103系をちょっと量産してみた

簡単塗装済みキットの103系をまたまた作ってみた

  グリーンマックスの(最新世代の)塗装済みキットの103系を完成させた。以前作ったもののバリエーションモデルで、今回は瀬戸内色(左2つ)の低運転台、高運転台、岡山色(右2つ)2編成。去年の終わりぐらいに発売されたもので、いつも言っているとっても簡単なキットだから年内に組んでしまおうと思っていたのだが……主に旧国で忙しくて、年明け後も何だかんだやっているうちに塩漬けに近い状態?になってしまった。本当に塩漬けになる前に……と思い、旧国完成後の息抜きの意味もあって着手した。素組みではなくプラスアルファの組み立てだが、1週間ほどで16両完成した。これが「塗装済みキットをキット組み立て数に入れるかどうか迷う」理由である。あまりにも簡単にあっさり完成しすぎるため、3ヶ月かけてようやく5両完成する旧国と同レベルで数えるのを躊躇うのである(笑)

3種類の前面

  4編成作ったが、種類としては3つなので先頭車3両を並べて撮影してある。GMの塗装印刷技術は低いので、前面の手すり表現のあるところの色がかすれていた。ベースカラー(瀬戸内はクリーム、岡山は緑)はかすれないのだが、その次の帯色印刷が段差に対応し切れていないようだ。前面故に目立つので筆塗りでリカバリーしてある。だからこの画像ではかすれ部分は分かりません……という自分の技術のアピールだったり(笑) 瀬戸内色は調色の必要があるだろうと思っていたらMr.カラーの青(ごく普通の青)がドンピシャ。岡山色はガイアノーツのEx.ホワイトを使ったが、白系統なら大体何でも使えるだろう。瀬戸内の高運転台のみ、手すりが帯に干渉しないので何もしなくていい。

パンタグラフ周辺の配管に色差し

  以前作ったときは放置していたのだが、旧国を作り出してから配管には明るめのグレーで色を入れるようになった。当然?今回もひと手間加えてある。だがしかし、この屋根色(GMダークグレー)にねずみ1号の色差しはあまり映えない。旧国は屋根色をもっと黒いグレーにしてあるのでねずみ1号の配管が引き立つのだが……。「だったらもっと明るい色にしたら?」と思われるかもしれないが、他の屋上機器(クーラーやベンチレーター)がねずみ1号なのでそれより明るいグレーというのもやや違和感が……。クーラーやベンチレーターごと明るいグレーにするという手もあるのだが、それもまたイメージ違うし……。

実験でクーラーに墨入れ

  今まであまりやってなかったことなのだが、クーラーの凹部に墨入れしてみた(下)。費用(手間)対効果を見るためにとりあえず1編成だけの実験なのだが……こうやって徐々に自分で自分のハードルを上げている(笑) クーラー単体で見たときは、面倒な割にはあまりぱっとしない作業だなあと思っていた。が、しかし、完成してみるとやはり違う……? そしてこうして画像にしてみるとさらに効果がある(笑) でも墨入れ作業は、やり慣れてないからかもしれないけどあんまり好きじゃないんだよなあ。

突然違う画像

  3枚目の画像を注意深く見てみると分かるのだが、今回は連結面に幌を取り付けてみた。キットには付属していないパーツで、一応GM純正品もあるが塗装済みキット指定の部品というわけでもない。そして諸般の事情によりカトーのアッシーパーツ(キハ40系列や221系用)を採用。取り付け脚を切り取って使っている。のはいいのだが、実はそうした状態で取り付けると車輌を連結した時にあまりにも隙間がなくなってしまう。但し、動力ユニットは台車間隔が長いので動力車の前後だけは充分なクリアランスが確保される。というわけで、非動力車同士の連結箇所で私が後付けした幌が干渉するのだが、ギリギリセーフのようなギリギリアウトのような……。試運転の結果、脱線はしないが「怖い」というわけで、幌パーツの襞一枚分を切り取って厚みを減らして接着することに。この「襞一枚分を切り取る」のが面倒な作業。手も怪我しやすい(左手中指先を切っちゃった)。今まで作った103系や201系のキットにも追加工作しようと思っていたのだが、この問題により計画凍結。
  さて、一向に画像の説明に結びつかないが……この画像の意図はこうである。右はカトーの221系の連結面(幌は取り外してある)、左は以前作ったGM103系の連結面。カトー221系はほとんど何もないところに幌パーツを取り付けるようになっている。穴が開いているのは取り付け脚を差し込むためである。一方でGMの103系は……幌の取り付けを考慮してないせいか、幌受けの表現のせいでやや出っ張っている。このわずかな厚みがあるせいでカトーの幌をポン付けすると隙間がなくなっちゃう……のかなあと。そもそもメーカーが違うので設計思想や寸法も違うのだが。

グローブ形ベンチレーター、通称グロベン

  キットには完成に必要なパーツが一通り含まれている。が、それを必ず使わなくてはいけないということはない。例えばグローブ形ベンチレーター。実はこのキットのベンチレーターは形がイマイチ。以前はそんなこと気にしなかったのだが、これまた旧国のせいで拘らなくていい拘りが入るようになってしまった(苦笑) 一番左は先日完成したばっかりの車輌で、旧国は共通してトミックス製のベンチレーターを使っている。一番右が以前作った、そしてキット付属のベンチレーターをそのまま使った車輌だ。中央が今回のものになるのだが、α-model製品を初めて使ってみた。詳しくはα-modelのサイトに譲るが、右のGMキット付属品はのっぺりした印象。外周の枠も細すぎる。α-model製品やトミックス製品は彫が深く、外周の枠にも適度な厚みが持たせられている。どっちがいいかは個人の好みレベルになりそうだが……私はどっちかというとトミックス製の方が好みかな?
  大手メーカーのグローブ形ベンチレーターを載せる車両は、屋根側に台座が表現されている。一方でGMはベンチレーター側についている。α-model製品は大手メーカー準拠でベンチレーターには台座表現がない。というわけでGMキットにα-modelのベンチレーターを使うのなら台座が必要なのだが、エコーモデルのワッシャー(内径2.1mm、外径4.2mm、厚さ0.25mm)を使って誤魔化してある。グローブ形ベンチレーターの台座は真横に近い角度からしか見えない目立たないものなので、模型での台座の役割は「ベンチレーターを屋根から少し浮かせる」程度でいいからね。ワッシャーの寸法は書いたとおりだが、厚みが0.25ミリだと少し薄すぎたかな……とも。一部手持ちでは足りなくて0.3ミリのものも使っているのだが、こっちの方が良かったかもしれない(0.3mmで統一しようとするとこれまた0.3mmの手持ちが足りない)。旧国でトミックスのベンチレーターを使うときはタヴァサのパーツを使っているのだが、このパーツの厚みは0.5ミリぐらいあってそれはそれでちょっと分厚すぎるかなあ……とも。うーん難しい。

床下で銀色に輝き目立つヤツ

  先日後輩に(103系羽衣支線セットをしっかり入手した後輩だ)、「(模型の床下機器を指差して)この箱はATSの機械で、実車は銀色なんです」と教えられた。「えー、面倒だなあ」と思ったので無視するつもりだったのだが、今後必要な情報を提供してくれなくなる可能性を危惧して塗ってみました(笑) 実車写真を見ると確かに「別の色」をしていてそこそこ目立つ。旧国で抵抗器をねずみ1号で塗り分けている人間なので、新型国電においてもATSの箱を塗り分けるのは当然と言えるかもしれない……??? なお、箱全体が銀色なのかそれとも蓋の部分だけが銀色なのか判別付かなかったので、今回は勝手に蓋だけと解釈して表面だけ銀色にしてある。
  余談。一般の人にATSと言うと例の脱線事故を連想するかもしれない。新聞記事に「ATSの設置を怠った」とか何とか言って元社長の責任を追及するとか何とか書いてあった。別に元社長を擁護するわけでもなんでもないのだが、ATSは付いてたんだよ。ATCやATSの付いてない列車なんて、国鉄末期頃には既に国内では走ってなかったはず。裁判で問題になっていたのは「最新型のATS-P型を取り付けるべきだったのではないか」という話。うろ覚えだが、確かJR西日本では民営化後にATS-Swという安全装置を作り、さらにその後、より安全性を高めたATS-P型の設置も順次進めていた。不幸な事故は、ATS-P型が福知山線に設置される前に起きてしまったわけだ。というわけで……私が以前見た新聞のその記事の見出しにある種の悪意を感じてしまうのだが、考えすぎだろうか。一般の人にATSのSwとかPとか言っても分かんないからね。

(2011.10.09)

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