荷物を運ぶ電車
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荷物を運ぶ電車ってのは古い国鉄時代そう珍しい存在ではなかったが、こういう風にオープンなやつ(無蓋車という)となると数が少ない。新型に置き換わってからも種類は少なく、1セットで使われる2形式が存在するのみ。現在廃車が進み、確か5セット10両ぐらいしか残ってないはず。まあそんなレアなものを模型化してみた。といっても、実際に厳密にこういう車輌が存在したかというと、そうではない。実車通りに作ろうとすると前面があまり好きではないものを選ばなくてはならず、せっかく作るんだから、と整った形のやつを選んだ。 |
運転室に動力を搭載
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Nゲージの場合、車体に占める動力装置の体積の割合は結構多い。昔は80%ぐらい?で、今は技術が進んで40%ぐらい?になっている。それでもこういうトラック形の車輌の場合、運転室に動力を収めるのは結構至難の技。まあメーカーが本気出せば余裕のよっちゃんなんだろうけど、我々一介のユーザーは"そういう部品"が発売されないぐらい自作は困難を極める。というわけなのだが、"そういう部品"をアルモデルというメーカーが作ってくれた。製品からさらに工夫する箇所はあるものの、比較的簡単にこの形の電車に動力を組み込むことができた。 |
紆余曲折あって……
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こちらは1両で走れるタイプのクモル23。実はこの車輌、最初はスケール通りに「クモル23051」という車輌にする予定だった。が、前面形状がそんなんであまり好きになれず、いかにも旧型国電っぽいやつで作ることにした。その際、パンタグラフから降りてくる様々な配管類が表現されてないので、自分でやることに。真鍮線と割りピンと呼ばれるものを使って細工。過去に配管は阪急電車を作るときに何度かやっているが、屋根から前面に降りてくるタイプはこれが初めて(厳密には今日の画像で侃侃諤諤第二弾のクモヤ12が最初)。配管工作は鉄道模型のトップモデラーの作品になると"当たり前"になっているが、私はトップモデラーじゃないしそもそもそこまで手間をかけるのが好きじゃないのでずっと放置していた。が、やってみるとトップモデラーが配管工作する理由が少し分かったような気がする。 |
実車のように配管が"浮く"
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上の写真のアップ。ピントが来てないが、マクロ撮影故にピントの合う範囲が狭いのでご容赦を。見てみれば分かると思うが、細い線が車体から少し"浮いて"いる。実車もこういった配管類はぴったり密着しているのではなく、ほんの数センチ程度車体から浮いた状態で取り付けられている。最近の電車はこうした配管が前面に来ているものはほとんどないが、昔の車輌では多かった。そうした"浮いた"状態を表現するには配管工作は必須。何せプラスティックの成型でこんなこと再現できるわけが(今の技術では)到底不可能だから。まあ別パーツ化すれば出来るかもしれないが……。というわけでトップモデラーで旧型国電作る人は配管工作をする(他にも理由あるんだけど)。実際やってみると、リアルな管の走り具合がニヤリとさせてくれる。これは上手に出来ると楽しい。 (2007.12.31)
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