「自動機客車」裏舞台?

まずは買ってきて、開けてみたところ

  いつもながら、初めて買ってきたキットを開ける瞬間というのは楽しい。完成品を買ってきても楽しいが、完成品の場合はお店で動作チェックをすることが多いので、家で大っぴらに広げる時の楽しみはやや薄れる。それに完成品車両は、発売前に散々雑誌やネットでサンプル品の写真を見るから、慣れているとそれを見れば大体のところがイメージできてしまっているという部分もある。キットでも、モノによってはメーカーサイトに写真が出ているが、これから組み立てて行くんだ!という高揚感もあって一味違うのである。さらには、説明書を見て「あ、ここは厄介だ」とか「上手くできるのかな」というちょっとした不安なんてのも混じって、言いようのない気分になる。まあ、アルモデルのキットごときで厄介だとか不安を覚えていると先に進めないのであるが(メーカーへの褒め言葉)。

ホワイトメタル製の前面

  このキット、ちょっとお値段が張る。あまりお金の話をすると夢がないのだが、先日組み立てた機関車は3900円。この自動機客車は6900円。大きさはそんなに変わらないのに、何が違うのか? それはホワイトメタルと呼ばれる素材の部品の有無である。これは前面用のパーツであるが、緩やかにカーブした"厚みのある"デザインをしている。こういうのをエッチングで表現しようとすると、エッチングパーツをユーザーが曲げるという手順を踏むことになる。そうなると組み立て難易度が飛躍的に上がるので、こういう一体パーツで仕上げた方が綺麗だろうというメーカーの親心?かな? ところが、こういうホワイトメタルの鋳造品はコストが高くて、よってそれがお値段に反映されるということ(らしい)。前面に2枚、それから続く写真で屋根の部品もあるので、結果的に「こんなもん」になるのだろう。

屋根部品は3分割

  屋根は「二重屋根」になっている。昔の車両はこういうのが多かった。何のための二重なのか実は知らないのだが。国鉄型の客車だと、一段高い部分に明り取り窓が付いていたような気がする。通風機を載せたりする都合もあるんだろう。なかなかに特徴的で、これがあるだけで古き良き時代の雰囲気がぐぐっと出てくる不思議アイテムだ。その二重屋根は、3分割のホワイトメタルパーツになっている。そのままではやや屋根板にフィットしないので、削ったり、ほんのちょっと手で力を加えて湾曲を取ってやってぴったり隙間が出ないようにしてある。

側板に開いている不思議な穴

  これは側板パーツであるが、折り目のところに2つ、小さな穴が開いている。説明書にも何の記載もない。これは何かというと、手すりを付けてディティールアップしたい人のための穴である。この穴を、おそらく0.5ミリぐらいのドリルで開口し、真鍮線で作った手すりを差し込む。これを見て思ったわけである。あ、この車両、このスタイルなら乗降口に手すりが欲しいな、と。最初はこの穴を開けて真鍮線を植え込む予定だったのだが……それだと車体外部に突き出す形になる。車輌に乗り込むときはそれでいいかもしれないが、降りる時は……? と思って考え出したのが、一つ前のページの手すりである。形状にも少し凝って、実際に存在する手すりを観察してあの形に仕上げてみた。

(2008.10.19)

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