真・α350で月を撮ってみた

α350で月を撮ってみた

  というわけで2日前、α350で月を撮影してみた。満月から一週間近く?が経っており、かなり欠けてしまったが。撮影に用いたレンズはもちろん、サンニッパこと300ミリF2.8。サンニッパは十分"大砲"だが、月を撮るのには焦点距離が短すぎる。故にテレコンバーターを2個付けて(*1)焦点距離を2.8倍相当に増強。さらに、α350の撮影素子は35ミリ判よりも小さなAPS-Cサイズ。35ミリ判に換算すると1.5倍相当になるので、併せて焦点距離は1260ミリ相当ということになる。テレコンバーターを付けるとデメリットがあり、その1つが画質の低下である。しかしながら、テレコンバーターを2個付けているにもかかわらずこの画質。月のクレーターまではっきりと写っていてなかなかに感激。
  さて、デジタルカメラのメリットというものはいろいろあるが、その1つに1枚ごとにフィルムではできなかった条件の変更が挙げられる。例えばISO感度を上げたり下げたりできるし、ホワイトバランスを変更するというのもフィルム時代ではなかなかできなかったことだ(カラーフィルターを装着すると言う手もあるが……)。私は以前、フィルムで月を撮影するにあたってタングステンフィルムを使ったことがある。色温度が低くなる、つまり青っぽくなるので、被写体によっては冷たい感じを出せて面白い。ルミナリエを撮影するときにもよく使っている(ルミナリエの場合、そもそも光源の色温度がタングステン電球に近いのかもしれない)。デジタルの場合、わざわざタングステンフィルムを使うまでもない。カメラにもよるが、色温度もしくはホワイトバランスの設定でいろいろといじれてしまう。

*1:メーカー非推奨。純正だと2個付けできない。私が使ったのは純正2倍とケンコー製1.4倍、2倍テレコンの後ろになら1.4倍が付く。レンズ絞り値の表示が計算と合わなくなるが、撮影上さしたる問題はない。

色温度3000ケルビンで撮った月

  まずこちらが、カメラで設定できる最低の3000ケルビンに設定して撮影した物。かなり青くなって不気味かもしれない(笑) 月をイメージっぽく捉えるのならこんな感じで撮るのもありだろうが、ここまで月面がくっきり写っていてこの色はないだろう。何となくだが、レントゲン写真っぽい感じもする。

色温度9900ケルビンで撮った月

  逆にこちらは最大の9900ケルビン。もう少し赤くなるかとも思ったが、割と無難な仕上がりになった……かな? 期待していたのは不吉な赤い月だったのだが。まあこれでも十分不吉?

一枚目をトリミングしたもの

  さて、合成焦点距離1260ミリでも月は意外と大きくは写ってくれない。いやまあ、十分大きいとは思うのだが画面いっぱいとはいかなかった。ので、ここにトリミングした物を載せてみよう。画面の中央の面積四分の一を切り取っている。もしもこういう写真が撮りたければ、さらに2倍の焦点距離のレンズを用意しなくてはいけない。つまり2520ミリ。まあ普通は無理だな……。キヤノンには1200ミリという恐ろしいレンズがあるが(今も販売しているかどうか知らないが)、それに2倍のテレコンバーター(装着可能ならば:APS-Cサイズの撮影素子を使うデジタルカメラなら1.4倍テレコンでOK)を取り付けることで実現可能。もっとも、カメラ用レンズに拘るよりは、天体望遠鏡にアダプターを介して取り付けたほうがはるかに現実的かもしれない。あまり詳しくないが、望遠鏡ならば2000ミリぐらいのものが比較的手頃な値段で手に入るだろう。

(2008.11.21)

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