旧国阪和線、製作中の写真など

前面パーツ4種類

  まずは加工中の前面パーツ。気が向いた時に撮ったので、それぞれ進行度合いがちょっとずつ違う。左上はクモハ73用。これが最もキット付属の状態に近い。窓部の抜き勾配(*1)を削り、前面サボ受け(*2)を削り取ってある。この後テールライトを別パーツ化したぐらい……加工メニューは3つだが、これが一番楽な部類。その下がクハ79。一旦窓部を全て削り落としてからプラ板を貼り付ける。この後窓ガラスを押さえるゴムと共に窓を開口する。クモハ同様、サボ受けは削り取ってあり、こちらはテールライト用の下穴が既に開いている。この後、ジャンパ線受けを取り付ける加工を行った。右上はクハ55332。ノーシルノーヘッダー車だったこともあり、前面についているものをほぼ全て削り取ってのっぺらぼうにした後、一旦窓を埋めて開けなおしたり、貫通扉部の幅が広すぎるので狭めてから貫通扉を取り付けたり……と一番ハードな内容になっている。最後の右下がクハ55047。運転室側がゴム押さえなので一旦埋めて、これから窓を開口するところである。また、大糸線時に"やらかした"幌受けを正しい形状で作り、仮に載せてみている。この後、テールライトと共にステップも削り落として作り直している。完成編で「お爺ちゃん顔」と言ってた例の部分である(あの表現で皆さんに伝わっているのかどうかかなり不安だが……)。
  これ以外にはあと一枚、クモハ60004はクハ55047と同メニューに加えてウィンドシルと同ヘッダーを削り落としている。前面だけでこの加工量、どうりでなかなか完成しないわけだ。

幌受けの形状

  先ほど書いた幌受けの形状。左が今回作ったもので、右が前回の大糸線で作ったもの。前面中央の白い枠のようなものがそれである。GMパーツを見て(そしてGMの前面パーツの彫刻を見て)実車写真をよく見ずに作ってしまったのが右。上部が弧を描いている。長方形の四隅の角を取って丸くした、といった感じの左が正しい形状(に近いもの)になる。これの幅もいろいろ悩みどころで……クハ55047は狭めに、クモハ60004(画像)では広めに作ってみた。結論としては広めの方がいいような気がする。

モハ72偶数車

  偶数車を作るがために配管を一部やり直したモハ72。実はクモハ60も配管が違うような……気がするのだが泥沼なので回避している。モハ72はここぐらいしか特徴がなかったからやってみたのだけど。いつもと違う部分は、2本連なっている方の線(画像では左、この線正式名称は……何だっけ)。実物は2本の線の間にほんの少し、隙間がある。のだが、今までは2本が密着した形でしか作れなかった。というわけで今回はその隙間を再現すべく……頑張ったら空きすぎた感も。難しい。

クモハ60の前面のゴム押さえパーツは……なんと別パーツ

  窓ガラスを押さえるゴムは、周囲よりほんの少しだけ出っ張っている。本当にほんの少し。模型だと0.1ミリぐらいか? というわけで表現するのが難しいのだが、以前からあったアイディアは別パーツ化すること。別パーツ化することで塗装もやりやすく、微妙な段差も表現できる……のだが、こんな部品いちいち手作りしてられっか!というのが実際のところ。パーツの絶対サイズがかなり小さく、中空になるのでヤスリがけが極めて難しい。 このゴム押さえ窓の表現を自前でやることになった初のケースは新潟色のモハ70なのだが、窓を開ける部分にあらかじめ0.14ミリ厚のプラ板を貼り重ねておく、という方法を採っている。貼り重ねるプラ板のサイズは窓よりわずかに大きめで、穴を開けるときに周囲を残すのである。大糸線のクモハ54で別の工法も試したのだが、手間と仕上がりの関係から阪和線ではモハ70方式を全面的に採用となった。 但し、クモハ60004は寸法をミスして……やり直すのが面倒なので、一度実験的に別パーツ化を実行に移してみることにした。結論としては、手間がかかる割には効果が実感が出来ない。0.14ミリプラ板貼り重ね工法だと段差がやや大きいのだが、車体とゴム部分に隙間ができないという大きなメリットもある(先日のページの画像をじ〜〜〜っと見つめているとその差が分かるかもしれない)。手間の点を考えても以降は貼り重ね工法になるだろう。

(2010.07.10)

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