鉄道コレクション「秩父鉄道1000系新塗装 3両セット」

トミーテック鉄道コレ「秩父鉄道1000系」

  トミーテックの鉄道コレクションシリーズ(以下鉄コレ)の新製品、「秩父鉄道1000系新塗装 3両セット」である。 この画像をご覧になった読者の皆様は「何故同じ物が4つもあるのだろう?」と思われたことだろう(例によってウチのサイトのお客さんの大半が非鉄ちゃんとして解説します)。それは単純明快な話で、通販するときに発注数を間違えたからに他ならない。私としたことが非常にうっかりしていた、5つで注文するべきだったのに!
白兎 「おーい、どなたかこの馬鹿につける薬を知りませんかー?」
実は秩父鉄道は私にとって非常に思い入れと縁のある鉄道会社で、なんてことは全くなく、極端な話倒産しようが母さんしようが意に介さないぐらいだ。じゃあなんで4つも買ったのか、あまつさえ5つ目を買いに行こうとしているのか。それには話が非常に長くなるので心して聞いて欲しい。
白兎 (Zzz...)
この秩父鉄道1000系というのは元をたどると国鉄101系電車である。かつて環状線でもオレンジ色の装いで走っていて、というと多くの人が「今でも走ってるじゃん」といいそうだが、今走っているのは201系と103系であって101系はかなり前に完全撤退している。101系は、それまで吊りかけ式と呼ばれていた旧式の動力に変わって新方式の動力を採用したために「新性能電車」と呼ばれる。今ではそれでも古いけど。線区ごとにオレンジや黄色、黄緑に青色と塗り分けられたのも101系が初(のはず)。その後103系他のさらに新しい電車(くどいようだが今ではそれらも古い)が製造されて徐々に活躍の範囲を狭めて行き、現在ではJR線上で見られないのだが、一部の車両は秩父鉄道に譲渡され現役で走っている。
  さて、では、何故4つ買ってまだ1つ必要なのかの説明に移ろう。最近になって秩父鉄道はこの1000系にとある塗装を施した。それは……国鉄時代の塗装である。オレンジ、黄色、青の3つ。そしてさらに黄緑色が追加された。秩父鉄道には興味がなかったが、1000系が101系の装いで走るとなると話は別だ。もう話が大体分かってきたと思うが、つまり、鉄道コレクションで発売された秩父1000系を実車と同じように国鉄色に塗り替えようってことである。では何故5つ目が必要か? まあ確かに秩父鉄道オリジナルカラーは別に要らないのだが、敢えて国鉄時代の塗装を"復活"させた秩父鉄道に敬意を示し、1つはそのままの状態で手元に置いておこうと思ったのである。でも注文数を4つにしたのには別の理由がある。国鉄時代の101系はオレンジや黄色の車両が多かった。関西線で黄緑(に前面だけ黄色の警戒色)、青はごく一時期に京浜東北線で走っていたときに存在した(あやふやな記憶によると1〜2年ぐらい?)。リバイバルカラーも黄緑色は黄色の警戒色をまとう。で、青はあまりにもレアな存在だったので……リバイバルカラーのラインナップに上がってないと勝手に思っていたのだ。リバイバルカラーはオレンジ、黄色、黄緑の3種類だと勘違いしていたのだ。それにオリジナルのままで残す1つを加えて4つ注文。青の存在を知らなかったことが一つ足りない理由だ。

羽生といっても将棋の羽生さんとは関係ありません(多分)

  巷では鉄コレは「値段の割に出来がいい」という評判になっているが、私の評価は「値段分の出来」と少し下がる。その理由の一番が塗装の質の悪さ。ブラインドパッケージの第一弾や第二弾――つまり黎明期――はそれほどでもなかったのだが、途中から塗装が一部乱れているのが常態化してきた。それから、低価格化のために部品点数を減らす傾向にあるので、現在のNゲージを見慣れていると鉄コレはどうしても"ちゃち"に見えてしまう。まあそういうわけで、今回のも塗装がおかしいのが混じっているだろうと4つ買ったうちの一番綺麗な物をそのまま残しておき、残り3つの塗装を剥がして国鉄色に塗り替えるつもりだった。が、何故か今回は塗装が非常に安定している。何だか塗装剥がすのが勿体無く見えてきた(笑)
  細かいところを見ると「やっぱ鉄コレだなあ」と思う箇所もあるが、少し手をかけてやれば普通のNゲージに見劣りしなくなるだろう。

  参考までに、秩父鉄道の「羽生」駅は「はにゅう」と読む。プロ棋士で有名なのは"はぶ"さんである。

とりあえずこれだけは、的メニュー

  鉄コレにはNゲージの線路上で走らせるための専用オプションパーツが用意されている。一つが動力ユニットで、これは鉄コレ以外の場所で大変お世話になっている。動力車はそれでいいのだが、動力を組み込まない車両のための下回り部品もある。一応そのままでもプラスチックの車輪が装着されているのだが、転がりが悪く質感にも乏しい。金属車輪に置き換えてやると見た目も走行性能もアップする。連結器もそのままだと車両と車両の間が空きすぎるのでオプションのものに変えてやるといい。トミックスのボディマウント型TNカプラーへの交換が一番カッコいいが、動力ユニットに付けるには工夫が必要で面倒なので、コスト面のこともあって私はやらない。あと、別に交換しなくても走行性能には影響しないが、パンタグラフはトミックスの部品に替えるべきだろう。これは鉄コレを走行させず飾っておくだけの人にも是非お勧めしたい部分だ。鉄コレに標準装備のパンタグラフは「いかにもおもちゃ」なもので、これが付いている以上鉄コレはどう足掻いても鉄コレであって模型には見えない。

(2009.03.23)

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