クハ68 015or021 新潟仕様

「クハ68 015or021 新潟仕様」のエッチング板

  鉄道模型メーカータヴァサホビーハウスは、旧型国電クハ68のコンバージョンキットを何種類か発売している。今私が組んでいるのは015番もしくは021番の新潟仕様が作れるキットで、画像はそのメインとなる車体側板のエッチング板である。買ったときからちょっと気になっていたのだが、ランナー(外枠)部分に謎のエッチングが入っている。画像左上の囲みの部分である。エッチングは金属板を腐食させて凹凸を作る技法。凹凸を作るためには腐食させる部分とさせない部分を分けないといけないのだが、腐食させない部分には保護用のフィルム?を残すようにするらしい。ちょうど塗装で、2色目を塗るときに1色目の色を残す部分にマスキングテープを貼ってある状態と同じだ(エッチングの際のフィルムはそうやって貼るわけではないが)。その保護用フィルムが削れてしまって腐食してしまったのだろうか……? 本体部分でなくランナーで良かったなあ……と思っていたのだが、よくよく見ていると"それ"が何か理解できた。タヴァサホビーハウスも遊び心のあるメーカーである。

雪だるま

  このエッチング板を見るとき、上の画像の向きにすることが多かったのが気付かなかった理由だろうか? 今まで反対を向いていたので意味のある模様だと思わなかったのだろう。作る直前になってたまたま正面を向けて見て気付いた。雪だるまの模様にエッチングしてあったのだ。何故雪だるまかというと、これが新潟の車両を作るためのキットだからだ。新潟と言えば豪雪地方。雪と言えば雪だるま。余ったスペースにこんなものを彫り込むだなんて、なかなか楽しいことをしてくれる。

  クハ68について最近学習したこと。原形車はクモハ51用の制御車として登場した3扉セミクロスシート車。クモハ51の原形車と同じく全車前面形状が半流タイプで、合計20両が登場した。その後ロングシート化されてクハ55に編入。さらにその後、セミクロスシートに戻されクハ68に"復帰"することになったのだが……そのときクロハ59改造のクハ68が元いた番号に居座っていたため、元祖クハ68は24番以降に飛ばされてしまった。そのクロハ59改造のクハ68も、最初は本来のクハ68の続きの021以降の番号が与えられていた。しかしながら一度クハ55に改造され、再びクハ68になるときに本家クハ68がクハ55化されていて、番号が空いていたために001から付番されたのである。
   という、旧型国電ならではのカオスな形式である。そして今回作ろうとしているのは、原形車ではなくクロハ59改造のクハ68。本家がいない間にちゃっかり?001〜023の奇数番号をせしめたグループである。頑張ればグリーンマックスのキットから作れないこともないのだろうが……2等3等合造車であるために窓割が独特。かなり面倒そうなので、キットが出ているのでおとなしくそちらを使うことにした。

  ――という表現は正しくないね。

キットが出ていたので作ることにしたが、キットがなければ作ろうとは思っていなかっただろう(笑)
  で、 今回は新潟仕様の車両を作っているが、次回の大糸線でも同じグループのクロハ59改造のクハ68を作る予定である。車両によって細部に差があり、タヴァサホビーハウスからは何種類かのクハ68が製品化されている。そのうちの今回が015又は021、次回が001又は011のキットである(もちろんキットがあるから作ろうと思うわけで(笑))。さらにそれぞれ細かい差があって、パーツを選択して両者を作り分けられるようになっている。痒い所に手が届くのが、大量生産のプラスティック製完成品にない自作の楽しみでもある。

(2010.03.05)

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