GMキットの旧国はめんどくさい?

左加工前、右加工開始

  国鉄型車両の中でも古い部類に入る通称"旧型国電"、当時は窓ガラスを木枠で支えるスタイルが一般的であった。後期に入ってゴムを使って支えるタイプになり、従来車も更新工事などで変更されたりした。グリーンマックスの旧型国電キットはどちらかというと、末期の姿に焦点を当てている。そのため前面パーツなどはゴム押さえバージョンとして作られているものが多いのだが……全車が全車更新されたわけではなく、未更新の木枠スタイルを保っていた車両もある。今回作ろうとしているのはそんな中の一両で、そうなると実車とは逆順序で更新後の姿から未更新スタイルに戻す必要が出てくる。今日はそんな作業の様子を画像を交えてご紹介。
  左がキットそのままの状態で、3枚の窓のうち両端の2枚がフチの丸い形をしているのが分かると思う。ちなみに上下の大小の丸い穴は、幌を取り付けるための穴。なのだが……幌なしの車両があったりして、そういうのを作りたければここも加工の必要がある。で、右のものが加工開始。段階が一つ飛んでしまっているが、角型に削り広げた後、厚さ0.3ミリのプラ板をはめ込んだ状態。白い部分がそれだ。プラ板は厚さ0.5ミリのものと迷ったのだが……完成後も悩み続けることになると思う。

左:一旦削り広げ 右:助手席側のみ2段窓の再現作業に移る

  先ほどはめ込んだプラ板が窓ガラスを支える木枠の部分になる。一回り小さく角型に削り広げるわけだが、さっき埋め込んだプラ板の9割程度?を切除していることになる。この時代になんてエコに反する作業なんだろう(笑) ちなみに左右で穴の大きさが違っているのだが、これは腕がないせいではなく実車がこんな感じなのである。そして次の作業に入ったのが右の画像。右の運転席側は一枚窓なのだが、左の助手席側は二段窓になっている(多分開閉式ではないかと)。そしてわずかに段差があり、上部の方が少し出っ張っている。それを再現するために、今度は厚さ0.14ミリのプラ板を張り重ねている。
  関係ないが、ご存知日本の自家用車は普通右ハンドルである。高級外車だと左ハンドルだが、そんな車乗ってる人はかなり少ないと思われる。一方で鉄道車両は左ハンドル(?)が圧倒的に多い……と思う。少なくとも最大手のJR線の車両は左のはずだ。阪急も阪神も近鉄も左だったと記憶しているので、全国的に左にあるはず。あ、どこかの市電(路面電車)が右っぽかったかな……。岡山だったかは中央……ま、そんな話どうでもええわ(自分で振っといてそれか(笑))

左:裏側から見たところ 右:左でグレーに見えた部分を削り取って完成

  先ほどの画像の状態から、裏側に二段窓の"桟"になる部分を接着。最初から「日」の字状に削ればいい話なのだが、このスケールでは小さすぎてかなり難しい。少なくとも私の腕ではやらないほうが無難と判断した(笑) 0.14ミリ厚のプラ板はとても薄く、カッターで簡単に切り落とせる。というわけで裏側からカッターで軽くなぞっていけば不要部分を切除できる。とは言え、不用意に力を入れるとせっかく接着したプラ板がはがれてしまうので、慎重に少しずつ切れ目を入れていく。角型に穴が開いたらはい完成……なのだが、やはり若干綺麗でない部分もあるので、軽くヤスリ掛けして整えて完成となる。なお、助手席側の上に丸みを帯びた窪みがある。実車の運行番号を表示する窓で、こちらも原型では木枠だったものが後にゴム押さえになって丸くなっている。キットでも更新後になっているので、何とか復元工事をしないといけないのだが……実は上からその手のパーツを張り重ねれば上手く隠れてくれる。ので、簡単にフチだけ削っておいて、後はパーツの取り付け待ちである。
  最初の状態と比べると角張った無骨な格好を受けるのではないだろうか。これが旧国ならではのスタイル、だと私は思う。更新後のスタイルよりカッコいいと思うのだが、実車は更新された両数も多い。だから模型として製作するのも、原型タイプより更新タイプの方が多くなりそうな。もっともそれはそれで、いちいち復元工事をする手間が省けるので楽と言えば楽なのだが……。

(2010.01.25)

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