レイアウトに変化を〜アーチ型鉄橋編〜

外国製ストラクチャーを採用

  ドイツ?のキブリというメーカーが作っているアーチ型の鉄橋。日本にもありそうな建造物だが、日本の鉄道模型のメーカーからはこういう形の鉄橋の販売はなかったと記憶している。そういうわけで行きつけのお店に置いてあるのを見て一目ぼれ。なのだが問題があった。うちのレイアウトは基本的に複線である。複線と言うのは上下線が別々に……簡単に言うと2列車が併走できるわけである。で、うちではトミックスの線路システムを使っている。トミックスの線路システムでは2本の線路の間隔――と書くとNゲージは9ミリに決まってんだろ!と突っ込みが入りそうだ。上下線は中心間隔で37ミリ離すことになっている。頑張ればもっと縮めたり広げたりできそうだが手間なのでお勧めしない。無論私はやらない。一方、キブリの鉄橋の複線間隔はもっと狭く、実測すると約30ミリだった。このストラクチャーがNゲージより小さいZゲージでも使えるよう設計しているせいもあるだろうが、多分トミックスの線路規格の方が広すぎるのではないかと思われる。ちなみにもう一つの主力メーカーであるカトーの場合、複線間隔は33ミリである。というわけで、全体的に幅を広げる工作をしなくてはいけない。
  さて、線路の乗る面に関しては広げるのは簡単である。真ん中でぶった切って間にプラ板を咬ませればいいだけの話。問題は鉄橋の上の部分。左右のアーチを保持するパーツだ。写真で見れば分かるが、実物は大抵クロス型に組んだ鉄鋼で支える構造になっている。これを作るとき……付属部品を伸ばすか自作で作り直すか。付属部品を伸ばすのはいい方法が考え付かないので、全て作り直すことにした。これが平面状なら簡単なのだが、断面がT字型している。別に模型なんだから、簡単に帯状に切ったプラ板を組めばいいのかもしれない。が、それでやはり斜め方向から見たときにリアルではない。だから何としてもここを上手く表現しなくてはいけない。
  工作が上手く行く保証がなかったため、2組採用したかったのだがとりあえず1組買って帰って研究することにした。お店には「上手くできそうならもう1つ買いに来ます」と言って。商品の取り置きという意味ではなかったのだが、そこから次に買うまで約1年の月日が経ってしまった(笑) 理由は色々あるが、前半8ヶ月ぐらいはT字型の鋼材を表現するための方法で、残りの4ヶ月は「今年は全力を挙げて車輌作るぜ!」モードに入ったために放置された。
  ところで買った当時はあまり何も思わなかったのだが、マルイのProZを見た今だから言う。この鉄橋をNとZで共通設計するのって厳しくないか?

とりあえず簡単な部分から

  様子を見るためにアーチの部分を仮置きしているが、これが線路が乗る部分の加工が終わったところ。白い部分が延長した部分。先述の通り、真っ二つにしてから伸ばすようにプラ板を咬ませただけ。なお、実物だとここは保線員が歩くことがあるため滑り止めが付いている。製品ではクロス状の模様が付いていた。当然コレも何かしら表現したかったのだが、部品の関係で単にスジが入っただけのものを使用。無地よりはいいかな。

で、これで8ヶ月ほど悩んだ

  で、こちら。問題の鉄橋のアーチの左右を結ぶ部品をイチから全部作り直したところ(ちなみに各部の名称が分かりませ〜ん)。模型用にT字の断面をしたプラスティック素材が売られていたのだ。エバーグリーンというアメリカ?のメーカーがあって、そこが作ってそうだと思っていたのだがいいサイズがなかった。で、別の海外メーカー(名前忘れたよ……)の似たような素材が尼崎に出来た某店に置いてあって、ジャストフィットするサイズもあったので購入。私の偏見かもしれないが、鉄道模型やってる人のほとんどは模型屋に行っても本当に鉄道模型のコーナーしか見てないような気がする。視野を広げなければいいものは作れないし、狭い世界に閉じこもるだけ結末が待っているだけだと思うのだが。ま、そういう人達はあまりこういう工作しないのかな。

"T字鋼"をクロスさせた部分のアップ

  T字型素材をどうやってクロスさせたのか。2本の素材が交差するわけだが、一方は「T」の下の部分を、他方は上の部分を削って咬み合わせるようにした。と、言葉にすると簡単。実際には苦労が付き纏う。始めの一歩は、寸法を測るところから。斜めにクロスするので、「T」の上面を削るときにも斜めに削らないといけない。角度は目分量なので厳密に「何ミリ」という寸法が出せない。なので1つめは少なめに削って、上手くはまるように徐々に広げた。2つめからは、1つめを採寸しての作業。寸法が分かっても斜めに削るのは苦労した。「X」字にするのは全部で8個。面倒なような、終わってしまえば思ったより楽だったかも……?

各部品は上からプラ板を貼って接合する

  実物でも鉄鋼同士を繋げるのに、上から鋼板を貼って鋲打ちしているようだ。というわけで模型の世界でも都合よく同じ方法が使える。上からプラ板を貼って、それでクロスさせた部品と適切な長さに切り出した部品を貼り合わせていった。先ほどのクロスさせる部品も、隙間なく綺麗にはまるように削れたわけではない。だが、上から補強部品を入れることで綺麗に隠せるので好都合。なお、実物は鋲打ちしているためにリベットがある。模型でも……再現するつもりだったが、こればかりはいいものが見つからずのっぺらぼうのまま放置することにした。ま、雰囲気はいい感じに仕上がったのでこれでいいだろう。   

別カット……写真の水平出てません。

  塗装は、下回りはMr.カラーのジャーマングレー(以前FC3S RX-7作ったときに使った塗料の余り)、鉄橋部分はマッハ模型の灰青色を使用。さて、塗装も終わってあとは組み上げるだけ……というところまで来て誤算発生。橋脚にはアーチの根元を受けるための切り欠きがあるのだが、幅を広げたためにこれの位置が全く合わない。そもそも付属の橋脚ではトミックスの高架線の高さと合わないので……採用するかどうかすら未定だった。付属部品の加工が面倒だったのでトミックスの橋脚を使おうと思ったのだが、それはそれで鉄橋の根元部分を受ける箇所に不都合が発生する。というわけで橋脚も幅を広げた。橋脚には煉瓦の表現があるので、単純に真っ二つにしてプラ板咬ませて延長する、という具合にはいかない。幸いにして、この製品は単線で使うことも想定されており、単線用と複線用で別々の橋脚パーツが入っていた。というわけで単線用のパーツを活用することにした。複線用のパーツをぶった切り、間に単線用から7ミリ幅で切り出した部品を埋め込んで延長。高さが合わない部分は、適当にゲタを履かせることでとりあえずの解決手段としている。   

(2008.01.17)

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