「おゆまる」で配管モールドをコピーする

「おゆまる」で型取り

  去年ぐらいのRM MODELSの特集で取り上げられていた「おゆまる」。100円ショップで売られている子ども用の玩具で、お湯で温めると柔らかくなり、型に押し込んだりして遊ぶ。それをどこの誰が気が付いたのか、「これ、模型のパーツを複製するのに使えないか?」と実験したのだろう。結果は雑誌にも掲載されたことから分かるとおり、"使える"レベルであったようだ。そして私も注目して……注目したはいいものの、あまり試す機会もなく、一応後輩を通じて「おゆまる」の手配はしたもののしばらくそのままになっていた。
  現在、近鉄3200系を製作中。GM塗装済みキット同等品からの改造なのだが、窓配置は同じでも屋根の配管が違う。細かいことは実はよく分からないのだが、少なくともヒューズ箱の数が違うようである。というわけで……見なかったことにするつもりだったのだが、「おゆまる」を試す絶好の機会であることに気付いてやってみることにした。先頭車用の屋根のヒューズ箱用の配管が3本の部分にお湯で温めた「おゆまる」を押し付ける。ちょっと癖があってコツが必要だったのだが、まあまあのものが出来た。続いて、これにパテを刷り込んでから目的の中間車用の屋根に押し当てると……。

光硬化パテを使って配管モールドをコピーしてみた

  左が元になった先頭車用の屋根で、真ん中と右が中間車の屋根に"複製"してみたもの。一番右はそのとき手元に光硬化パテがなかったのでラッカーパテを使ってみたのだが、密封された状態に近いので乾くまでに時間がかかり、イマイチだった。真ん中が後日買って来た本命の光硬化パテ。光硬化パテは1本1000円もする高価な素材であり、以前買ったときは使い勝手が悪く感じたのだが、今回改めて使うと素晴らしい結果を出してくれた。なお、以前買ったものは紛失。仕方がないのでもう一本買って来た……高いのに。
  なお、製品状態での中間車の屋根のこの部分には、ヒューズ箱用の配管が2本伸びている。それを一旦削り取ってからパテを塗った型を押し当てている。型は屋根の他の部分も含んでおり、その"他の部分"が自然に合わさるため、ずれずに目的の配管を正しい位置にコピーすることが出来る。もちろんだけど、型の他の部分にはパテを塗り込まないように注意する。

で、光硬化パテはこちら

  光硬化パテはその名の通り光で硬化する。具体的に何が作用しているのか分からないが、太陽光だと早いが蛍光灯でも充分固まる。となると問題になってくるのが、保存中に中身がどんどん固まるのではないか。一応チューブに金属箔が貼ってあってそれは問題なさそうだが、買ってみるとこのように黒い袋に入れられていた。パッケージ自体も黒で印刷されており、タミヤの厳重度が窺える(笑)
  思ったよりこのコンビ使えそう。今まで諦めたり妥協したりしていたところも、こいつらがいれば何とかなるかもしれない。まあ実は、妥協というのは一旦してしまえば作業時間の短縮に貢献する。おゆまるで型を取ってパテを塗ってコピーして……という手順が増えるともちろん完成までの時間が延びることを意味するわけだ(笑) ただ、今まであまり部品のコピーはしてこなかったせいか、この一連の作業が楽しく感じる。今回で言うと、固まった頃合を見計らってそうっとおゆまるを取り外して……そこに残った配管のモールドを見たときは非常に嬉しかった。何だか無意味に部品をコピーして遊んでしまいたくなるぐらいに(笑) ま、とりあえずは近鉄3200系を完成させないといけないけどね。そして今頃配管をコピーして喜んでいると言うことは、完成が月末には間に合わないことを意味している(笑)

(2010.10.26)

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