昔から見てくださってる人には見覚えがあるはず?
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さてこちらの車両……1つは青と白のツートンカラー、もう1つは黄、紺、白とカラフル。かつて当サイトで同様の塗装のものをお目にかけたことがある。前者は"富士山に最も近い鉄道"富士急行1000系、後者は出雲大社のそばを走る一畑電鉄2100系。両者の共通点は、元々京王電鉄が使っていた車両を譲り受け、独自のカラーリング及び改造を施して走らせているというところにある。その京王電鉄の5000系は、グリーンマックス(GM)が塗装済みキットの形態で製品化しており、そして地方私鉄に譲渡されたものを製作したいもデラー向けに未塗装2両セットの販売もある。そしてこの度、トミーテックの鉄道コレクションシリーズで、同じ車両の模型が登場となった。この画像は、そのトミーテック鉄道コレクション第11弾である。 なお、おそらく鉄道コレクションに対抗もしくは便乗する意味合いがあってか、長らく市場で在庫を見かけなかった京王5000系のキットが再生産された。今まであまり興味がなかったのだが、譲渡車の模型を持つなら元祖も手にしていいかな……と思い始めている。
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一畑電鉄 左:鉄コレ 右:GMキット組み立て品
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というわけで?鉄道コレクションとGM製品の比較を。なお、GM製品の組み立て塗装は私、橘雪翼が行ってますので、その分差し引いて見てあげてください(笑) まずプロポーションとしては……ややGM製品の方が全高が高い。線路面から車体裾までも高い、と書こうとしていたのだけど、ゼロコンマ5ミリ以下っぽいので大差はない。一番印象が異なるのが屋根の丸み。厳密には屋根というより前頭部。GMの方が丸みを帯びていて、鉄コレは偏平な印象。実は屋根の丸み自体は、連結面で比べるとそんなに差がない(そしてGMの方が全高だけ高いことが分かる)。しかし、先頭車両の前頭部はその車両の印象を左右する一番大切な部分でもある。実車写真と見比べると……私は鉄コレよりGM製品の方が似ていると思う。
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左:GMキット組み立て品 右:鉄コレ
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画像、若干水平がおかしくてすみません(苦笑) あと、撮影するときに勘違いをしてしまい、この画像だけ左にGM製品、右に鉄コレとなってます。他と逆です。 こうして見ると右の鉄コレの方が屋根のラインが一つ低いことがはっきり分かる。鉄コレのクーラーは別パーツだが屋根と同色。ベンチレーターが屋根板と一体成型のため、敢えて塗り分けをしなかったのか? 左のGMキット組み立て品では"当然"屋根の地色とクーラー、ベンチレーター(この画像では写っていないが)は濃淡のグレーを使い分けている。車体色は比較的近い色調で、黄色がややGMの方が明るい感じ。ドアの紺色も彩度に若干の差はあるものの、トータルとして両者に大きな印象の差はない。敢えて言うなら裾のグレー。鉄コレの方がはっきり暗めである。実車写真と見比べると……鉄コレの方が近い、かな?
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富士急行1000系
左:鉄コレ 右:GMキット組み立て品
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さてさて、今度は富士急1000系――鉄コレの方のタイプを1200系と呼び分けるファンもいるらしい。1000系はロングシートで1200系はクロスシート改造を受けている。が、基本的に同じ車両なので同列に比較する。さて、こちらは両者であきらかに色味が違う。私の塗った右のものは、GMの指定のMr.カラーコバルトブルー。鉄コレのものより明るく鮮やかである。実車写真と見比べると、鉄コレよりは明るいがコバルトブルーよりは大人しめの色調……かな? 実は実車を見たことがなく、何とも言えないのが正直なところ。 窓のサッシの表現が、鉄コレは「日」の字状でGMは「三」だけの簡易表現となっている。実車のサッシは「日」の字状なのだが、縦の部分が横に比べて細く目立たないためGMは「三」状を選択したものと思われる。Nゲージ鉄道模型ではよくある手法だ。なお、鉄コレの窓ガラスのサッシ表現は塗装がやや乱れがちである……。他、レタリング類は鉄コレの方が細くシャープで大きさも実車に近い。GM製品ではここをデカールで表現するようになっていて、あまり小さくすることができなかったのだろう。
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最後に連結面 左:鉄コレ 右:GMキット組み立て品
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右の私の塗った物は塗装が乱れているが……(苦笑) ここんところ、結構マスキングが難しいんですよ!(と必死の言い訳(笑)) それに作ったのは3〜4年前だしね!(必死すぎて見る者の笑いを誘っています(笑)) あと、私の作った富士急1000系は"保留車"になっていて、一部パーツを剥ぎ取った状態です(笑) 全面的にやり直す予定なんだけど、先に鉄コレが出てしまった……。 さて連結面。先ほど「鉄コレのはクロスシート化された"1200系"である」と書いたが、そのクロスシート化の関係で連結面の形状が異なる。京王5000系の貫通扉は右のように横幅が広いものだったが、クロスシートの設置に際して左のように狭く改造された。と同時に、連結面の窓も埋められている。実はGMキットから富士急行を2セット組み立てる予定である。1つは1000系で、残るは1200系。当然1200をやるなら連結面も改造しないといけないのだが、その際パンタグラフから伸びてくる配管類も作り直ししないといけなくなり……でもどんな様子なのか良く分からない。ネットを探しても連結面の写真なんて出てこない。自分で実車を見に行くのが一番いいのだが、私は面倒くさがりやなので(笑) そんな折、古いデジタルカメラ(DiMAGE 5)を後輩に安く譲ってあげた。東京に行くというので「ついでに寄り道して撮って来い」指令を出したのだけれど、東京で精根尽き果てて帰ってきたので果たされていない(笑) さてどうしようか……もういいからテキトーに作っちゃえ、とは思ったものの何となく気が進まず、他の車両を作っていたら鉄道コレクションという形で製品化されました(笑) 結論としては、クロスシート化改造前とほぼ変わらず。ま、もちろん、鉄コレがきちんと実車どおりに作られていると仮定してのことだけれど。というわけで分からないところが分かったので、やっと製作に移ることができる。
――え?
「鉄コレあるのに自分で作るのか?」ですって? 鉄コレが非のうちどころのない完璧な製品――でなくとも、GM製品をはるかに上回るクオリティだったら鉄コレで満足していたのだろうけれど、一長一短があるのでやっぱりGMキットも組み立てます。私としてはオデコ(先頭部)のラインがGMキットの方がかなり好みなので。
(2010.01.31)
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