しているが、元データーをそのまま写真屋に持ち込んで、特に拘りもなく四つ切ワイドにプリントしてもらったらとんでもないモンスター(黒船?)だった、というわけだ。
  このデーターが弱点を持っているとすると、それは感度400で撮影したという一点。むしろ感度400でもびくともしない有様を見ると、「感度400なのに圧勝」で感度100のプロビア 100Fの立つ瀬がなくなってしまう可能性が……(感度100のリバーサルを400に増感すると若干荒れるし、感度400のリバーサルであるプロビア 400Fは100Fより粗さが目立つ)。

  以下、余談。

α-7の証

  メモを取るのを忘れたフィルムで、どのカメラで撮ったかすらも忘れてしまった場合の私の判別法。まずこの印があると簡単。これはα-7である。「どれが印か分からない!」って?

上のの重要部分をクローズアップ

  ややボケているが、「dn2-0028」という文字が見えるはず。これはα-7の機能の一つで、フィルムの余白(余黒?)部分にナンバーを打ち込んだもの。他にこうした機能を持つカメラは私は持っていないので、私の手元にあるフィルムの中でコレがあればα-7ということになる。
  「0028」は通し番号で、このカメラの28本目のフィルムであることを示している。「dn2」の「2」はユーザーが自分で設定できる数字で、私はノーマルのα-7に1を、「α-7 limited」に2を割り当てている。

マニュアルカメラは”0コマ目”から撮影可能

  フィルムの多くは12枚撮り、24枚撮り、36枚撮りのどれかである。フィルムには画面外にコマ番号が振られているが、1からスタートするのではなく0番が存在する。新しいカメラ(*2)ではフィルムセット時に自動的に1番のところまでコマ送りされるが、マニュアルタイプのカメラはフィルムを送る回数を1回減らしておくと0番のところから撮影が可能になる。メーカーの保証外なので、現像時に像が欠けたりしても文句は言えないのだが、私は一度もそうなったフィルムを見た事がない。0番よりさらに手前の00番もあるのだが、流石にここを有効活用するのは至難の業であると思う。
  ちなみにさっきのα-7、「dn2-0028」と入っていたのは00番と0番の間である。

*2 フィルムカメラはもう既に全部古いかもしれないが……

さらにはE(”37コマ目”)まで……

  さらには、(36枚撮りの場合)36の後に「E」というコマもある。これまた新しいカメラは、 36枚目まで撮影すると勝手に巻き戻しを始めてしまう。一眼レフだと勝手に巻き戻さない設定にも出来る機種もあるが(*3)、それ以上はシャッターが切れないので「E」のコマに撮影できないことに変わりはない。ここに記録できるのがこれまたマニュアルカメラのいいところ(?)で、やはりメーカー保証外であるが私はここのコマが綺麗に現像できなかったことはない。つまり、マニュアルカメラは36枚撮りで38枚撮影できる優秀なカメラなのだ。

*2 巻き戻し音は結構やかましいので、音が気になる場所で巻き戻したくないときに使う。もっともその場合、フィルムの交換が出来ないので撮影が続行できないのだが……2台目のカメラを使ったりするのかな? ニコンのプロ機だと手動で巻き戻すという手がある。

  何の話だったか忘れそうになったが、ここしばらく私が使ったマニュアルカメラはOM-3TiかOM-4Tiのみ。というわけで、0またはEのところに何か写っていれば3か4かは分からないがOMで撮ったと分かるのである。そして、0やEに何もなく、ナンバーも写ってないフィルムがあればそれは残るα-9ということになるのだ。

フィルムをデジタルカメラで撮影していて感じたこと

  その昔、フィルムの複製(デュープリケーション、略してデュープ)を試みたことがある。フィルム会社がそういうサービスをやっていたり、デュープ用のシステムを売っていたりしていた。フィルムはデジタルと違って複製が簡単ではないのだが、それでもよく撮れた一枚のバックアップ用に……という目的があってのことである。二、三度試したけど、あんまり思ったように出来なくて諦めたという経緯がある。
  デュープ目的でレンズの前にフィルムをセットしてカメラのファインダーを覗いていると、まるで自分がその撮影場所にいるかのような臨場感が味わえる。ということを、今日フィルムを撮影していて思い出した。そして同時に思ったのが、今ならデジタルでフィルムのデュープができるんじゃないの?ということ。ということで早速試しにやってみた。対象は先ほどの「0コマ」の207系(今は懐かしい旧色だ)。あまり本気出してやってないので左右のバランスがおかしいが、きっちりやればそれなりに実用的かもしれない。というよりむしろ、フィルムスキャナーが要らないかもしれないと思った。
  もう一つ感じたのは、等倍で撮影して、パソコンで拡大の上確認して、フィルムの粒子が確認できたらデジタルの勝ち。できなければまだまだフィルムはやれる、ということにならないかな? 参考までにこの画像は、APS-Cサイズのイメージセンサーで35ミリ判フィルム全体を写しているので、倍率は約2/3になる。

(2012.06.18)

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