近鉄電車の連結器

5月31日の1枚目画像のオリジナル版の一枚明るいカットからトリミングした画像(説明長すぎ)

  画像は、5月31日の画像で侃侃諤諤にて使用した1枚目の画像の、リサイズする前の元画像よりもわずかに明るめに撮影した画像からトリミングしたもの。見て欲しいポイントは連結器。前面の下部に付いているものなのだが……見辛いと思う(すんません)。
  電車の連結器というのは、車両と車両を物理的にロックすることに加え、空気管を同時に繋ぐ機能も兼ね備えている。さらに最近の電車では、電気系統も同時に繋げられるよう、連結器本体の下に丸いカバーを伴った「電気連結器」(通称"電連")というものが装備されていることが多い。特に、頻繁に連結、解放を繰り返す線区の車両の連結器はこのタイプが多い。連結に際して自動的にカバーが上?にずれて、内部の電気接点が接続されるというもの。作業員の手間が大幅に省け、連結にかかる時間も短縮できるという効果もある。
  さて、近鉄電車の電連付き連結器にはある特徴がある。連結器本体は黒なのに、電連はグレーなのだ。これは非常に珍しい。多分日本全国見渡しても、近鉄だけだと思う。ついでに言うと、床下機器類がグレーなのに連結器だけ黒、というパターンもあまりないはず。ひょっとしたらこれも近鉄オンリー?(阪神電車は、台車はグレーなのにその他の床下機器類が黒、そして連結器も黒、だったと記憶しているが最近の新車がどうだったかは自信ない) これを模型で表現する時、ちょっと困る。作例ではトミックスの「TNカプラー」を使用しているのだが、当たり前だがそんなレアな車両のための部品は販売されていない。使うとすれば黒一色かグレー一色か……。連結器本体が黒なので、私は黒を使用した。さてここからが問題。というのも、Nゲージの連結器に使われている素材が塗装の食いつかない材質なのである。塗っても剥げやすい。だから電連部分にグレーを塗るべきかどうか……躊躇した。それが5月31日時点でのお話。もう一つの問題があって、連結器の周囲には「胴受け」という部品がある。橘雪翼、実は胴受けが何のためのものなのか恥ずかしながら知らない。連結器を支える役目なのか、それとも……はて。ともかく、その胴受けの色が問題。黒なのか? グレーなのか? 写真を見ても、大抵の鉄道車両に言えることだが、グレーの部分は汚れて黒っぽく、黒の部分は汚れてグレーっぽくなっているのが相場。よって胴受けが黒なのかグレーなのか写真からは判別しにくい。ところが、ある日ある場所であるメーカーのある近鉄電車のあるゲージのある模型(あるあるうるさいあるよ)を見たら、連結器のみ黒、電連と胴受けはグレーだった。よし、そうなのか。と塗ってみたのが以下の画像。

グレーを筆塗り

  ちょっとしたことだが、これだけでぐぐっと「近鉄らしい」面構えになる(胴受けがグレーか黒か知らないくせにこんな偉そうな発言をする)。なお、剥がれやすい素材の話であるが……多分普通に遊ぶ限り、ここでグレーを塗った部分にストレスがかかることは少なく、塗料の素材自体の強度により剥がれることは少ないだろう……との判断。実車では付き合わされたときに強い力がかかるであろう電連部分も、模型ではそっと接するだけではないかと思われる。事実、2〜3度連結、解放を繰り返してみたところ、特に剥がれてきそうな気配はなかった。
  しかしここで、手元の資料をじ〜〜〜〜っと見ていると……"違う"ような気がしてきた。似たような色合いのグレー部分と黒部分であるが、胴受けのグレーっぽさは、グレーが汚れた黒っぽいグレーというよりは黒が汚れたダークグレーっぽく見えてきた。悩んだ結果、胴受けのグレーを剥がすことに決定。

画像がちょっとアレだけど勘弁して

  ちょっと画像のコントラストが弱くなってしまったが、撮影しなおすのが面倒なので勘弁してください(苦笑) 胴受けのグレーをシンナーで拭き取ったものがこちら。多分これが正しい……と思う……けど、何となくさっきの画像の姿も捨てきれない魅力があるような……。
  しかし、どうして近鉄がこんな変なことをしているのかちょっと分からない。塗り分けることで何かメリットがあるのかもしれないが、どうせ汚れて似たような色になるのであまり意味がないだろう。だとすれば"塗ってない"だけか。今度近鉄電車の内部の人と話す機会があったら是非ともぶつけてみたい疑問だ。

(2009.06.13)

▲お戻りの際は、ブラウザの機能をご利用いただくようお願い申し上げますm(_ _)m▲