落ち紅葉
フィルム写真を掘り起こす その9
雨に濡れる落ち紅葉

 雨上がり。元々落ちていたのか雨に落とされたか、地面や石の上に散った紅葉たち。赤く染まった葉が雨に濡れて綺麗だった。今年公開した写真の傾向で分かる通り、私はSNS映えしそうな彩度の高い派手なものより、どこか寂寥感漂う落ち着いた写真が好きである。この写真はそんな私の好みを写した現在の一番のお気に入りだ。2010年頃の作品で、13年経った今でもこれを超える1枚は撮れていない。精進せねばならない。
 カメラはα-9、レンズはSTF 135mm F2.8――即ち明るさはT4.5で、ISO感度100のポジフィルムでは露光時間が長くなり手振れの危険があった。さらにこのレンズはMFレンズ、そしてややローアングルで中腰の体勢という悪条件が加わったため、素直に三脚を使ってじっくり撮影したのを覚えている。今だったらα7 IIIとSTF 100mm F2.8の組み合わせで手持ち撮影できるだろう。

(2023.10.17)
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