丸ノ内線、"最後"の3両

RMMの付録として付いてきた丸ノ内線の車体キット。
多分これらが、私作る最後の3両になる。

  鉄道模型雑誌「RMM(Rail Magazine Models)」の10周年を記念して行われた企画が「雑誌の付録にNゲージの車体キットが付属する」というものであった。その車種には、丸ノ内線の300、400、500形が選定され、パーツ選択によりどれか1つが製作可能というものであった(但し300形を製作する場合、前面パーツの調達にキット2組が必要であった)。末期の頃、丸ノ内線本線でそれらの車両は6両で運用されており、そしてファンからクレーム?があったらしい。「俺らに6冊買えというのか」と。それで急遽雑誌に付属するようになったのが「5両増結セット購入券」。葉書に貼り付けて必要事項を書いて送ると、後日代引きで5両増結セットが届くというもの。しかし鉄道模型界においてこれが初めてであろう、6両編成の実車に対して増結セットが5両を占めるなどというのは(笑)
  ところで、丸ノ内線というのは関東の路線である。私が住むのは関西。はっきり言って見たことも聞いたこともないぐらい知らなかった。縁がない、そういう車両のはずだった。キットにその車両が付属すると聞いても、100号記念の国鉄クモハ12のときの興奮とは比べるべくもなかった。が、周囲の反応も似たような物。「こんなの、要らんわ」ということで私の元に集った丸ノ内線のキット。さらに、雑誌の一部を切り抜いてもらって5両増結セットを買う権利まで頂いてしまった。私の自慢は、5両増結セットの販売時期になる前に、6両のキットを手にし、しかもそれを完成させたことになる(笑) まあそういうこともあって、手元に22両分のキットが(22両揃う頃には既に6両は完成していたが)。おまけに、銀河モデルが発売した「余ったパーツでもう1両作ろう」というコンセプトのコンバージョンキットまで買ってしまい、結果的に26両もの完成・キット状態の丸ノ内線の車両が。人間、何が縁でこうなるか分からない(笑) で、第一期(5両増結セット発売前)に6両、第二期(数年前)に18両作った。しかし手元に2両余った。これの処理をどうしようか、思い出すたびに悩んでいた。しかし、今年に入って市場から枯渇していた動力ユニットを中古店で発見し、キット本体も中古店で1つ買って、3両の支線編成を組むことにした。そしてこの度、作業を開始したというわけである。
  前置きが長くなったが、上はまず最初にやること。このキットは、プラスチックの成型色が赤で、しかも板厚が薄めに出来ている。そのまま組むと光が透けやすいので、まず裏からダークグレーを塗装。黒の方がいいかもしれないのだが、裏側を黒く塗ると、完成後の車両の内部が真っ黒に見えるのであまり良くない。というわけでダークグレーで妥協。表側から塗ってもいいのだが、後の処理が大変なので裏側からというわけである。

塗った跡

  側板は部品を組み合わせた状態にしてから塗装。で、塗装の際は厚紙に部品を固定する。固定に両面テープが使われることが多いのだが、私は両面テープの粘着力の強さが少し気になる。パーツの重量大きさに対して接着できる面積が小さなものに関しては両面テープでいいのだが、今回のように接着面積が広く取れるパーツの場合はマスキングテープを使用している。マスキングテープとは、塗装で塗り分けをするときに塗料が付着して欲しくない部分を覆うときに使うテープ。粘着力が普通のセロハンテープの類よりも弱いので、先に塗った塗料の面を乱すことが少ない。まず両面テープを貼り、その上に裏返してマスキングテープを貼る。
  で、ダークグレーを塗った後、部品を外したところ。見事と言うか、面白いと言うか、側板の窓の模様がこんな風にくっきりと残る。奥のテープと手前のテープで黄色(マスキングテープの色)の残り方が全然違う理由も説明しておこう。奥のテープは今回、丸ノ内線の側板の裏側を塗る時に新たに貼り付けたもので、手前のテープは以前に塗った小パーツを固定していた時のテープ。"前回"、この厚紙でマスキングテープ2枚の幅に小パーツを敷き詰めて色を塗った。側板の固定にはテープ1枚分があれば十分なので、1枚だけを貼り直したというわけだ。

(2009.03.10)

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