問題の詰め将棋

どう考えても7手で詰む上駒が余る

  先日書いた"オカシイ"詰め将棋。神戸新聞の夕刊にて毎週土曜日に出題される懸賞詰め将棋だ。この図だとこういう詰め手順になる。(▲こちら側の手、△玉方の応手)
▲4四桂
△同馬
▲4二金
△同銀
▲3三金
△同※
▲2一馬
まで7手詰め(金余り、※印は馬、龍、銀いずれで取っても同じ)
初手、3手目、5手目、いずれも他に考えられる手は存在しない。問題図の時点で玉は動くことが出来ず、初手、3手目、5手目にこちらが打った駒はいずれも他の駒で取らなければいけないからだ。 これはあまりにもおかしい。いつもの懸賞詰め将棋の詰め手数が最低でも9手であること、駒が余ること、6手目何で取っても7手目同じ手で詰むこと、内藤九段らしい作意が感じられないこと。これがヘボアマチュアの作った詰め将棋なら、6手目が3通りあるけど7手目同じ駒で詰むんだぞー!という詰め将棋とも考えられるが、それはプロ棋士の作る詰め将棋ではない。そもそも駒が余る時点で詰め将棋としては不完全。だから私は悩んだ。自分が何かとんでもない見落としをしているのではないか。でも、将棋盤に並べてみても"見落とし"が発見できなかった。だから、どこか何か問題でミスがあるものだと判断。まずは、味方の駒の一部を敵方に移してみた。が、歩以外の駒の向きを引っくり返すとどこをどうやっても詰まなくなる。そして歩が敵方になってもこの詰め手順に何の影響も及ぼさない。次に私が考えたのは、持ち駒が多すぎるという案。桂馬を外すとこれまたどうやっても詰まない。だから、金が3枚のところ2枚に減らしてみた。
▲4四桂
△同馬
▲4二金
△同銀
▲2一龍
△4三玉
▲4四馬
△5二玉
▲6二金
まで9手詰め(角余り)
やっぱりおかしい。角が余る。ちなみに、この検証で金が3枚でもこの手順で詰ませることができる。詰め将棋のルールとして「最短手順で詰ませる」というのがあるが、それでも手数の多い余詰めを残さないのが詰め将棋の美学のようなもの。ここにきて私はギブ・アップ。とにかく問題が間違っていると考えた。そして昨日、待ちに待った解答の載った神戸新聞が親の家に届いた。
「前々回の出題図にて、1一の"角"が誤って"馬"と掲載されました。これにより生じた余詰めも正解とします」
いや、余詰めとかそういうレベルじゃないから。でもまあともかく、問題が間違っていた。だから今回は良しとする。で、昨日の詰め将棋はまだ解けていない(笑) さぁ、頑張ろう。

(2006.11.12)

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