KONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D)

コニカミノルタ末期のαシステム用広角ズームレンズ、AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D)

  コニカミノルタが末期に発売したαシステム用広角ズームレンズ。スペックは焦点距離が17ミリから35ミリ、 F値は2.8から4だ。同時期に発売されたタムロンの同スペックレンズと瓜二つで、タムロンのものをコニカミノルタα700用にチューンして発売した物ではないかと言われていた。同時発売された28-70mmF2.8も似たような出で立ちのレンズだった。
  さて、広角ズームと言えば以前からソニーのVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM が欲しい欲しいと言っていた。かなり買うつもりでいたのだが、何故か今手元にあるのはVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM ではなくKONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) 。これには深い理由がある。行きつけのカメラ屋に久々に足を踏み入れると(それって行きつけっていうのか?)店員さんに勧められたのだ。Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM が発表されるまでは、中古カメラ屋に行くたびそれとなく探していたレンズでもある(これか、同スペックのタムロンのものがあったら衝動買いしていてもおかしくなかった)。Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM 発表後は、カールツァイスの銘が入り、超音波モーターが入り、ズーム全域でF2.8になり、広角側が1ミリ広くなったそのレンズに羨望の眼差しを向けるようになり、KONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) のことは綺麗さっぱり忘れ去ってしまった。元々市場に出た数が少ないだろうこのレンズを中古で探そうなどと虫のいい話なのだ。後から探すぐらいなら最初から新品で買っておけよ、と。だからこれ幸いとVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM 発表後はそっちを買う方針に転換したのである。ところが運命とは巡り巡るもので、探してもいないのに中古超美品が私の目の前に降臨したりする。これも人徳ってやつですか? というわけで悩んだ。目の前のKONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) を手に入れてしまうか、我慢してVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM に向けて貯金続行するか。ちなみに価格差は6倍以上である。というわけで両者を冷静に比較してみた。

Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM
・カールツァイスの銘が入った最新設計レンズ
・全域でF2.8
・超音波モーター入り
・17ミリより1ミリ広角に強い。

KONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D)
・頭に余分な物は付いているがミノルタの名前が入ったタムロン設計レンズ
・F値変動型レンズで35ミリにズームするとF4になる
・超音波モーターなどと言う高級なものが入っておらず、辛うじてDタイプであるのみ
・設計が古いので広角が17ミリ止まり。

ダメだこいつ、勝てる要素がミノルタしかねえ

  ――だったら買うわけナイデスヨ

勝てる要素が3つありました。1つは先述のとおり腐ってもミノルタ。中身はおそらくタムロンですが(自虐的)。残りの2つは何か。1つは軽いこと。Vario-Sonnar T* 24-70mm F2.8 ZA SSM もそうですがVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM も殺人的に重いんです。レンズが人を殺すことはないので殺人的は言いすぎですが、でも時に撮影意欲を殺ぐ恐れがある程度には重いんです。これが16ミリから500ミリぐらいをカバーする超変態高倍率ズームであれば多少超弩級に重くても我慢できますが、いくら全域F2.8固定だからって16〜35ミリのレンズで1キログラムに迫る質量は辞めて欲しい物です(Vario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM は860グラムらしいけど、多分レンズフードとフィルターを付けると900グラム台は固いかと)。で、KONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) は……詳しい数値は知らないけど、持った感じ軽い。多分400〜500グラムぐらい? 半分です。カメラ本体の重量があるのでレンズだけが軽量化されても仕方ないんだけど、でも軽い方がいい。軽いのならF値変動でも許せないことはない。そして最後の勝てる要素。それは安いこと。安かろう悪かろうと言う言葉があるが、悪くても安ければまだ許せる。一番許せないのは高くて悪いことだ。例えば某○○○○○ー○の鉄道模型とか。で、KONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) は、そっくりさんのタムロンのレンズがそれなりに評価されていた。多分費用対効果を考慮に入れた上でそれなりの優秀なレンズ、という評価だったと思う。そりゃそうですよ、メーカーが本気出して作ったデカイ、オモイ、タカイ、の三拍子揃ったレンズと比べて性能が互角だったらでかくて重くて高いレンズが売れる要素ないですよ。まあでも両者に言えることが一つある。片方しか持ってないけど断言できることがある。値段差ほどには性能差はない。これ、カメラ用レンズの世界の常識。だから私は買うことにした。そこそこお安く手に入るKONICA MINOLTA AF ZOOM 17-35mm F2.8-4 (D) を。なぁに、どうしてもデメリットに我慢できなくなったら、別のデメリットを甘受してVario-Sonnar T* 16-35mm F2.8 ZA SSM も買えばいいだけの話さ。

  さあこれで新しい世界が広がるぞ、と思ったのはただの勘違い。既に単焦点で17mmF3.5というスペックのレンズを持っているので、そこからズームできるだけで最大撮影画角自体は変わってないのさ。

(2009.07.26)

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